X-Pro2というカメラを振り返る
2022年末、長らくボクのメインカメラとして活躍してくれたX-Pro2を手放しました。カメラ沼にハマっているボクの中でも、ここまで手放すか迷ったカメラは始めてでした。
しかし資産は有限。
Pro2の中古価格は現在インフレしていますが、これがいつまで続くともわかりませんし、湯水のように資産があるわけではないので、出番がないカメラは価値があるうちに現金化するにことにしました。
せっかくなのでまだ気持ちが熱いうちにこのカメラについて語っておこうと思います。
X-Pro2の良さ
レンジファインダースタイル
このカメラ最大の特徴は、主張の強いレンジファインダースタイルでしょう。
ぱっと見で素人にも分かる「こいつカメラ相当好きなんだ」感は、所有する喜びをいつまでも掻き立ててくれます。
Mライカを強く意識しているでしょうが、ライカとは違い中身はTやHと同じスペックが奢られており、引き算的なカメラではないところも魅力。
FUJIFILMの機能をこの筐体でフルに味わうことができます。
アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー
EVFが好きになれなかったボクにとって、このファインダーの存在は大きかった。
一眼レフでカメラを続けてきた自分としては、どうしても当時のEVFのぎらつきみたいなものに違和感を感じていました。
しかし、そんなボクでもOVFモードでなら違和感なく撮影することができました。
焦点距離に応じてフレーミングも連動してくれるので、ズームレンズでも無理なく使うことができましたし。
また、余計な情報を入れず構図に集中することができるので、ストリートスナップの楽しさがマシマシに。
さらにこのファインダーは倍率が2段階に変えられるギミック付き。
倍率を変えることで、たとえばXF90mmf2のような中望遠域のレンズであったもOVFモードを利用しやすくなる機能です。
ちなみにこの機能はPro3では省略されてしまっています。
故にOVFモードを存分に楽しむのならば、Pro2のファインダーは未だに至高だと思います。
ではなぜ手放すのか
自分の撮影スタイルにも合っていて満足していたPro2を、なぜ手放すのか。
ここからはそれを整理します。
被写体の変化
子どもが生まれてからというもの、ボクにとってとても大切な被写体になりました。
そんな子どももいよいよ歩けるようになり、今まで以上にいろんなシチュエーションで撮影することが必要になってきました。
子どもと遊びながら撮影ができるようになるにつれ、ファインダー越しだけでなくハイアングルやローアングルでの撮影もウェイトを占めるように。
そうなると、背面液晶固定のPro2ではどうしても厳しいシチュエーションが出てきてしまいます。
また、OVFモードは違和感が少なく撮影できる機能なのですが、光軸とファインダーが一致していないが故にパララックスが発生します。
パララックス故に、ピントがすっぽ抜けることがしばしばあります。
ストリートスナップならば一期一会だし仕方がないとも思えるのですが、子ども撮影ではそうも言っていられません。
失敗を避けるようになり、ファインダーもEVFモードを常用するようになっていました。
XF16-55mm f2.8 R LM WRとの出会い
XF16-55mm f2.8 R LM WRの導入も転機になりました。
詳細はこの記事で記載している通り、その写りには大変満足していたのですが、X-Pro2との相性が悪いことがずっと気になっていました。
X-Pro2はこのクラスのレンズに対し、グリップがか細すぎる。
レンジファインダースタイルにグリップを求めるなんて野暮ですが、この組み合わせになってしまったのだから仕方ありません。
実は純正からハンドグリップが販売されているので、それを付けることでグリップのか細さはカバーできます。
しかし、それでシャンにはなりませんでした。
まずグリップがメタル製なので、本体重量が100g以上重くなっていしまいます。
X-Pro2本体は500g程度なので、20%の増量となってしまいかなりずっしりきます。
XF16-55mmならばこれで良いのですが、かたや単焦点で行こうと思った日は、逆にこのグリップが過剰になってしまいます。
最初のうちはつけっぱなしにしていたのですが、やはり総重量が気になるようになり、単焦点で撮影する日は外すようになりました。
その日ごとにグリップをつけたり外したりするのはかなり億劫に感じていました。
X-T4へのメイン機変更
X-Pro2で抱えている悩みを全て解消するために、満を辞してX-T4を迎え入れました。
X-T4についてもそのうち記事にしますが、予想通りのオールラウンダーでPro2の座を完全に奪い取ってしまいました。
そうなると、Pro2はどうするのか。
T4でできないこととして、OVFでの撮影があります。あの撮影体験は素晴らしいですが、T4のEVF性能はOVF派のボクですら全く問題ないレベルになっていました。
さらに手振れ補正が効くことで、今までのフジ機ではISOをあげざるを得ない状況であってもSSで対応することができるようになりました。
こうなると、Pro2の出番はなくなってしまいます。
完全サブ機として余生を過ごしてもらうことも一興かと思いましたが、少ないお小遣いであることとサブ機が必要なシチュエーションが思いつかないため、眠らせても仕方ないと判断しました。
まとめ
最後になりますが、これほど写真を撮る行為に特化したカメラは数少ないと思います。
ボクの写真哲学みたいなものに多大な影響を与えてくれたPro2に感謝しかありません。
いつかタイミングがあれば、Proシリーズの後継機を手にしてみたいものです。