前を歩く禿げたおじさんの頭上に近づいてきたのは、漆黒のカラス。

肌色のカーブに足蹴りすると、空高く飛んで行った。

「いってぇ~!」

朝の青空に声が響く。

私はマスクの中の笑い声が漏れないことを心配した。