クレマチス物語

幼いクレマチスちゃんは、夢を見ていました

いつか白馬の王子様が、お空からやってきて、私に花束をプレゼントしてくれるの
白馬の王子様は虹に乗ってやってくる
その虹を探している夢

ずっと空を見て虹を探しているものだから、ふらついてコケちゃった

そこで目が覚めました

あ〜あ、ずぅ〜っと夢を見ていたいな〜

続きの夢を見たいから、もう一回寝よう〜

と、二度寝をしてしまいました


続きの夢を見れたのかどうかは、わかりませんが、いつもこの調子です

クレマチスちゃんの趣味は、眠る事、空想に妄想、本を読む事

起きている時も、何に対しても無関心で、いつもふわふわしていて、どこか現実離れしている雰囲気

大人になった今も、なんとなく気持ちが沈んでいる時は、空想に浸り、まるで現実逃避をしている様子

決して現実がイヤになったわけではなく、ただ、空想が好きなだけ


ある日、友人の子供ちゃんが、どうも元気がなく、遊びもしない、何もしないで、ぼーっと何か考え事をしている様子に気がつきました

友人はそんな子供の将来が心配になり、幼い頃のクレマチスさんと似ているな〜と思い、思い切ってクレマチスさんに相談してみました

そしてある日、クレマチスさんは公園で子供ちゃんとお話をしました

子供ちゃんは、公園の大きな木を見上げていました

クレマチス
何してるの〜？

子供ちゃん
もうすぐ、サンタクロースと会うの
今度のクリスマスプレゼントの相談

クレマチス
いつ会うの？

子供ちゃん
わかんないけど、もうすぐ会うの

クレマチスさん
本当に会えたらいいね

子供ちゃん
うん、会いたいよ••

と、少し寂しげ

クレマチス
プレゼントは何がいいの？

子供ちゃん
リカちゃん人形のベッド
ベッドがないから、お昼寝させてあげられないの

クレマチス
リカちゃんのベッドが欲しいって事、ママは知ってるの？

子供ちゃん
この話はしてないから知らないよ

クレマチス
いい方法があるわ

子供ちゃんはたちまち目を輝かせました
さっきまでの空想している表情とは違います

クレマチス
ママと一緒にリカちゃんのベッドを探しに行くの！

子供ちゃん
そうしたら、ママ、買ってくれる？

クレマチス
う〜ん、多分買ってくれないわね

子供ちゃんは、ガッカリしました

クレマチス
どうしたら、ママは買ってくれるか、考えるのよ

子供ちゃん
え？
そっか！

しっかりとした表情で
ママのお手伝いをする
ママの荷物を持ってあげる
ママ大好きって言ってあげる
ママを喜ばせてあげる

などなど、空想好きな子供ちゃんは、発想力、想像力も豊かで、いろんなアイデアが浮かんできます

クレマチス
じゃあ、それ、今日からやってみる？

子供ちゃん
うん、やってみる！


その後、友人は子供ちゃんが素直になったと、喜び、クリスマスにはいい子だったから、念願のリカちゃんのベッドを買ってあげる事になりました


その喜びが、キッカケになり子供ちゃんの空想は少しずつ現実的なものに変わっていきました


数年後の子供ちゃんは、相変わらず空想は好きですが、自分の望みを叶える方法を次から次へと想像し、妄想だけでは終わらせないと、ちゃんと地に足つけて、行動に移し、一歩ずつ小さな夢を叶えて行く事ができるようになりました