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「中国リスク上昇」の記事を読んで考えたこと。

#ニュースからの学び 、ということでこちらの記事を読んで考えたことを書いてみます。


記事から少し引用。

「社長100人アンケート」で今後の中国ビジネスのリスクについて聞いたところ「上昇」が6割を超えた。不動産バブル崩壊を懸念する声が高まっている。世界の景況感は「横ばい」が6割に迫り、拡大見通しはなお低水準にとどまっている。経営者は先行きへの警戒感を強めている。

中国リスクの高まりを感じ、事業拡大には慎重、という傾向が強まっているそうです。

長期的には中国ビジネスの比重を下げざるを得ない、という企業の声も紹介されています。

ある素材大手社長は「中国の覇権主義的行動は駐在員の安全確保、知的財産権の保全に大きなリスクとなる。徐々に中国ビジネスの比重は下げる必要がある」という。


私自身はかれこれ20年中国ビジネスに携わっており、中国を切り離した仕事・生活というのは考えられない状況です。

リスクは冷静に見極めないといけません。
個人の力ではどうにもならない部分はありますが・・。


一方で感じるのが、多くの日本人にとっても、多かれ少なかれ隣国・中国との付き合いは切り離せないところがあるのではないかという思いです。

日本で、知人との世間話の中で、「習近平は本当に”やる”つもりですかね?」なんて唐突に聞かれたこともありました。

なんの”やる”を指しているのか、、

どうも、台湾有事、ひいては日本への影響のことを懸念していたようです。

その時、「中国リスク」というものが、世間話で出るぐらい身近な話題であることを改めて思い知りました。


ところで、中国リスクに対する経営判断に絡めて思い出したのが、日本が誇るべき経営者であるYKK創業者・吉田忠雄さんの著書。

YKKの中国を含む海外事業に対する姿勢は一貫して”いかに現地に貢献するか”を重視するというもののようです。

 ・・・進んでその国に貢献し、地域の住民にも喜ばれる形で進出を続けることが非常に重要になってくる。それにはどうしたらいいか。
 結局それは現地に工場を建てて現地の人を雇い、日本からは質のいい原材料を供給して現地で生産して、利益もまた現地に還元していくという方式しかない。

153p「こうすれば海外進出は両方の得」/「創る売る その発想」より引用。


昭和59年発行


同社では、海外駐在を任せたからには、「その国で生まれたと思い、地域に溶けこみ、文化や習慣を尊重し、その地の繁栄に貢献せよ。」という思いで人を送り出したそう。

こういうスタイルだと、リスクというものは形は違えどどの国にもあるので、それは前提として解決に当たり、その上で現地に貢献していく、という前向きな姿勢で事業に臨めるのかもしれません。




現在の「中国リスク」がどのように形を変えるか、身近のビジネスや生活にどんな影響を及ぼすかは、正直見通しが立ちません。

しかし、”現地貢献”という視点は重要なポイントのような気がします。

こう書くと当たり前過ぎる気もするのですが、現地に貢献できる企業は中国市場で生き残ることができ、「中国リスク」を回避する道を見つけられるのかもしれません。

#ニュースからの学び

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