Subúrbio do Rio(リオ郊外)への想い

俺の師匠の道場はリオ市郊外のVaz Lobo地区にある。
その前はVista Alegre地区で、その前はPenhaだったり、Brás de Pinaだったり、Cordovilだったり。師匠の地元はAcari地区のペドレイラ。
何から何まで郊外だ。

2016年末、そんな師匠の念願であるカポエイラ専用道場が開設されたVaz Lobo地区。

サンバが好きな人ならアルリンド・クルースの「Meu lugar」で聞いたことがあるに違いない地名。
長くそこで暮らして、そこを愛した人間にとっては「Meu lugar(私の居場所)」以外の何物でもない。
かく言う自分も、ここで家賃を払いながら暮らしてきた。
Quitungo(Brás de Pina)の兄弟子に居候し、
Cidade Alta(Cordovil)の兄弟子の家に居候し、
Vaz Loboのファヴェーラのワンルームにやっと居場所を見つけ、
Ipase(Vila da Penha)では中古の冷蔵庫を手に入れ、
Rocha Mirandaではパンクしている中古の自転車を押し付けられて、Colégioから家まで押して帰り、
Cascaduraでは冷蔵庫の部品を買って自力で直し、
Mercadão(Madureira)のカンドンブレのお店で買ったゴザで眠り、Oswaldo Cruzの公立学校でカポエイラのクラスも持ち、
少しずつ自分の生活を創っていった私の場所。

「Meu lugar」

歌のコーラス部分ははMadureiraを歌っているけれど、あの歌は郊外のすべてを祝福していると思う。リオ郊外の国歌なんだ。


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