リスト:巡礼の年 第2年「イタリア」 S.161

00:00 No. 1. Sposalizio (Marriage of the Virgin)
09:13 No. 2. Il penseroso (The Thinker)
14:09 No. 3. Canzonetta del Salvator Rosa (Canzonetta of Salvador Rosa)
17:10 No. 4. Sonetto 47 del Petrarca (Sonnet 47 of Petrarch)
24:00 No. 5. Sonetto 104 del Petrarca (Sonnet 104 of Petrarch)
31:27 No. 6. Sonetto 123 del Petrarca (Sonnet 123 of Petrarch)
39:07 No. 7. Apres une lecture du Dante, fantasia quasi una sonata (After Reading Dante)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『巡礼の年』(じゅんれいのとし、巡礼の年報とも訳される、フランス語:Années de pèlerinage)は、フランツ・リストのピアノ独奏曲集。『第1年:スイス』『第2年:イタリア』『ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)』『第3年』の4集からなる。

20代から60代までに断続的に作曲したものを集めたもので、リストが訪れた地の印象や経験、目にしたものを書きとめた形をとっている。若年のヴィルトゥオーソ的・ロマン主義的・叙情的な作品から、晩年の宗教的、あるいは印象主義を予言するような作品まで様々な傾向の作品が収められており、作風の変遷もよくわかる。「泉のほとりで」、「ダンテを読んで」、「エステ荘の噴水」などが特に有名である。

第2年:イタリア

ラファエロの「聖母の婚礼」
『第2年:イタリア』 (Deuxième année: Italie) S.161は、1838年より作曲が開始され、1858年に出版された(ただし第3曲を除いて1839年にはほぼ完成していたようである)。マリーを伴ってイタリアを旅し、絵画や文学など数々の芸術に触れた印象を音楽としてしたためたものである。

婚礼 Sposalizio:ホ長調
ラファエロの「聖母の婚礼」による。終結部のフレーズはドビュッシーの『アラベスク第1番』を予感させる。
物思いに沈む人 Il penseroso:嬰ハ短調
ミケランジェロの彫刻による。『第2年』には珍しいほどの大変暗い雰囲気の曲で、後のラヴェルの「絞首台」を思わせるようなオクターヴによる重々しい同音による連打音が印象的である。1866年に管弦楽曲『3つの葬送頌歌』S.112の第2曲「夜」へと改作された。
サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ Canzonetta del Salvator Rosa :イ長調
伴奏風の部分と、歌の部分をピアノで演奏する形をとる。前曲とは全く対照的な、明るく活発で、親しみやすい雰囲気。ここで掲げられているサルヴァトール・ローザの詩は、現在ではボノンチーニ作とされている。
ペトラルカのソネット第47番 Sonetto 47 del Petrarca:変ニ長調
劇的表現力が問われる曲で、甘い旋律が続くが、その旋律の中に情熱が秘められている。
ペトラルカのソネット第104番 Sonetto 104 del Petrarca:ホ長調
劇的要素のある曲で、3曲ある「ペトラルカのソネット」の中で最もスケールが大きい。劇的表現力が要求される。甘い中にも情熱を秘めた旋律が続き、哀愁を伴う。
ペトラルカのソネット第123番 Sonetto 123 del Petrarca:変イ長調
他2曲に比べると静かな印象のある曲だが、やはり静かな中にも情熱がこめられている。
第4曲から第6曲までの「ペトラルカのソネット」は、歌曲集『ペトラルカの3つのソネット』第2稿をリスト自身がピアノ編曲したもの。ソネットの番号は、ペトラルカの詩集『カンツォニエーレ(イタリア語版)』に収録されているものとは実際には少しずれている。
ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲 Après une Lecture du Dante: Fantasia quasi Sonata:ニ短調-ニ長調
他6曲に比べ遥かに規模が大きく、演奏時間約17分に及ぶ大作。『ダンテ・ソナタ』とも呼ばれる。リストのピアノ作品の中でも演奏が大変難しいことで知られ、難曲のひとつでもある。1839年には既に演奏された記録があり、2部からなる「神曲への序説」という題を付けていた時期もある。標題自体はユーゴーの詩集『内なる声』の中の一篇からとられており、ダンテの『神曲』より「地獄篇」のすさまじい情景を幻想的に描き出している。「音楽の悪魔」の異名を持つ三全音が冒頭で用いられているが、これはまさに地獄を音で表現したものといえる。

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