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防御力を考慮した手順の作り方

今回の記事は前回(‪https://note.com/roy4800/n/nf35c3ac784b3‬)の理論を踏まえた上で、ではどのように手順を作るべきか?という内容、まだ読んでない人は先に前回分を読んでから

前回の記事を踏まえると手順作りの上で必要なことは、‪現象が『お客さんの防御力を上回る事』だが注意点がある。ただ上回るだけで良いなら強い現象を乱発すれば良いのだが、実際にそれをするとお客さんが疲れる。空気の緊張と緩和についてはまた後日記事にするが、やっても良い場合はテーブルホップやストリートなどの3〜5分程度の短い時間の時だけと理解して良いだろう。

余談だがクロースアップマジックをマジックが趣味ではない人に見せる上で、理想的な時間は僕の体感だと1人15分。連続で別のマジシャンと変わるにしても3人45分、合間に休憩を入れて約1時間までが限界。

僕が出演してるマジックバーは、1人約25分の合計90分なので明らかにオーバーキルである。(合間で喋ったり休憩長めにとったりしているが、帰る時には疲れた顔色を見せる人が多いように感じる)

『手順作りの為のポイント』

強攻撃の間に弱攻撃を入れろ

ジャブジャブストレート!といった感じで段々と攻撃を強くしていくのが理想と思いがちだが、実際には最初の弱攻撃で防御を越えられないと、その後も防御が上がり続けて悪循環に陥る可能性がある。(前回記事参照)

防御力を越えた時に思考が正常に戻るまでにはラグがある。通常なら容易にタネの推察ができてしまうような弱い現象も、現象によって思考能力が弱っている時ならその隙間を抜けることが出来る。

ワンコインルーティンで考えると、

1.ポケットからコインを出してきて消す

2.空中からコインを出現させてジャンボコインにする

3.フラッシュペーパーでコインを出現させて消す

続きを読む前にどれが最善か考えてみて欲しい

コインを消す出すという現象自体はそこまで強いものではない、普通に見せればお客さんの思考は結構な割合で(逆の手?ポケット?そで?もともと持ってた?)と、種の推測フェイズにたいした時間もかからず戻ってきてしまう。というのを踏まえた上で。

1の場合だとコインを消すという現象が最初の現象になる為、最も防御力が高い状態に弱い現象を持ってきてしまう事になる。

2の場合は空中からコインを出すという現象から連続してジャンボコインへの変化に繋げられる。コインが出てきた事に対する(元々持っていた?)などの推測フェイズに入る前に、ジャンボコインの変化現象で思考に負荷をかけれる。コインの出現と変化それぞれの現象で、お客さんの頭に負担をかけお互いの現象のタネの推察を防ぐことが出来る上にジャンボコインへの変化のような強い現象は時間が経って、タネの推察フェイズに入っても正答に辿り着く可能性が低い。が鋭いお客さんだと、最初の出現の段階ですぐさま(もともと持ってたんじゃない?)という推察が入るリスクはある。

3の場合はフラペからコインが出るという強烈な現象の後にコインを消す事ができる。フラペ出現も単体で強い現象でタネの推察フェイズに入ったところで正答に辿り着く事はほぼない。そんな思考の隙間にコインの消失を放り込めばまず間違いなく消えた事に対する素早いタネの推察は防げる。が、そこで終わると時間が経って冷静になった時にタネの推察フェイズに入り、(逆の手では?)と正答に辿り着く可能性がある。

今回の3択は1.弱現象、2.弱現象→強現象、3.強現象→弱現象という例であり。タネの推察を防ぐという意味では2>3>1の順に良い手順と言えるだろう。

強現象で始まる事より強現象で終わることの方が重要という話だが、現実にはそれぞれの欠点を埋める事が可能なのはもうお気づきだろう。つまりは『フラペ出現→ジャンボコインへの変化』をする事で前記した弱点を克服する事ができる。

が、これもベストではない。

このフラペ出現ジャンボ変化は強現象→強現象となっている。1手順や短い時間ならそれも良いが15分のような時間で、強い現象を起こされ続けると常に集中させられ続けるのでお客さんが疲れてしまう。

よってそれを緩和するために間に弱現象を挟む、つまり最善は『フラペ出現→コインの消失→出現→ジャンボ変化』である。

手順を作る上では『強→弱→強』『強→強』『弱→強』『強→弱』『弱→弱』の順に良いと考えて良い。

ちなみに1つの手順は3〜10分の間に収めれると良いだろう。僕個人としては今現在レギュラーでやる物だけで3分手順が4つ、5〜10分手順が5つ、15分手順が2つあり、マジックバーで演じる分には毎25分×3回できるくらいで不足は感じていない。(全く別の手順をやる必要性もないので、お客さんに合わせてそれぞれを組み合わせるという意味では25分×2で充分だが、たまにアクシデントで他のマジシャンが来ない時に90分=25分×3+休憩を1人でやるみたいな状況に対応できる様にしていたらこうなった。)

ひとまずマジシャンとしては3分、5分、15分、25分に対応できればだいたいなんとかなるのでそれを目標に作る事をオススメする。

今回の記事は13時間連続ゲームした後睡眠時間3時間で締め切りオーバーして書いたので誤字脱字等多いかもしれない、発見した場合は教えてください。

空気のの緊張緩和、コントロールや書ききれなかったものはまた後日。

今回の記事がマジック作りの一助や見直すきっかけになったなら記事を拡散してくれると嬉しい('ω')



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