コロナウィルス感染体験

はじめに 

2021年,新年早々にコロナウィルスに感染しました.日本国内では緊急事態宣言が発令されている中で,私自身も不要普及の外出を控えている中での発症であり,感染の知らせを受けたときは大変驚き,近隣地域や生活コミュニティへの影響を考えると相当なストレスを受けました.そこで,コロナウィルス感染予防の参考になればと,このnoteに感染の経緯をレポートしたいと思います(個人情報についてはフェイクを交えて書いています).

事の起こり

 2021年年初の子供の冬休みが終わり,新しい年の日常が始まってすぐに子供が体調を崩しました.その日,子供に8度前後の発熱があり,かかりつけのクリニックに電話を入れて対応を相談したところ,「別室で診察するから来院しなさい」という返答を頂いたのでクリニックに向かいました.クリニックからは,「到着したら玄関に入らずに,入り口から電話で来院の連絡をください」と指示を受けていた為,到着して直ぐにクリニックに電話を入れました.すぐに,中から事務員が出てきて私達親子を診察室とは別室の処置室に案内してくれました.

 処置室は4畳位の部屋にベッドが一台置かれた部屋でした.ただし普通のベッドとは異なり,ベッドにはビニールハウスの様なカバーが覆われたもので,体調を崩している子供は直ぐにそのビニールハウスベッドに入れられました.ビニールハウスの外からビニールハウスの中にいる子供を眺めていると看護師さんがやって来て検温する様にと体温計を渡されました.子供の体温を計るために私も中に入り,子供が遊んでいる任天堂スイッチのマリオの画面を眺めていました.(今思えば,この時の行動がトラブルの原因だったのではと思います).クリニックを出た後,いつも携帯している除菌スプレーを子供と私にこれでもかという程振りかけると少し気持ちが落ち着いたので,早々に帰路につきました.

 子供の症状が気になるところですが,先生の診断は以下の物でした.まずコロナに対する判定については,発熱24時間以内は結果がはっきり出ないのでPCR検査が出来ない.そこで,一旦解熱剤など通常の風邪用の薬を処方して様子を見て,もし発熱が続けば改めてPCR検査をするという事でした.結果として,翌日には子供の熱は治まり,念のため学校を休ませたため家の中で走り回るという始末でした.翌々日からは子供も学校に登校し,私も業務に復帰して日常生活が始まり,コロナの心配もニュースの中の出来事として日々を過ごしていました.

 そんな生活が丁度一週間過ぎた時,今度は突然私が関節の痛みを感じ7度前半の発熱が起こりました.(参考までに私の平熱は36.2度です).

体調異変

 その日,夕方から熱っぽさと関節の痛みを感じた私は,夕方以降は布団でゴロゴロ(ネットニュースやYouTubeをみる事)しながら過ごし,熱も微熱程度だったので翌日は出勤するつもりで早めに就寝しました.ところが翌日になって検温すると7度4分(勤務先の出勤条件は発熱7度5分未満)でした.その当時,都内でも緊急事態宣言が発令されており,出社して会社の検温規程にひっかかった場合は即帰宅の扱いになるので,わざわざ会社に行くよりも今日は一日休養して明日から出勤するという選択をして,早々に会社に連絡して布団に潜り込み惰眠を貪って1日ゴロゴロ(ネットニュースやYouTubeをみる事)してました.

 夕方になり名目上の診察が必要(出勤した際に,私はただの風邪だぞと大手を降って社内をウロウロするという免罪符の入手)な事を思い出し,子供に付き添った例のクリニックに電話を入れました.しかし,クリニックからは折り返し電話連絡を入れると言われたので,一旦電話を切って取り込み中の作業(ネットニュースやYouTubeをみる事)に没頭しました.暫くするとクリニックの先生から連絡があり,電話による問診をして頂きました.問診の内容は体温と症状の確認です.発熱の経緯と症状を伝えたところ,クリニックの先生から「発熱から24時間経過しているので,あなたはPCR検査を受診できますが受けますか?」と聞かれました.しかし,先週の子供の風邪の件があった私は,自分の症状が完全に子供の風邪の感染だと確信していたので,PCR検査の話を出されても,コロナウィルスと自分という点同士が結びつくことがなく意表を突かれた気がしました.ただ,その時咄嗟に「PCR検査を受ける機会はこの先巡ってくる事は無いかも知れないし,PCR検査で陰性を出しておけば,多少の咳が出ようが職場で肩身の狭い思いをしなくて良いかも・・・」という打算的な考えが浮かび,PCR検査を受診したいと申し出たのです.

感染

 クリニックからの受診指示は,前回の子供の診察とは全く異なる対応でした.まず受診方法についてはクリニックの営業終了直前に車で来院するという物でした.クリニックに到着して車で待機していると,はじめに事務員の方が医療費の精算,薬剤師さんによる薬の受け渡しがありました.次に全身を防護服で覆った先生が登場し,車の窓越しに検査キットが手渡されました.検査キットは,インフルエンザの検査でおなじみの綿棒を鼻の奥に入れて検体を採取するというもので,検体を容器に入れてキャップを締めると終了です.翌日に結果を連絡すると言われてその日は車で帰宅しました.

 翌日,家でゴロゴロしていると,待ち疲れた頃にクリニックの先生から連絡がありました.それはただ事務的に淡々と「PCR検査の結果はプラスでした.この後保健所から連絡があるので自宅で待機していてください」というものでした.職務上感情的に話すという事が無いのだと思いますが,自動応答の音声を聞いている様で,不気味な電話だったのが印象的でした.

 保健所からの連絡を待つ間,職場への連絡や家族の今後などに頭を巡らせながら,自分がコロナウィルスに感染したという実感の沸かない状況を自分の頭に理解させるという不思議なひとり刷り込み作業を繰り返していた様な気がします.それと並行して,「いつ?,どこで?」という疑問がずっと頭を回っていました.それは,武漢のニュース以来,ひと一倍感染に気を配り,出先で公共交通機関を利用する際には伊達眼鏡を掛け,使い捨て手袋をはめていたほど感染に気を使い,発症前の生活でも通勤や買い物以外の不要な外出を控えていたから,感染の経路について思い当たることが無かったのでした.

 こーして,私はテレビの中の出来事として目にしてきた「コロナ感染者」累計約35万人の一人に加わることになったのです.この記事を書いている現在,私はいわゆる「コロナウィルス感染症の宿泊療養施設」で過ごしています.感染以後の話しについては次回投稿したいと思います.

 ただ,最後に私の様に施設に入所予定の感染者の為に一言書いて置きたいと思います.ジュース・お菓子・果物・コーヒーなどは必要以上に準備して下さい.普段それらを摂取するかしないかは関係ありません.療養所では欲しいと思っても手に入りません.行動範囲が制限(ホテルの部屋から出れない)されるという状況で欲しい物が手に入らないというのは中々困ります.

 


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