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カロス王弟・パルファム宮殿・イッシュ竜

※一応、ゲームソフト「ポケットモンスターX・Y」のネタバレ注意





フラダリラボの資料から、3000年前の戦争、カロス王AZのほかに、カロス王弟の話もみえる。ここではまずカロス王弟に着目してみる。


AZには おとうとが いた…… 
カロスを うばうため カロスを ほしがるものを みちびきいれた とも いわれている
だが いくさで あれはてた カロスを まのあたりにして あに AZが つくったものを ちちゅうに うめたと される
おうの おとうとは しそんに さいしゅうへいきの ありかを つたえて しんだ 
あれは かみが つかう もの ひとは さわっては ならない ひとに できることは あれが ひつよう ではない せかいを つくること……

得られる情報を整理すると、

・兄であるカロス王AZの地位を奪おうとしていた
・そのために「カロスをほしがるもの」と手を組み、激しく醜い乱を引き起こした(3000年前の戦争)
・しかし戦で荒廃したカロスを目の当たりにし、反省。AZの最終兵器を地中に埋める。
・最終兵器のありかを、教訓とともに子孫に伝えた。

(また王弟は、カロスの復興に尽力し、フラダリ様はこのカロス王弟の末裔であるという。この点がゲームにおけるフラダリ様の末路がAZと同じではないかといわれる所以である。)


このカロス王弟の子孫が建てたのが、パルファム宮殿である。ここから、カロス王弟やその子孫について探ってみようと思う。

このパルファム宮殿、立てられたのは300年ほど前、戦争ののちに当時のカロス王が自らの権力を示すために建てたものである。
(この年代はモデルとみられるフランスのヴェルサイユ宮殿がルイ14世により建てられたこととも一致する。)

さて、ここのNPCの発言等から、当時の王様の様子やカロスの歴史などが読み取れるわけだが、その中からいくつかの発言を取り上げてみよう。


①庭園にいるメイドの発言


きゅうでんを つくらせた おうさまは 3000ねんまえの おうさまに ならって たったひとりで ひろい カロスちほうを おさめたの

これにあえて付け加えるべき事柄は多くないが、のちの王にとって、3000前の王様(=AZ。AZの弟である可能性もある)が、すくなくともその独裁政権としての在り方という点で後代の王の手本となっていたことがうかがえる。

フラダリラボにこうした資料も確認できる。

おうの なまえはAZ はじまりと おわり じだいをこえた かがくりょくで カロスを さいしょに まとめたもの



AZは戦争の前までは時代を超えた技術力をもって初めてカロスを統一した王であり、それが絶対王政を行っていたカロス王のある種の理想形、望ましい国体であったのだろう。
ミアレ美術館3F中央にある絵画などからわかるように、AZとフラエッテ周りの話がある種の神話、おとぎ話として現代カロスに語り継がれているらしい点からも、カロスにおけるAZの存在感の大きさをうかがい知ることができると思う。(画像は用意してなかったので割愛…美術館の絵はカロス以外の地方が題材のものもあってちゃんと50円?100円?くらい払う価値があるのでぜひ立ち寄ってみてほしい)


なおこのパルファム宮殿を建てたカロス王が3000年前のカロス王弟の子孫であることは、宮殿2Fの王の者と思しき肖像画に

「AZの面影がある」


といわれることが、その傍証となる。(なお、この文言はクリア後、AZのアレを見届けた後から追加される模様)



②宮殿1Fにいる観光客


まわりの くにとの たたかいに かったから つくれた きゅうでん いのちを おとした ひとも ポケモンも おおいのでしょうね……


カロス地方のモデルであるフランス、およびその周辺をはじめとしたヨーロッパ地域は周りの国とよく戦争になっているが、カロスもパルファム宮殿が作られる前まで、他の「国」との戦争がおこり、カロス王はおそらくそれに勝利して得た賠償金を使って、自分の権力誇示という意図を含めて宮殿を建てたという事情が垣間見える。豪華な宮殿の裏には、血なまぐさい戦場が存在することを示している。

また、当時のカロス周辺の国々が3000年前に懲りることとなく、戦争を行っていたこともわかる。「国家」が存在する限り、戦争をなくすことは容易ではないものである。

(余談になるが、この発言は300年前のポケモン世界にも「国家」という概念が存在していることを提示したものでもある。ポケモン世界における国家の在り方はどのようなものかよくわからないが。某ハン〇ムおじさんのせいでポケモン世界は地元警察でなく国際警察が諸々の職務に当たっているようにも見えるので、「国家」があっても「政府」が実際的に存在しているかはよくわからない。そういえばハウオリには「役所」があるけれど…)


なお、ここにいう「まわりの国」とはいったい何なのか、ここからはわからないが、モデルの位置関係からして、22年冬発売のポケモンスカーレット・バイオレットの舞台である地方が関わっていてもおかしくはない。また、モデルのフランスとよく戦争していたイギリス、つまりガラル地方も関わりがあるかもしれないが、ここではこの程度の言及にとどめておこう。


他の地方の名前が出てきたところで、次の論題に入る。

③イッシュ竜


画像に示した如く、パルファム宮殿にはなぜかレシラム・ゼクロムの像が立っているのである。



カロスちほうと イッシュちほうは なにかしら こうりゅうが あったんだ



ということで、具体的にはよくわからないが、カロスとイッシュになにかしらの交流があったらしいのである。この両者の実像に話を進めたい。


まずこの宮殿の庭に別地方の伝説ポケであるレシ・ゼクの像があることの評価だが、少なくともカロス王からみて、イッシュを敵対視していたとは考えにくい。カロスは戦争に勝利しているため、戦争によりイッシュに併合され、強制的に像を建てねばならなかったという線も消える。よって両者の関係がとりあえず良好とみて間違いなさそうである。


ここで、同庭園の入り口近くにある像に注目したい。

画像の右に注目されたし


拡大すると


少々わかりにくいが、手前には騎士と思しき人間(雰囲気はガンピ)その右横にはガマガル、奥にはゴルーグと、その掌にはイーブイが座っている。
この像が示すものは何か。


まず人間が装甲に身を包んでいることからして、これはおそらくパルファム宮殿建設のきっかけになった戦争に従事した兵士(とその相棒ポケモン)をモデルにしたものなのだろうが、ここでより注目すべきなのは、そのポケモンの種類である。というのも、カロスにはゴルーグ、イーブイ族は生息するが、ガマガル族は出現しない事実がある。


ガマガルといえば、言わずもがなイッシュ出身のポケモンである。さらにいえばイッシュにおいて野生のガマガルが出現するのはセッカシティ周辺の湿地帯であり、セッカシティにはゴルーグの進化前である野生のゴビットが出現するリュウラセンの塔がある。

こうしたポケモンの選択からみて、この兵士はイッシュ出身、さらに言えばリュウラセンの塔付近の地域出身の人物であることを示唆している可能性が高いのである。


(なお、イーブイに関してはセッカ周辺には生息しておらず、この点は不審であるが、カロスの10番道路にはイーブイとゴビットが両方出現する。ここがショウヨウ~セキタイ間を結ぶ、例の巨石が並ぶ道路であることも踏まえ、このあたりの地域との関連性も考慮するべきかもしれない。)

この推定が成り立つならば、カロスが周辺国と戦い勝利した戦争に、イッシュが兵士(あるいはポケモンも?)を提供したということになり、イッシュがカロスの友好国であったという関係性が見出しうるのである。


こう考えれば、前述のレシ・ゼク像も理解しやすい。つまりカロス王は先の戦争で支援を受けた友好国イッシュに敬意を表し、その象徴ともいえるレシ・ゼク像、そしてカロスの為に戦った兵士の像を宮殿に設置した、という筋書きである。

こうした関係性は、宮殿内に飾られた二枚の絵と、そのタイトルからも示唆されている。



イッシュ竜と過去・未来の関係については少々説明が要ると思われるので、この続きは他日を期すこととする。
(続く)

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