新型iPad Pro所感
先日のAppleイベントにて、2022年以来の新型 iPadが発表されました。
今回はイベントを通じて、特にiPad Proに関して感じたことを整理しておこうと思います。
iPad Pro所感
今回の目玉だったiPad Pro。細かい仕様は公式HPを見ればわかるので割愛しますが、一言で表すと、薄くて軽くてM4と理解しています。
この三拍子について、特立てして感じたことを述べていきます。
薄さはニーズに沿った進化なのか
今回大々的に取り上げられた薄さ。iPod nanoよりも薄いとのことで、Apple史上最薄のプロダクトだとか。正直、ここまで薄い板が iPadなのかと驚愕しました。
しかし、この点は本当に必要な進化だったのか個人的には疑問です。
なぜならば、大半の人が何かしらのケースと併用することが前提だからです。
iPadを裸で運用している人は少数派かと思われます。
実際にボクもなんだかんだ、iPad ProにはPITAKAのMagEZCase2を愛用しています。(このケースにはかなりお世話になっています)
いくら凌ぎを削って iPad本体を薄くしたとて、カバーを着けてしまえば薄さの利点はスポイルされてしまう。
また、薄くすることができるならば、その分を他に回して欲しかった。
例えば今回薄くできた分、カメラモジュールを筐体とツライチにするとか、バッテリーの容量アップに回すとか。
実用性を突き詰めれば、地味ですがそういった方が良いはず。あえてそうしなかったのは、おそらく話題作りのためなのでしょうが。
軽さはもう限界か
もう一方の大きな進化として、軽さが挙げられています。13インチの軽量化は凄まじいと感じる反面、11インチはわずか22gの軽量化。
正直、 11インチの軽量化はもう限界に来ていると感じました。感覚的には、体脂肪5%の人が4%になりました、と言っているのに近い。凄いんですけれど、インパクトがあるわけではない。
また、新型iPad Proに合わせて Magic Keyboardも刷新されましたが、軽量化は大々的に報じられるものの、具体的な重量差は公表なし。
嫌な予感はありましたが、実際に平岡氏のYouTubeにて13インチ版のMagic Keyboardの計量を行っています。
その結果、旧型と比較して重量差は30g。11インチであれば、さらにその差は少ないだろうと伝えています。
具体的な重量の公表がないと言う時点で予想通りですが、Magic Keyboardの軽量化と言いつつ、実際にはそこまでインパクトのあるものではありません。
Magic Keyboardにセットアップすると、どうしてもiPad側に重量がより過ぎてしまう。iPad側のモーメントを打ち消すためには、Magic Keyboardもそれなりの重量にせざるを得ませんので。
これは今後、iPad本体が劇的に軽量化しない限り改善できない課題です。
とどのつまり、 iPadにMacBook並みのキーボードが付けられるってだけでよしとしましょう。どうしても軽量化が必要な場合は、Smart Keyboard Folioを使えば良いので。
バッテリー持ちが改善傾向なし
iPad ProやAirはMacBookと同じMチップを搭載することで、PCに引けを取らない性能を有しています。
一方、 iPadとしてはAチップからの変更であったため、体感としてバッテリーの消費は早まったように感じます。
この点はボクがメインで使用しているM2iPad Proでも日々感じるところなので、これについては何かしらの改善が欲しいところ。
しかし今回の薄型化によって、よりバッテリー容量としてはより厳しい方向に進んでしまったように感じます。リチウムイオン電池も容量を上げるとどうしてもスペースが必要になるので、薄型化とは背反してしまう。
ソフトウェアの最適化もそこまで伸びしろがあると思えませんので、バッテリー問題は当分の課題になりそうです。
iPad ProはMac Proのような立ち位置になるのか
今回の iPad Proに感じたのは、もうiPadのハード面での進化は頭打ちにきているということ。ニッチな進化を進めてしまったことで、今までネガに感じていた部分がより顕在化してしまったようにも感じました。
正直、このスペックを必要とする人は誰なんでしょうか。
でもAppleにはこういった製品が他にもありますよね。そう、Mac Proです。
あれはもはやコンシューマー機ではありませんが、今回のiPad Proはその領域に入ってしまったと感じます。
Mac Proと異なるのはその値段。iPad Proはまだ手が届くというだけで売れている気もしますが、やはり高すぎる。