モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K 465 『不協和音』

00:00 I. Adagio - Allegro
10:57 II. Andante cantabile
18:25 III. Menuetto: Allegro
23:32 IV. Allegro molto

演奏者 Borromeo String Quartet (String Quartet)
公開者情報 Boston: Isabella Stewart Gardner Museum
著作権 Creative Commons Attribution Non-commercial No Derivatives 3.0

モーツァルトの弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K.465『不協和音』は、彼が生前に発表した最後の弦楽四重奏曲の一つです。この曲は、彼が晩年になってから作曲した作品の一つで、その革新的な要素や技術的な困難さから、ごく少数の人々しか演奏することができませんでした。

その名前の由来は、第一楽章に現れる不協和音の和音進行から来ています。この和音進行は、当時の音楽理論に反するものであり、多くの人々によって不気味な音楽として見られていました。しかし、現代の聴衆にとっては、この不協和音が曲の魅力的な要素であることがよく知られています。

弦楽四重奏曲第19番は、4つの楽章から構成されています。第一楽章では、不協和音という驚くべき和音進行に加えて、絶妙なコントラプントが見事に織り込まれています。第二楽章では、美しい旋律と和音進行が現れます。第三楽章は、急速なテンポで進むスケルツォであり、幻想的なフレーズが鮮やかに聴こえます。最後の楽章では、全楽章の要素が統合され、鮮やかでダイナミックな終結を迎えます。

この弦楽四重奏曲は、モーツァルトが晩年になって成熟した作曲スタイルの一つを示しており、彼の音楽の中でも特に価値の高い作品の一つとされています。この曲は、現代でも多くの弦楽四重奏団によって演奏され、聴衆から高い評価を得ています。

モーツァルトの弦楽四重奏曲第19番ハ長調 K.465は、通常『不協和音』として知られています。以下、この曲に関する基本的な情報をまとめてみました。

1. **背景**: この曲は、モーツァルトが1785年にウィーンで作曲した6つの弦楽四重奏曲のうちの1つで、彼の友人であり、弦楽四重奏の創始者ともいえるハイドンに捧げられています。この6つの曲は「ハイドン四重奏曲」としても知られています。

2. **名称の由来**: その独特の名称『不協和音』は、第1楽章の冒頭に現れる複雑な和音に由来しています。この和音は、当時の聴衆には驚きとなるような不協和音に聞こえたことからこの名前がつけられました。しかし、この和音が次第に解決して美しい旋律と和音に展開していく様は、モーツァルトの傑出した技巧と創意を感じさせるものです。

3. **楽章構成**: この四重奏曲は以下の4つの楽章からなります。
- 第1楽章: アレグロ
- 第2楽章: アンダンティーノ
- 第3楽章: メヌエットとトリオ:アレグレット
- 第4楽章: アレグロ

4. **評価と影響**: モーツァルトがハイドンに捧げた6つの四重奏曲は、ハイドン自身からも高く評価されました。特にK.465は、その独特な和音や緻密な構造によって、後の作曲家たちにも多大な影響を与えました。

この『不協和音』四重奏曲は、モーツァルトの弦楽四重奏曲の中でも特に知名度が高く、今日でも多くの弦楽四重奏団によって演奏されています。

- **調性**: この曲がハ長調であるにも関わらず、初めて現れる和音が非常に不協和音的であるため、その名前が付けられました。しかし、それが理由でこの曲が異色というわけではありません。むしろ、モーツァルトはこのような不協和音を駆使して、聴き手を驚かせることで、さらにその後の楽章の美しさや調和に対する期待を高めています。

- **作曲の背景**: モーツァルトはウィーン時代に弦楽四重奏の作曲に深い関心を持っていました。この時期、彼はハイドンの弦楽四重奏曲に触れ、その影響を受けながらも独自のスタイルを確立しようとしていました。

- **ハイドンとの関係**: この曲はモーツァルトがハイドンに捧げた6つの四重奏曲の一つであり、両者の間には深い尊敬と友情がありました。モーツァルトはハイドンの作品を高く評価しており、ハイドンもモーツァルトの才能を認めていました。このK.465も、モーツァルトがハイドンの技法やアイディアを取り入れつつ、自らのオリジナリティを追求した結果として生まれた作品と言えるでしょう。

- **受容**: 当時のウィーンの音楽愛好家たちには、この『不協和音』の冒頭部分は非常に挑戦的に感じられたかもしれません。しかし、モーツァルトの巧みな技巧や楽章間の関連性、動機の展開など、全体を通しての作品の完成度は高く評価されていました。

- **現代での評価**: 今日、この作品はモーツァルトの弦楽四重奏曲の中でも最も人気があり、しばしばコンサートや録音で取り上げられます。特に、冒頭の不協和音は、モーツァルトの先見の明や音楽的な冒険心を象徴するものとして、多くの人々に愛されています。

この『不協和音』四重奏曲は、モーツァルトの音楽の深さや多様性を感じることができる素晴らしい作品の一つとして、後世に伝えられています。

From Wikipedia, the free encyclopedia
The String Quartet No. 19 in C Major, K. 465 by Wolfgang Amadeus Mozart, nicknamed "Dissonance" on account of its unusual slow introduction, is perhaps the most famous of his quartets.
It is the last in the set of six quartets composed between 1782 and 1785 that he dedicated to Joseph Haydn. According to the catalogue of works Mozart began early the preceding year, the quartet was completed on 14 January 1785.

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K. 465 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1785年に作曲した弦楽四重奏曲。フランツ・ヨーゼフ・ハイドンに捧げられた全6曲ある『ハイドン・セット』のうちの6曲目であり、第1楽章冒頭の異様とも聴こえる大胆な和声から、『不協和音』(Dissonanzenquartett)の愛称で知られる。

概要
『ハイドン・セット』の最後を飾る本作は、モーツァルト自身による作品目録によれば1785年の1月14日にウィーンで完成したと記されている。特筆すべきはやはり愛称の由来となった第1楽章冒頭の響きであるが、本作を含む6曲の弦楽四重奏曲を贈られたハイドンはモーツァルトにとって数少ない理解者であったものの、メイナード・ソロモンによれば「ハイドンはこの『不協和音』四重奏曲の冒頭の前衛的な部分に対しては、近寄りたくないと思っていた」という。また、真偽のほどは定かではないものの、モーツァルトの死後に妻コンスタンツェがゲオルク・ニコラウス・ニッセンと共に記したモーツァルトの伝記によれば、裕福なボヘミアの貴族であるグラサルコヴィッツ公(Grassalkowitsch)の家で本作が演奏された際に、第1楽章が終わると公は怒って楽譜を破いてしまったというエピソードが残っている。

曲の構成
全4楽章、演奏時間は約30分。

第1楽章 アダージョ - アレグロ
ハ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。

冒頭22小節は、愛称の由来ともなった異様とも聴こえる和声効果を持つ序奏が置かれている。ここではチェロは "C"、ヴィオラは "A♭"、第2ヴァイオリンは "E♭"、第1ヴァイオリンは "A" の音で開始する。この響きは当時としては理解し難いものであり、モーツァルトや写譜職人の誤記と真剣に思った人すらいたといわれる。ただし、この序奏の後は一転し、モーツァルトらしい明快な曲となる。

第2楽章 アンダンテ・カンタービレ
ヘ長調、4分の3拍子、二部形式(または展開部を欠くソナタ形式)。

第3楽章 メヌエット:アレグロ - トリオ
ハ長調 - ハ短調、4分の3拍子。

第4楽章 アレグロ
ハ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。

参考文献
音楽を「考える」 (ちくまプリマー新書 58) (新書)茂木健一郎 ISBN 4480687602

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#モーツァルト #弦楽四重奏曲第19番ハ長調 #K465 #不協和音

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