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映画「籠の中の乙女」

あらすじ:
ギリシャの郊外にある裕福な家庭。一見普通に見えるこの家には、他人の知らない秘密があった。父と母が、長女、次女、長男の3人の子どもたちを、外の世界の汚らわしい影響から守るためにと、ずっと家の中だけで育ててきたのだ。邸宅の四方に高い生垣をめぐらせ、子どもに“外の世界は恐ろしいところ”と信じ込ませるために作られた厳格で奇妙なルールの数々。学校にも通わせないその様子は外の世界からすれば異常なことだったが、純粋培養された従順な子どもたちはすくすくと成長し、幸せで平穏な日々が続いていくように見えた。しかし、成長につれて好奇心を芽生えさせた子どもたちは、恐怖を覚えつつも、次第に外の世界に惹かれてゆく……。


旦那が映画好きでして、自分では選択肢に入らないような映画を一緒に観る機会があります。これもそのひとつ。友達でも何でも、自分とは違う趣味を持っている人との付き合いは、世界が広がるので嬉しいです。

といっても、途中で寝てしまいました。ラストを観ていませんが、取り敢えず感想を書きます。

旦那が好きそうな、奇天烈な内容でした。

観る前にどんな話か概要を聞いた時には、「教えられることを鵜呑みにする怖さ」を表現した映画なのかなと思いましたが、実際に観てみると、そういう問題提起のような要素は感じさせず、ただただ物語の世界観を流していく、エキセントリックを楽しませてくれる映画でした。

しかし不思議に懐かしい感じもしました。
「親が作った世界に住む子供達」が描かれるわけですが、子供の世界を創造する親自体が実社会で生きている人間である限り、それは「実社会と完全に異なる世界」にはなり得ず、「実社会を少しだけ捻じ曲げた世界に住む子供達」なわけです。

「『ゾンビ』は『黄色い花』という意味よ」と母が子に教えたり、他にも、家庭では実社会と異なる意味合いで言葉が使われるのですが、完全に異なる言語を創造するのではなく、あくまでも「意味が異なる」だけなんです。

それは恐らく誰もが経験したことのある、子供時代の閉塞感を思い起こさせるのでした。

旦那に言わせると「ツッコミ不在なのが良い」そうです。この(社会的に)奇天烈な家族は、外部から一切遮断されていて、何者にも関与されずに物語が進行します。それが良いのだそう。

私は、飛行機に対して「落ちてこい」というのが好きでした。

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