[ネタバレ]槇原敬之コンサートツアー2019「Design&Reason」初日感想

行ってきました!槇原敬之さんのコンサート!
新しいアルバムを出してからのツアーで、そのアルバムの曲もたっぷり演奏しましたが、他の曲も選曲がよく、とても楽しめるコンサートでした。

このブログではセットリストなどネタバレ満載になりますので、写真のあとに来る文章を読みなくない方はスルーしてくださいね。

初日、ソールドアウトでした。開場前の物販も長蛇の列。
ツアーグッズはBEAMSさんプロデュースです。僕はマグカップとチケット風キーホルダーのみ購入。

ツアーのトラックです。真っ黄色カワイイですね。

お花たち♪

コンサートツアーのパイロットデザインとでもいいましょうか。
「Design&Reason」のDとRをモチーフにしてますね。

僕はこの日初めてアルバムを購入(最近この買い方多い)
そしてマグカップとキーホルダーと、
ベースの川崎哲平さんの所属バンド「NOBU CAINE」のアルバムも購入。

さて、ここからいよいよネタバレです。っていうか、曲の感想も混じってるのでやたら長いですよ(笑)。



開場して入場すると目の前のステージはとても可愛くもあり、ちょっと御伽話の舞台のようでもありました。
赤いログハウスが右側に立っており、森の奥のログハウスを連想させるかのように逆サイドの後方には木が(針葉樹みたい)立っていました。
満天の星で夜が明ける前なのか、日が暮れる前なのか、下の方は少し明るく、そして何かが始まる前のような静かだけど高揚感を感じるSE。

そして、そのSEは開演直前から音が重なっていきます。
マッキーが、メンバーが登場。とても可愛い衣装を身にまとっています。
コンサートの衣装がこんな感じで素敵なのは、男性アーティストでなかなかいないというか。皆さん割とシックだったりシンプルな方が多いと思いますが、マッキーのコンサートの衣装はPOP。昔は千里くんも衣装がPOPだったり奇抜だったりしたなぁって思いますが、僕が衣装まで好きなのはこの二組くらいかもしれません(笑)。

1曲目は「朝が来るよ」
マッキーがキーボードの前に座ります。この曲の冒頭の歌詞は昔ながらのマッキーの緻密な景色や行動の描写で始まります。一時期(まああの時期)は歌詞がすごく固くなっていた時期があって、自分のそれまでの色をシャットアウトしているのかと思っていたのですが、ここ最近はこういう感じが増えて嬉しいです。日常の始まりに聴きたい曲ですよね。

マッキー、この時はまだ声が硬い感じ。緊張もあるのでしょうね。

2曲目「どーもありがとう」はキーボードが下げられ、マッキーの衣装がちゃんと観られます。ご本人があとでMCでも紹介してましたが、今回もBEAMSさんが制作。ジャケットは左右で微妙に色が違うベージュ系で裏に赤や青などの部分もあり、パンツは吊りズボン。蝶ネクタイ、水色系のシャツです。靴も鮮やかな水色系。この靴BEAMSさんにあるんだろうか?

曲も歌詞がこれまたいい。僕自身は最近の世間に対する投げかけを感じます。最近は人と人の関係が希薄でっていいますが、その希薄さは実際に触れ合う人たちに対しての想いの薄さっていうのもあると思うんですね。せっかく人にしてもらった事への感謝とか、この人はこんなに自分の事を想ってくれているんだとか、そういうのが薄いんですよ。それじゃあ、人と人の関係ってどんどん表面的なものになってしまいますよね。
ちゃんとそこに焦点を当てて、相手に感謝をする。当たり前の事が当たり前に出来てこそ、お互いの関係って深くなれるんですよね。きっと。

そして最初のMC。初日という事でその始まりに興奮するマッキー(笑)。
短めのMCの中ではしゃいだ声を聞かせてくれて、こっちも頬が緩む。

次の曲ではイントロで客席から歓声が上がります。そう、3rdアルバム「君は僕の宝物」からのラインナップ、「曇りガラスの夏」なのですよ。
いやはや嬉しかった~。歌詞を改めてかみしめながら聴くと、マッキーの歌には一貫性があると思いましたわ。
それは「誰かを想う気持ち」を歌う事と「生き様を見つめ直し、考えて答えを出そうとする」こと。この曲も自分の欠点を見つめ直し、愛した人を決して悪者にはしないこと(この曲ではちょっと自虐的に相手を歌う部分ありますが)
繋がってるんだな~。当時からマッキーはこうだったんだと認識しました。
コンサートのセットリストって、必ずその時の気持ちやメッセージが詰まってると思うので、そんな風に振り返られるのかなと思いますね。

そのあとはニューアルバムから2曲。
「だらん」は個人的には結構問題作。相手の浮気を察した主人公の決別を決意した心情の歌。分かるなぁと。相手が抱きしめ返してくれないほどの心離れ。それでも傍にいるのは僕とそいつの持っている両方がほしいんだろ?と。それで我慢してるだけなんてっていう。
しかもおそらく「僕」は、ついでの方なんだろうと解釈できてね。
「ただただ」は何気ない日常の光景のひとコマにある奇跡を歌ったもの。マッキーの本領発揮というか、昔から変わらないもののひとつ。同じものを違う場所で同時に見て、同時に感動する君に喜べる。そんな二人が出会った奇跡、とても大切にしたいものがそこにあるんだな。

そしてここから懐かしいアルバム曲。
「Witch Hazel」が来たことで、あれ?このツアー夏がテーマに含まれるの?と思いましたが、そのあと冬の歌もあるので関係ない(笑)
このWitch Hazelって日焼け止めの成分のひとつらしいですね。化粧水としても売られてますね。あと歌詞が意味深というか、まさしく「ひと夏の恋」だと改めて思いましたわ。きっとこの相手には他に恋人もいたのだろう。二人が出会った場所ではなく別の所にでもね。だからこそ、こんな歌なんだなって改めて感じました。

ここでMC。マッキー、花粉症は小学生の頃からだったそう。
でも当時は花粉症なんて病名はまだ無くて「鼻炎」で済まされてたとか。
会場にも花粉症の方多くて、すっかり国民病ですよね。僕はおそらくまだなってないです。
そして衣装を見せびらかすマッキー(笑)。今回はメンバーの衣装も私服っぽくしたらというテーマで作ってもらったそう。川崎さんの服引っ張って、袖の脇のところ、実は服がくっついてなくて白いラインだと思ったらインナーだったりとかしてね。可愛かったです。みんなちょっとダボッとしてるの。
デザインしたクボさんもこられてました。玖保さんのスタッフの方もコンサートを楽しまれたみたいです。

「The Average Man Keeps Walking」は、これまた前向きな歌。
そういえば最近「自分磨きしてます」なんて言う人増えたね。マッキーの言うそれとは違ってる人も多い気がするけど。
それもまた「結婚したい」とか「恋人がほしい」とかいう思いから来ていて、それはそれで前向きなんだろうなと思うけれど、どうも自分磨きアピールをする人には受動的なオーラを感じてしまう捻くれ者です(笑)。結婚する事を目的にする、恋人を作る事を目的にするって、そこをゴールにしがちだし、そこから先を相手に頼り委ねる計算が透けてしまう気がするんですよね。
この歌みたいに「誰かのための特別になりたい」「自分を超えたい」「自分に与えられた人生をよりよく生きたい」という想いを持てるように邁進したいものです。
「Remember My Name」は最近すごく身に沁みます。
友達でね、すごく信じてた人に手痛い事をされてなにも出来ない無気力だって友達に僕はこう思ってるよって、この歌のYouTubeのリンク送っちゃったりしたのでね。本当に心の支えって結局は人にしかなれないと思うんですよ。僕はそんな存在に少しでもなれたらと思っています。

そしてまたニューアルバムから「In The Snowy Site」は雪で何もかもがいつも通りにいかなくなる日の光景のなかで歩きながらいろいろ思う、そんな歌。僕は雪って何もかもを白く覆って、溶けてしまうと何だか街の色もスッキリする感じがするんですね。色んなもやもやした事をスッキリと忘れさせてくれるような、そして大事なものを思いださせてくれるようなね。
交通機関が麻痺して困るのって殆ど大人。歩いて目的地に行くなんて、行動範囲は違えど、子供の頃はいつもそうだったものね。

ここでアコースティックコーナーに。
マッキーは次の曲のエピソードを話し出して、フィンランドに行った時にとても素敵な街で、オーロラも観られた。オーロラは音が出てるわけではないけど、ふわーって聞こえるように出てくるのを覚えていたり、あとはフィンランドではカラスが白くて、「太陽を連れてくる、新しい事を連れてくる」として、とても親しまれているという事。そんな思い出を人目を憚らないと二人でいられないふたりが、凍えるほど寒いのに二人きりになりたくて屋根の上で手を繋ぐというそんな歌なんだと。
それが「2 Crows On the Rooftop」でした。演奏は横山裕章さんと山本タカシさん。

続いては屋敷豪太さん、大石真理恵さん、秋山浩徳さんの演奏。大石さんはバウロンというアイルランドのフレームドラムを持っていました。不思議なリズムで叩かれてたのが印象的。秋山さんはマンドリンを弾かれてましたが、この音を何度も震わせるように弾く音が爽やかな風のようにマッキーの歌の後ろで優しく響いてきて、そっとそっと吹く風を連想できました。
愛って分かってもらいたいと思うとただの傲慢になってしまう。たとえその意味が伝わらなくても君が笑ってくれたらそれでいいという、そんなシンプルながらも深い歌をアコースティック編成の音が優しく響かせてくれました。

MCではアルバムを作るきっかけとなった母親とのラインのやり取りのお話をされてました。母親が誕生日の前日に「お誕生日おめでとう」と送ってきて、「明日だよ」って返事をしたら「分かってるけど言っとく」って返って来て、そのあとに「あなたは5月18日の夜11時36分に大雨と雷の中で生まれてきた」というメッセージが来て、その時に頭の中で「自分は神様と相談してこの両親のもとに生まれてきた」というのを連想したという。それがこのアルバムが生まれるきっかけになったそうです。
神様とは「お前の顔はこんな残念な仕上がりになるぞ」と言われたけど「僕は音楽がやりたい」「悲しい歌とか歌った時に2枚目だと説得力がない」と話したことを想像したらしいですよ。マッキーは小中学校の頃はいじめられた。顔の事を言われたという話もしましたが、それを辛気臭くなく言える今は本当に充実してるんでしょうね。

続いては「初めてこの歌詞は世に出していいのかと審査を受けた曲」という「印度式」で後半戦がスタートします。セットを隠すようにビニールの幕が下りたかと思うと、ファンキーな照明に包まれてディスコタイムに突入します(笑)。この曲ではメンバーがラップ?部分も担当。会場は大うけでした。
マッキーのルーツのひとつにYMOなどもありますが、その中できっとファンクやディスコサウンドにも傾倒したのではと思わされるサウンドが続きました。「微妙なお年頃」も中年になった自分を嘆くのか楽しんでるのかという面白い歌詞で、歌謡曲テイストなメロディーラインとアレンジの妙で味わい深かったですよ。続く「Tag Team」もアップテンポでノリのいい曲なんだけど、歌詞はよく見ると深い。家族というチームについて、ぶつかり合いながらも一緒に居られ、この組み合わせでないといけない幸せの形を作るんだろうという歌詞は味わい深い。

そして曲は「I ask」に。これも歌詞が突き刺さる曲。
自分の心に常に問いかけていかないと不用意な言葉を放ってしまう自分が現れてしまう。これは僕の自分自身との戦争だ。と強い言葉で自分を戒めるメッセージソング。ふとした時に何度も聴きかえさないとなと思える曲。
そして「記憶」はこれ、母親のことだなって思いましたね。幼い頃から自然と傍にあった無償の愛。いいなぁって思います。僕にはそんな記憶ないから。羨ましくなる曲。そして自分もこんな気持ちになりたい。

マッキーの歌は、恋愛だけのものでなくなってきてからの方が時間が長い。
宗教色が強いという人もいる。でも僕はマッキーの歌う神様は誰もが頭にあるくらいのものだと思っている。運命という言葉にも特定の宗教色はないと思う。簡単には説明できないけど、マッキーの中でそれらは普段の生活の中の気づきの中にあるものなのではないかと推測している。
きちんと生きよう、なるべく正しく生きよう、素直に生きようとすると難しいものはたくさん出てくると思う。それを誰かのせいにするのではなく、受けとめようと思う時にこういう言葉を使うのかなと思う。そして逆に手を引っ張られているかのような時にも。

「キボウノヒカリ」にも神様という言葉が出てくる。
自分の限界や闇は自分が作っているんだというメッセージ。心ってそんなものじゃない。もっと無限に広がるんだと教えてくれる。色んな事に素直に感謝できる50歳。いいよなぁ、マッキー。この曲、何となく中島みゆきさんの香りがします。アレンジとか最後のコーラスとかね。

そして本編ラストは「Design&Reason」
MCで「このアルバムを作るきっかけになった」と語った出来事が織り込まれた歌詞だ。僕は思う。こんな風に思えるって、どんな風に彼は生きているんだろうと。僕は自分がこの運命でよかったとは未だに上手く思えない。この人のために生きているんだという出会いはあったが、それも通り過ぎるたびに僕がその人の人生に携わってよかったのかと思う事も多い。上手く自分を生きれていないような気持も多分にある。僕はどんな風に考えて、この世に生まれてきたのか、いつかわかるのかな…。

アンコールには、ツアーで販売されているTシャツを着たメンバーが登場した。カーキ色?のパンツを2枚重ねして履いているように見える。
このパンツの履き方可愛いです。

アンコールは「今回作ったアルバムではこんな事が言いたかった」と「Home Sweet Home」からの曲「Happy Birthday Song」を歌い始めました。このステージのセットにある赤いログハウスは、この曲に繋がっているのかもしれません。人生の真意がここにはあって、生き方によって人は大きく人生が変わりえると教えてくれるこの曲。少しずつでも自分を大事にしたいと思えるんですよね。

そしてラストは「どんなときも。」みんなで一緒になって歌ったのが楽しかった。この時からマッキーのメッセージは基本変わっていない。若さとそれゆえの稚拙さはあるけれども、たくさんの人の背中を押してきたこの曲のパワーは、それを大きく超えているなぁとしみじみと感じました。

そんな感じで味わったマッキーのツアー初日。
「行ってきます」と言ってくれたマッキー。送り出した川口のみんな。
本当にハッピーな気持ちを貰った初日でした。
またどこかに行けたらいいな。

来年は30周年。楽しみにしててね、と言ってたので、楽しみに待ってます。

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