ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

In this video, we'll be taking a look at Ludwig van Beethoven's Symphony No. 3 in E♭ major, also known as the "Hero Symphony." This composition is full of epic and heroic music that will leave you captivated from start to finish.

If you're a fan of symphonic music, then you need to check out this video! In addition to discussing the composition, we'll also give you a performance of the piece by the Vienna Philharmonic Orchestra. This is one symphony you won't want to miss!

00:00 I. Allegro con brio
15:11 II. Marcia funebre: Adagio assai
30:40 III. Scherzo: Allegro vivace
36:29 IV. Finale: Allegro molto - Poco andante - Presto

演奏者ページ Czech National Symphony Orchestra orchestra
公開者情報 Palo Alto: Musopen, 2012.
著作権 Creative Commons Attribution 3.0
備考 Source: Musopen lossless files also available

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

交響曲第3番 変ホ長調 作品55『英雄』(こうきょうきょくだい3ばん へんホちょうちょう さくひん55 えいゆう、原題:伊: Sinfonia eroica, composta per festeggiare il sovvenire d'un grand'uomo 英雄交響曲、ある偉大なる人の思い出に捧ぐ)は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1804年に完成させた交響曲。『英雄』のほか、イタリア語の原題に由来する『エロイカ』の名で呼ばれることも多い。ベートーヴェンの最も重要な作品のひとつであると同時に、器楽音楽による表現の可能性を大きく広げた画期的大作である。

概要

交響曲第3番の浄書総譜表紙(ウィーン楽友協会蔵)
フランス革命後の世界情勢の中、ベートーヴェンのナポレオン・ボナパルトへの共感から、ナポレオンを讃える曲として作曲された。しかし、完成後まもなくナポレオンが皇帝に即位し、その知らせに激怒したベートーヴェンは「奴も俗物に過ぎなかったか」とナポレオンへの献辞の書かれた表紙を破り捨てた、という逸話がよく知られている。

この曲は、ハイドンやモーツァルトなどの古典派の交響曲や、自身の交響曲第1番・第2番からの飛躍が著しい。曲の長大さや、葬送行進曲やスケルツォといったそれまでの交響曲の常識からすると異質にも思えるジャンルとの本格的な融合、マーラーを先取りする「自由に歌うホルン」を取り入れたオーケストレーション、さらに英雄的で雄大な曲想などの点において革新的である。

この曲の題名のように用いられているエロイカ (eroica) は、男性単数名詞を形容する eroico という形容詞が女性単数名詞である sinfonia (交響曲)を修飾するために語尾変化したものである。sinfonia eroica を直訳すると「英雄的な交響曲」となる。したがって交響曲第6番「田園」の場合のように交響曲をもとにしてに田園の情景を描いたいわゆる標題交響曲とは異なり、「英雄を描写した交響曲」という意味は持っていない。

1817年(第9交響曲を作曲中のころ)、「自作でどれが1番出来がいいと思いますか」という詩人クリストフ・クフナーの質問に対し、ベートーヴェンは即座に「エロイカ」と答え、「第5交響曲(運命)かと思いました」と言う言葉に対しても「いいえ、いいえ、エロイカです!」と否定している。

作曲の経緯
作曲者の「無給の秘書」シンドラーが書いた伝記によると、当時ウィーン駐在のフランス公使だったベルナドット将軍(後のスウェーデン国王カール14世ヨハン)の勧めにより作曲を始めたものとされていたが、このエピソードはシンドラーの創作であるとする説が有力視されており、この交響曲の作曲に着手したきっかけはよくわかっていない。

なお、ナポレオンが皇帝に即位したという知らせを聞いたベートーヴェンが「奴もまた俗物に過ぎなかったか。これから、人々の人権を踏みにじって自分の野心のためだけに奔走し、誰よりも自分が優れていると誇示する暴君になるのだろう」と激怒し、献辞が書いてある表紙を破り取ったという、弟子フェルディナント・リースの回想に基づく有名なエピソードが伝えられている。しかし実際は、ウィーン楽友協会に現存する浄書総譜には表紙を破り取った形跡はなく、表紙に書かれた「ボナパルト」という題名とナポレオンへの献辞をペンでかき消した上に「シンフォニア・エロイカ」と改題され、「ある英雄の思い出のために」と書き加えられている。

ナポレオンへの献呈は取り止めになり、最終的な献呈先はロブコヴィツ侯爵に落ち着いた。この書き足された「ある英雄」が誰であるのかに関しては昔からいろいろ推測されてきたが、ごく最近「この「ある英雄」は、非公開の初演に立会い、1806年7月9日にイェーナの会戦で戦死したプロイセン王子ルイ・フェルディナント(フリードリヒ大王の甥で音楽的才能もあった)ではないか」という説も出てきている。

またそれゆえに、ベートーヴェンが皇帝に即位したナポレオンに激怒したという件についても、事実であるかどうか疑いが持たれている。ベートーヴェンは終始ナポレオンを尊敬しており、第2楽章が英雄の死と葬送をテーマにしているため、これではナポレオンに対して失礼であるとして、あえて曲名を変更し献呈を取り止めたという説もある。

演奏時間
20世紀中盤は第1楽章の繰り返しを含めず50分程度が多かったが(ヴィルヘルム・フルトヴェングラーなど)、20世紀終盤からは古楽の隆盛による演奏様式の史的考証の進展に伴ってベートーヴェンのメトロノーム指定を尊重する傾向が強まり、繰り返しを含めて42分から48分ほどの演奏が増えている。

曲の構成
第1楽章の巨大な展開部と第2展開部に匹敵するコーダ。第2楽章には歌曲風の楽章の代わりに葬送行進曲、第3楽章にはメヌエットの代わりにスケルツォ(ただし、これは第1番と第2番でも既に試みられている)、そして終楽章にはロンド風のフィナーレの代わりに変奏曲が配置される。

第1楽章 Allegro con brio
変ホ長調。4分の3拍子。 ソナタ形式(提示部反復指定あり)。

第2楽章 Marcia funebre: Adagio assai
ハ短調。4分の2拍子。葬送行進曲。A-B-A'-C-A"の小ロンド形式。

第3楽章 Scherzo: Allegro vivace
変ホ長調。4分の3拍子。複合三部形式。

第4楽章 Finale: Allegro molto
変ホ長調。4分の2拍子。自由な変奏曲の形式。

楽譜
ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社によって旧ベートーヴェン全集が1860年代に出版されて以来、他のベートーヴェン作品同様、旧全集やその改訂版が演奏されて来たが、研究が進むにつれてベートーヴェンが関わった原稿や初版譜の点検が行われ、旧全集の譜面との差異が明らかになり、新たな楽譜を作ろうとする動きが出て来た。

ベートーヴェンの生前出版された『英雄』の楽譜はパート譜が最初で、それを元にロンドンとボンの出版社からスコアが出版された。そのため両版には食い違いがみられる。自筆スコアは失われているが、ベートーヴェンの立会った演奏で実際に用いられた筆写スコアとパート譜が残っている。
ベートーヴェン作品の新しい全集を企画したボンのベートーヴェン研究所は、バティア・チャーギン (Bathia Churgin) の校訂で第3、4番をヘンレ社から刊行すると発表した。チャーギンは筆写スコアに残るベートーヴェンが訂正した箇所が「ほぼ全ページにある」と言い、写譜師の不注意によって逆にベートーヴェンの意図を確認できることに感謝せねば、とさえ書いている。そうした新発見が多数反映される予定だった新全集は、1996年に出版の目処がついたという報が流れた。ヘンレ社は出版準備中を告知、第4番以降も印刷作業に入り、資料評価の経緯を記した校訂報告の作成が難航、という関係者の非常に現実的な証言もあったが、実際の刊行は行われなかった。ベートーヴェン研究所の資金難と版刻師の人手不足が主な原因といわれる。交響曲の他の巻も、新資料の発見による校訂のやり直しなど様々な問題を抱えている。以来交響曲の巻は10年以上出版が無く、2013年にようやく再告知、4番とともに交響曲第2巻として刊行が実現した。同年末に5・6番を収録した第3巻も刊行された。
新全集版が刊行停止している間に『英雄』の原典版は2種類刊行された。ベーレンライター社から、実演・録音で賛否両論を捲き起こした『第九』同様ジョナサン・デルマー校訂の原典版が刊行されている。この版は出版前にジョン・エリオット・ガーディナーなどの指揮者が試験的に採用しており、新発見が反映されただけでなく、演奏上の問題を考慮した楽譜という点でも画期的なものである。旧全集の出版社ブライトコプフ社も東西ドイツ統一直前にペータース社の原典版を準備していたペーター・ハウシルトの校訂で新版を出した。現在まで残る手稿、初版のパート譜・スコアなどあらゆる資料を参照して作成された批判校訂版となった。
なお、『英雄』旧全集版は当時ドレスデンの宮廷楽長でチェリスト、作曲家、指揮者として活躍していたユリウス・リーツが校訂したものである。旧全集では他に『田園』がリーツの校訂である。
楽曲が用いられた作品
テレビアニメ『ルパン三世』(第2シリーズ、日本テレビ)第89話『ドロボウ交響曲を鳴らせ』
テレビアニメ『科学忍者隊ガッチャマンF』、敵役であるエゴボスラー伯爵のサブテーマ曲になっており、劇中でしばしば本曲を聞き惚れるシーンがある。
漫画『のだめカンタービレ』 Sオケのデビュー曲に加え、千秋真一が初めて聴衆の前で指揮棒を振って演奏した曲でもある。Sオケ創設者のシュトレーゼマンが演奏予定だったものの指導を放棄した為、千秋が事実上の代役をする事に成り、新装版13巻の最終話で千秋がシュトレーゼマンに向けて、「実はあなたのエロイカ聞いていないんです」と言う顛末に成った。
映画『スパイ・ゾルゲ』作品最後、ドイツ再統一のニュースが流れる1990年のシーンに第4楽章が使用された。
映画『路上のソリスト』ではナサニエル・エアーズ役のジェイミー・フォックスがナサニエルの少年期~ジュリアード学院在籍時の練習曲として、第一楽章をチェロで弾くシーンが何回か登場する。
「銀河英雄伝説」の「我が征くは星の大海」において、ヤンが歴史ビデオを見るシーンはナポレオン時代のものであり、その時のBGMがこれである。また本編OVAにも複数回使用されている。第2話、第37話、第38話など。
特撮テレビドラマ「爆竜戦隊アバレンジャー」にこの曲をモチーフとする巨大怪物が登場する。
#ベートーベン ,#Beethoven,#英雄,#交響曲第3番,#作品55

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?