ラヴェル:ダフニスとクロエ( Daphnis et Chloé)

Daphnis et Chloé is a 1912 symphonie chorégraphique, or choreographic symphony, for orchestra and wordless chorus by Maurice Ravel. It is in three main sections, or parties, and a dozen scenes, most of them dances, and lasts just under an hour, making it the composer's longest work. In effect it is a ballet, and it was first presented as such. But it is more frequently given as a concert work, either complete or excerpted, vindicating Ravel's own description above. From Wikipedia, the free encyclopedia

00:00 I. Lever du jour
05:24 II. Pantomime
11:38 III. Danse générale

公開者情報 The Scottish Sinfonia http://scottishsinfonia.org.uk/recordings.php
演奏者 The Scottish Sinfonia, Neil Mantle (conductor)
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『ダフニスとクロエ』(フランス語: Daphnis et Chloé)は、ロシアのバレエダンサー・振付師ミハイル・フォーキン、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル、ロシアの美術家レオン・バクストらによって制作されたバレエ、またこのバレエのためにラヴェルが作曲したバレエ音楽、あるいはラヴェルの同楽曲に基づいて後世に再創造されたバレエである。2~3世紀古代ギリシアのロンゴスによる物語『ダフニスとクロエ』を題材にしており、全3場が連続して上演される。上演時間は約55分。

ロシアの興行主セルゲイ・ディアギレフが率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)により1912年にパリで初演された後、1920年代にはパリ・オペラ座バレエの演目に加えられた。その後フォーキンによる振付は伝えられることなく失われたが、フレデリック・アシュトンなどにより新しい振付が施され、初演から100年を経過してもなおバレエのレパートリーとして生き残っている。

また、このバレエのためにラヴェルが作曲した管弦楽曲は、彼の傑作の一つとして高く評価され、バレエ音楽全曲、または作曲者自身による2つの組曲(「第1組曲」、「第2組曲」)の形で演奏される。

バレエの筋書き
レオン・バクストによる舞台美術

第1場。奥に見えるのは海ではなく湖。木の間に3体のニンフの像が挟まっている。その下にある岩は羊の形をしている。

第2場。切り立つ岩に囲まれた海岸。実際には夜のシーンである。
登場人物
ダフニス(Daphnis):主人公である山羊飼いの少年。ロンゴスの原作では15歳の設定である。
クロエ:(Chloé):主人公である羊飼いの少女。ダフニスとは恋仲である。ロンゴスの原作では13歳。
ドルコン(Dorcon):ダフニスの恋敵役となる若い牛飼い。
リュセイオン(Lyceion):ダフニスを誘惑しようとする好色な人妻。
ブリュアクシス(Bryaxis):海賊の首領
第1のニンフ、第2のニンフ、第3のニンフ
パン神:半獣神。バレエでは巨大な影として表現される。
ラモン(Lammon):パン神がクロエを救った理由を説明する老いた山羊飼い。原作ではダフニスの養父であるが、バレエではその設定は生かされていない。
その他(牧人たち、海賊たち、サテュロスたち)
あらすじ
3つの場面に分かれており、第1場と第3場はニンフの神殿がある神聖な森の近くの牧草地[注 4]、第2場は海賊ブリュアクシスの夜営地のある海岸が舞台となっている。

第1場
牧草地の春の日の午後。若い牧人たちが供物をもってニンフの祭壇に集まっており、その中にはダフニスとクロエの姿もある。若者たちは踊りを楽しむが、ダフニスはクロエに横恋慕する牛飼いのドルコンと対立し、クロエの口づけをかけて舞踏の腕前を競い合う。ドルコンは皆の笑い者となりダフニスが勝者となる。その後、一人になったダフニスが年増女のリュセイオンに挑発されるエピソードを挟み、突如、海賊の襲来となる。クロエは海賊に誘拐されダフニスは絶望のあまり倒れる。そこに3人のニンフが現れると、彼を蘇生させてパン神に祈らせる。
第2場
海賊の夜営地では略奪に成功した海賊たちが宴を催しており、海賊の首領ブリュアクシスは捕虜となったクロエに踊りを強要する。クロエは踊りつつ脱出の機を窺うが果たせない。ついにクロエはブリュアクシスに手籠めにされそうになるが、そこにパン神の巨大な幻影が出現して海賊を脅すと、海賊たちはたちまち退散してしまう。
第3場
牧草地の夜明けの情景が描かれる。再会を喜び合うダフニスとクロエ。そこに現れた老羊飼ラモンが、「パン神が自身のかつてのシリンクスに対する愛の思い出の故にクロエを救い出したのだ」と教える。2人はパン神とシリンクスの物語をパントマイムで再現し、神に感謝する。牧人たちが集まり「全員の踊り」となり、大団円となる。

ラヴェルによるバレエ音楽

ラヴェルがこのバレエのために作曲した音楽は、混声四部合唱を含む、規模の大きい四管編成のオーケストラによるもので、曲の長さと編成の大きさにおいて、ラヴェルの作品で最も大規模なものである。


合唱の省略について
『ダフニス』は管弦楽の編成が大きく、しかも合唱団までを必要としたために、他の作品に比べて上演にはコストがかかった。合唱を省略したいディアギレフと合唱を不可欠とするラヴェルとの間で意見が対立したが、結局ラヴェルは「ヨーロッパの主要都市では完全な合唱入りで演奏する」ことを条件として、重要ではない都市の公演では合唱抜きにすることに同意し、第1場の終わりに合唱のみで演奏される部分(「間奏曲」)を、管弦楽に編曲した。

ところがディアギレフは、1914年6月に ロンドンのドルリー・レーン劇場(英語版)で行うイギリス初演を合唱抜きにしようとした。このことに激怒したラヴェルはロンドンの4つの新聞社に抗議の声明文を送り付け、さらに交友関係のあったイギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズにも声明文のコピー送り、その内容をできるだけ広めてほしいと頼んだ[注 51]。『ザ・モーニング・ポスト(英語版)』紙には次のようなラヴェルの意見文が掲載された。

私の最も重要な作品である『ダフニス』は6月9日、火曜日にドルリー・レーン劇場で上演される予定です。このことは私のもっとも喜びとするところであり、私の芸術上の経歴の中でもっとも名誉となることのひとつになるはずのことでした。ところが、私はロンドンの聴衆の前で演じられるものが私の作品の本来の姿ではなく、仮のアレンジであることを知りました。これはド・ディアギレフ氏の求めに応じて、あまり重要でない都市での上演を容易にするために書くことを受け入れたものです。ド・ディアギレフ氏はおそらく、ロンドンは「あまり重要ではない都市」だとみなしているのでしょう。なぜなら、彼はドルリー・レーンで、はっきりを約束したにもかかわらず、合唱ぬきの新版で上演しようとしているからです。 私は深く悲しみ、驚き、このやりかたは作曲者と同じくらいロンドンの聴衆のことを馬鹿にするものだと考えます。

— ラヴェル、アービー・オレンシュタイン 井上さつき訳『ラヴェル-生涯と作品』音楽之友社、2006年12月、ISBN 4-276-13155-3、88頁より引用
ディアギレフはこれに反論したが、ラヴェルはさらに長い声明文を『コメディア(フランス語版)』紙に送り付けてディアギレフの誤りを指摘した。結果、ラヴェルとディアギレフとの間で、主要都市では合唱を入れることがあらためて確認され[104]、ロンドン公演は合唱入りで行われた。

現在では、第1場の終末から第2場にかけての合唱(「間奏曲」)を省略した際の管弦楽版の楽譜が全曲版スコアの末尾に収録されており、その他の部分については必要な代替処置がパート譜に記されている。

楽曲構成
バレエ音楽『ダフニスとクロエ』は、台本に基づいた踊りのための一連の音楽でありながら、調性の統一と緻密な主題設計が図られている。全曲はイ長調に始まりイ長調に終わるが、イ長調の属調であるホ長調は登場せず、ホ長調のさらに5度上のロ長調に重要な役割が与えられている。ラヴェル自身はこの作品を「舞踏交響曲」と形容しており、「この作品は交響曲的に構成されており、ひじょうに厳格な調性計画に従い、また少数の動機を手段にしている。この動機を一貫して追ってゆくと、交響曲的な統一が保証されるのだ。」と述べている。

ラヴェルの死の2年後にあたる1939年にラヴェルの作品を論じたウラジミール・ジャンケレヴィッチは、ラヴェルの言う「作品に交響的統一を保証する少数の動機」として、第1場の前半までに登場する5つの主題を指摘して作品を分析している。

バレエ音楽全体は、上記の主題や動機を軸として様々なエピソードを挟みながら構成されているが、あくまでもバレエのための音楽であるため台本に沿って進行し、踊り手の動きも想定されている。第1場の「ダフニスの優雅で軽やかな踊り」はダフニスがソロで踊る場面であり、初演ではヴァーツラフ・ニジンスキーがダフニスを演じた。下の譜例はその開始部分であるが、3小節目にはフェルマータつきの8分休符による「間」があけられている。この「間」は、ニジンスキーが1909年の『アルミードの館(オランダ語版)』で見せた、重力を無視したかのような驚異的な跳躍に触発されたラヴェルが、彼が空中に留る時間のために書いたものである。

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