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モーツァルトの部屋

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モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調, K.545

00:00 I. Allegro 03:18 II. Andante 09:56 III. Rondo: Allegretto grazioso 演奏者ページ Simone Renzi (Piano) 公開者情報 Simone Renzi 著作権 Creative Commons Attribution-NonCommercial 3.0 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ピアノソナタ ハ長調 K. 545 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したピアノソナタ。旧モーツァルト全集では第15番、新モーツァルト全集では第16番とされる。 From Wikipedia, the free encyclopedia The Piano Sonata No. 16 in C major, K. 545, by Wolfgang Amadeus Mozart was described by Mozart in his own thematic catalogue as "for beginners", and it is sometimes known by the nickname Sonata facile or Sonata semplice. Mozart added the work to his catalogue on June 26, 1788, the same date as his Symphony No. 39. The exact circumstances of the work's composition are not known. Although the piece is well known today, it was not published in Mozart's lifetime and first appeared in print in 1805. A typical performance takes about 11 minutes. 概要 このピアノソナタは、モーツァルトが自作の作品目録に1788年6月26日の日付とともに「初心者のための小さなソナタ」と記しており[注釈 1]、ソナタアルバムやソナチネアルバムにも収められていることから、ピアノ学習者にはおなじみの曲となっている。 また、ノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグによる2台のピアノのための編曲もある。 曲の構成 第1楽章 アレグロ ハ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。 展開部はト短調で始まって小結尾の動機を執拗に展開し(この書法は同年に書かれたピアノ協奏曲第26番『戴冠式』などの晩年の作品で見られる)、再現部は下属調であるヘ長調で始まる。この調性配置は作曲技術として興味深く、後にシューベルトが『5つのピアノ曲(ピアノソナタ第3番 ホ長調)D 459』で採用している。 第2楽章 アンダンテ ト長調、4分の3拍子、複合三部形式 第3楽章 ロンド:アレグレット ハ長調、4分の2拍子、ロンド形式。 前楽章とは対照的に、元気よく、はねるように奏する。ちなみに、この楽章は1799年に、ブライトコプフ・ウント・ヘルテルにより移調した上でヴァイオリンソナタの断章と合わせた形で『ピアノソナタ ヘ長調 K. 547a』として出版されている。 #Mozart,#ピアノ,#モーツァルト,#ピアノソナタ第16番

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モーツァルト:木管楽器のための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(Anh.C14.01)

00:00 I. Allegro 13:15 II. Adagio 23:23 III. Andantino con variazioni ヘンリー・スウォボダ指揮 ウィーン国立歌劇場室内管弦楽団 ウィーン・フィルハーモニー木管グループ 1949年録音 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b (K.Anh.C14.01) は、かつてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したと考えられていた協奏交響曲である。本項では散逸したモーツァルトの作品であるフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 K.297Bについても言及する。 概要 パリ到着間もないモーツァルトが、1778年の4月にちょうどパリに居合わせた4人の名管楽器奏者、フルートのウェンドリング、オーボエのラム、ファゴットのリッター、ホルンのプントのための1曲の協奏交響曲を作曲し、コンセール・スピリチュエル(1725年以来テュイルリー宮殿で行われていた音楽会)で演奏させるために、総監督のジャン・ル・グロに自筆譜を売り渡し、演奏会に使う写譜の作成の際に、何らかの邪魔が入り、結局演奏されなかったということである。 ここまでの経緯は、モーツァルトから父のレオポルト・モーツァルトに宛てた1778年5月1日の手紙に次のように記されている。 ところが協奏交響曲についてもひと悶着がありました。ぼくはこれは何か邪魔するものがあるんだと思っています。(中略)ル・グロはそれの写譜に四日の余裕がありました。ところが、それがいつ見ても同じ場所にあります。おとといになって、それが見あたりません。でも楽譜類の間を探してみると、それが隠してありました。何気ない顔をして、ル・グロに「ところで協奏交響曲は写譜に出しましたか?」と尋ねると、「いや、忘れていた」と言います。もちろんぼくはル・グロに、それを写譜することも写譜に出すことも命令するわけにいかないので、黙っていました。二日たって、それが演奏されるはずの日にコンセールへ行くと、ラムとプントが顔を真赤になってぼくのところへやって来て、なぜぼくの協奏交響曲がやられないのか? ときくのです。―「それは知らない。そんなこと、初耳です。私は全然知りません」(中略)この事で、いちばんいやな気がしたのは、ル・グロがぼくにこれについてひと言も言わず、ぼくだけが何も知らされなかったことです。あの人が、時間が足りなかったとか、なんとか言って、ひと言あやまってくれたらよかったのに、まったく何も言わないのです。 — 柴田 1980、147-148頁 この手紙を見ればわかるように、モーツァルトはル・グロの不誠実な態度に不快感を示し、陰謀ではないかと疑っている。マルティーニやタルティーニの弟子で当時の流行作曲家だったジュゼッペ・カンビーニの妨害ではないかと考えていたようで、1778年5月1日の父に宛てたモーツァルトの手紙には以下のように記されている。 実は、ぼくがル・グロのところで初めてこの人に会った時、何も知らずにしたとは言え、ひどい目に会わせたのです。この人は四重奏を作っていました。その一つをぼくはマンハイムで聴いたことがあります。けっこう綺麗なものです。ぼくはこの人に、あれはいい曲だと言ってほめ、始めの方を弾いて聴かせました。ところが、そこにリッターとラムとプントがいて、ぼくをいつまでも止めさせず、どこまでも弾かせるのです。知らないところは自分で作ってつづければいい、と言うのです。ぼくはそのとおりにしてやりました。そこで、カンビーニはすっかり度を失ってしまい、思わず「こいつはすごい頭だ!」などと言ってしまいました。こんなことであの人はきっと、いい気持はしなかったと思います。 — 柴田 1980、149頁 だが、カンビーニはモーツァルトを高く評価しており、彼の作品を筆写していることや、本人が明確に否定していることなどからも、演奏不能に陥った一件が彼の妨害である可能性は高くない。当時のパリには多数の有力な音楽家が住んでおり、互いにしのぎを削っていたのであるから、パリの作曲家の誰かがモーツァルトに得意分野での名声を奪われることを恐れて陰謀を企てたというのは可能性が高いと考えてよいだろう[1]。本作の楽譜は2014年現在も作品は発見されておらず、ケッヘルによる1862年出版の「モーツァルト作品主題目録」初版では消失作品とされた。 この作品の作曲後に、モーツァルトはフルートとハープのための協奏曲の作曲に着手している[2]。また、コンセールで演奏させるため、ル・グロの注文で交響曲第31番『パリ』も作曲された。 筆写譜の発見 20世紀初頭になってドイツの音楽学者オットー・ヤーン(1813年 – 1869年)の遺品の中から、それまで知られていなかったオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の筆写譜が発見された。ヤーンによる伝記『W.A.モーツァルト』の校訂者であったヘルマン・ダイタースは1904年の改訂出版の際、「この筆写譜は消失したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の編曲譜である」という説を発表した。この説が支持された根拠は、モーツァルトが10月3日の父に宛てた手紙で、 ル・グロ氏は、それを独占しているつもりですが、そうは参りません。ぼくは頭の中にまだ生き生きと入れてありますから、家へ帰ったら、さっそくもう一度書き上げます — 柴田 1980、195頁 と記しているからである。 この説は広く受け入れられ、1905年のケッヘル第2版ではこの筆写譜をオリジナルの真正の編曲とみなして「付録」を示す「Anh.9」の番号を付し、さらに音楽学者のアインシュタインが改訂した1937年の第3版では「K.297b」という番号を与えて作品目録の「本編」に組み入れた。しかしこの説では散逸したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲に関する史料と比較検討した際に、なぜソロ編成がフルートからクラリネットに変更されたのかという疑問への説明がついていない。また、本作はすべての楽章が同じ変ホ長調で書かれているという重要な疑問点があり、筆写譜や伝記的状況、クラリネットなどの用法を詳細に検討した結果、偽作の可能性が非常に強いという判断を下し、1964年のケッヘル第6版では、「疑作、偽作」を示す「Anh.C14.01」という番号を与えた。そしてオリジナルが消息不明のままフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲はK.297Bとしてその存在だけが本編に組み入れられた。本作をモーツァルトの真作と見る研究者もいるが決定的な証拠が欠けているため、散逸したフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲の自筆稿の発見でもない限り、真偽の決定が困難な状況である。 音楽学者のフリードリヒ・ブルーメは 「……しかし作品の由来はなお曖昧であるとはいえ、我々が所有している版の真憑性に対して早まった疑問を投げかけることは、間違っていないだろうか。なぜなら、作品のどの部分にも――編曲版のどの部分にもというわけではないにしても――モーツァルトの手が明瞭に認められるからである」 — 音楽之友社 1983、318頁 という見解を示している。 楽器編成と詳細 18世紀末にパリ楽壇を風靡した特殊なジャンル「協奏交響曲」の典型的なスタイルを示している。また、独奏楽器の用法に卓越した筆致を示しており、こうした点が本作のモーツァルト真筆説の論拠となっている。一方で、前節において示しているように、全楽章が変ホ長調で書かれている点やクラリネットなどの用法を詳細に検討した結果において、本作はモーツァルトの作品とは言いがたいと判断されている。 楽器編成:オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットは独奏。伴奏楽器は、オーボエ2、ホルン2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、バス 演奏時間はおよそ30分。 作曲時期:不明。 自筆譜:なし。発見された第三者(オットー・ヤーンの筆跡ではない)による楽譜はベルリン国立図書館蔵。 構成:3楽章構成。 協奏交響曲K.297b (K.Anh.C14.01) 第1楽章 Allegro 14:08 第2楽章 Adagio: Adagio 9:47 第3楽章 Andantino con variazioni 9:33 ジェームズ・コールドウェル(Ob)、ウィリアム・マッコール(Cl)、ロバート・ボネヴィー(Hrn)、アーサー・グロスマン(Fg)、アレクサンダー・シュナイダー指揮カザルス音楽祭管弦楽団 1964年6月、カザルス音楽祭にて。ボイス・オブ・アメリカ収録。 これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 第1楽章 アレグロ 変ホ長調 4分の4拍子 協奏曲風ソナタ形式 弦楽器のユニゾンで演奏される特徴的なリズムをもった第1主題は導入的性格のもの。主題としての機能は続けて演奏される。 第2楽章 アダージョ 変ホ長調 4分の4拍子 第3楽章 アンダンティーノ・コン・ヴァリッツィオーネ 変ホ長調 4分の2拍子 主題と10の変奏による。主題は24小節からなるシャンソン風のもの。16小節までは弦のピッツィカートを伴奏に、他の独奏楽器を従えたオーボエが奏し、17小節以下は管弦楽だけによる終結句となっている。終結句は常に管弦楽だけで、しかも余り大きく変奏されないので、ルフランのような役割を果たしている。10の変奏は独奏者の技巧を引き出すべく、様々な音型や楽器の組み合わせで巧妙に書かれている。第10変奏がテンポをアダージョに落とした後、8分の6拍子、アレグロと転じ、全曲が華やかに閉じられる。 ロバート・レヴィンとダニエル・リースンによる新説と復元稿 1974年にアメリカのピアニストで音楽学者のロバート・レヴィンと音楽学者のダニエル・リースンが「統計的・構造的・方法学」という方法で、コンピューターによってオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲を解析したところ、この作品がモーツァルトの真筆であるという結論を出した。しかし、管弦楽法にモーツァルトらしからぬ点が多く、ソロ・パートのみが後世に伝わり第三者がオーケストラ・パートを加筆したと鑑定した。さらに、統計的・構造的・方法学によって、本来あるべきオーケストラ・パートを復元、ソロ・パートもフルート、オーボエ、ホルン、ファゴットに復元した稿を作成した。手法の是非はともかく、この復元稿を用いた録音や演奏会も増えつつある。 #モーツァルト,#木管楽器のための協奏交響曲,#mozart

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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K.207

00:00 I. Allegro moderato 06:43 II. Adagio 15:14 III. Presto (Vn)アイザック・スターン セル指揮 コロンビア交響楽団 1961年1月22日&23日録音 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 K. 207 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1773年頃に作曲したヴァイオリン協奏曲であり、作曲者にとって最初のヴァイオリン協奏曲である。 概要 全5曲あるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲のうち最初に作曲された本作は、かつては1775年4月14日にザルツブルクで完成されたといわれていたが、近年の研究によって、それ以前の1773年頃に書かれている事が判明している。 他の4曲がフランス風のギャラント様式をふんだんに採り入れているのに対して、対照的にオーストリア的な色彩の顕著な作品になっており、外面的な効果は乏しいが、繊細で優美な表情や清楚な旋律などが魅力を形成している。 なお、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲については、かつては全8曲とされてきたが、後に偽作と判明した第6番、第7番、アデライード協奏曲を除くと、全5曲である。その大半は、モーツァルトが19歳の1775年にザルツブルクで集中的に作曲されたものだが、作曲の動機については謎であり、それ以後の彼がヴァイオリン協奏曲を作曲しなくなった理由もまた不明である。 楽器編成 ヴァイオリン独奏、オーボエ2、ホルン2、弦五部。 構成 全3楽章、演奏時間は約23分。全体の楽章がすべてソナタ形式で構成されているのが特徴である。 第1楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調、4分の4拍子、協奏曲風ソナタ形式。 第2楽章 アダージョ 変ホ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。 第3楽章 プレスト 変ロ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。 #モーツァルト,#mozart,#violin,#ヴァイオリン協奏曲第1番