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3×3の平方数の魔方陣を作りたい①

3×3の平方数の魔方陣は2024年9月26日時点で見つかっておらず、
また、存在しないことも証明されていないということなので、
考えてみることにします。


縦・横・斜めの和がすべて等しくなるような$${A~I}$$を見つけたいです。

各列の合計値を$${S}$$とすると、
$${A^2+E^2+I^2=S}$$
$${B^2+E^2+H^2=S}$$
$${C^2+E^2+G^2=S}$$
$${D^2+E^2+F^2=S}$$
になります。

左辺と右辺をそれぞれ足し(て並び替え)ます。
$${A^2+B^2+C^2+D^2+4E^2+F^2+G^2+H^2+I^2=4S}$$・・・①
ここで、$${A^2+B^2+C^2=S}$$、$${D^2+E^2+F^2=S}$$、$${G^2+H^2+I^2=S}$$なので、①は、
$${S+S+3E^2+S=4S}$$となります。
つまり、$${3E^2=S}$$となります。

各列の和は、中央($${E}$$)の平方数の3倍ということがわかりました。
ということは、
$${A^2+E^2+I^2=S}$$
は、
$${A^2+E^2+I^2=3E^2}$$
であり、つまり
$${A^2+I^2=2E^2}$$
ということになります。

$${A^2+I^2=2E^2}$$について考えてみます。
が、ちょっと文字を変えて・・・
$${a^2+b^2=2c^2}$$で考えてみます。

有名なピタゴラスの定理を使えば上記の式を作ることができます。
$${a^2+b^2=c^2}$$
を2倍します。
$${2(a^2+b^2)=2c^2}$$
$${2a^2+2b^2=2c^2}$$
$${(a^2+b^2)+(a^2+b^2)=2c^2}$$
$${(a^2+2ab+b^2)+(a^2-2ab+b^2)=2c^2}$$
$${(a+b)^2+(a-b)^2=2c^2}$$・・・②

上記より、直角三角形の各辺の長さが分かれば、上記の式に当てはめて、
$${a^2+b^2=2c^2}$$
を作ることができます。
例えば、辺の長さが3,4,5の直角三角形で当てはめれば、
$${4^2+3^2=5^2}$$より、
$${(4+3)^2+(4-3)^2=2*5^2}$$
$${7^2+1^2=2*5^2}$$
$${49+1=50}$$
$${50=50}$$
となり、正しいことが分かります。

$${A^2+I^2=2E^2}$$はすべて整数になってほしいので、
辺の長さがすべて整数の直角三角形を知りたくなります。
調べたら長さがすべて整数の直角三角形は以下の式で作ることができます。
直角三角形で、3辺の比が整数になる例25個と作り方 - 具体例で学ぶ数学 (mathwords.net)

$${m}$$を適当な奇数、$${n}$$を適当な偶数として、
$${a=|m^2-n^2|}$$
$${b=2mn}$$
$${c=m^2+n^2}$$

これを②と合体させます。
$${(|m^2-n^2|+2mn)^2+(|m^2-n^2|-2mn)^2=2(m^2+n^2)^2}$$・・・③
になります。

$${A^2+I^2=2E^2}$$と③を対応させます。
$${A=|m^2-n^2|+2mn}$$
$${I=|m^2-n^2|-2mn}$$
$${E=m^2+n^2}$$
となります。
$${E}$$(つまり$${m^2+n^2}$$)が何通りもの(少なくとも4つの)平方数の平方数の和であらわせたら嬉しいです。

何通りもの平方数の和であらわせる数の見つけ方について調べました。
$${(a^2+b^2)(c^2+d^2)}$$は2通りの平方数の和であらわすことができます。
$${(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac-bd)^2+(ad+bc)^2=(ac+bd)^2+(ad-bc)^2}$$
例えば、$${a=1,b=2,c=3,d=4}$$の場合、
$${(1^2+2^2)(3^2+4^2)=(1*3-2*4)^2+(1*4+2*3)^2=(1*3+2*4)^2+(1*4-2*3)^2}$$
$${5*25=(-5)^2+10^2=11^2+(-2)^2}$$
つまり、$${125}$$は$${5^2+10^2}$$と$${11^2+2^2}$$であらわすことができます。(符号は変えています。)

そんな感じで、2通りであらわせたものをさらに2通りであらわせれば2*2で4通りであらわせることができそうです。
$${(a^2+b^2)(c^2+d^2)(e^2+f^2)=・・・(途中式略)・・・}$$
$${=((ac-bd)e-(ad+bc)f)^2+((ac-bd)f+(ad+bc)e)^2}$$
$${=((ac-bd)e+(ad+bc)f)^2+((ac-bd)f-(ad+bc)e)^2}$$
$${=((ac+bd)e-(ad-bc)f)^2+((ac+bd)f+(ad-bc)e)^2}$$
$${=((ac+bd)e+(ad-bc)f)^2+((ac+bd)f-(ad-bc)e)^2}$$
の4通りであらわせます。

上記より、$${E}$$(つまり$${m^2+n^2}$$)が
$${(a^2+b^2)(c^2+d^2)(e^2+f^2)}$$であれば、4通りの平方和であらわすことができます。
例えば、$${a=1,b=2,c=3,d=4,e=5,f=6}$$の場合、上記の式に当てはめると、
$${7625}$$
$${=85^2+20^2}$$・・・④
$${=35^2+80^2}$$・・・⑤
$${=67^2+56^2}$$・・・⑥
$${=43^2+76^2}$$・・・⑦
の4通りであらわすことができます。

$${A=|m^2-n^2|+2mn}$$
$${I=|m^2-n^2|-2mn}$$
$${E=m^2+n^2}$$
に④を対応させます。
$${m=85,n=20}$$を代入します。
$${A=10225}$$
$${I=3425}$$
$${E=7625}$$

同様に⑤⑥⑦を中心を通る他の3列に適用すると
$${B=425}$$
$${H=10775}$$
$${C=8857}$$
$${G=6151}$$
$${D=10463}$$
$${F=2609}$$
となります。

これを魔方陣に当てはめます。

無事中心を通る4列の和が等しい魔方陣ができました。
ただ、中心を通らない4列の和は全く考慮していないため、全然あっていません。魔方陣として成り立っていません。悪しからず。

今回はこの辺で。
今回は理論的な感じで試したことを書きましたが、次回は力業で試したことを書きたいと思います。

また、この記事も適宜見やすく更新していくつもりです。

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