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手放すのが下手なわたし

「他人への執着を手放す」
毎年、年始に手帳に書き込む目標。
そして毎年、できていない。

ここ1〜2年、職場でかけがえのないつながりをいくつか得た。
と、私自身は思っていた。
そのうち数名はそれぞれ会社を辞めてしまったが、それでも関係が切れることはないと、
またいつか一緒に仕事をすることになるかもしれないと思っていた。
辞めていない人とは尚更、ずっと同じ付き合い方が続くと思っていた。

毎日、たくさんやり取りをした。
業務中は社内のチャットで。帰ってからも私用LINEで。
励ましあったり、愚痴を言ったり、将来の話をしたり。
昔からの友人たちはほとんどが結婚し子育てに追われていて、仕事や将来の話なんてしない。
やりとりがあっても子供の話が夫の愚痴だから、
そうじゃないやりとりが嬉しかった。
地元を離れているのもあり、飲みに行く友達も職場以外でいなかった。
だから休日も時々飲みに出かけた。
大人になっても友達はできるんだなと思えた。
仲間たちが職場を去るのは寂しかったけど、つながりは消えないと思うとどこか満たされている自分がいた。

それでもやっぱり、関係性や付き合い方は変わっていく。
物理的に会えない人もいるけど、連絡すれば会えるのに、明らかに会う頻度が減った人も。
会えてもなんとなく、話が盛り上がらなくなってしまった人も。
あ、ベクトルの向きがお互い変わったんだな。と気づいてしまうとなお辛い。

そういう一つ一つに凹むのが、ここ数ヶ月とても辛かった。
ちょっと人付き合いに疲れてしまった。

だから少しだけLINE(いろんな人との主な連絡ツール)と距離を置くことにした。
家族以外からの通知をオフに。
ホーム画面からアイコンを消した。
家族からの通知があった時だけ他の連絡も目を通す。
返信はするけど、自分から話題を振らない。
(これがミソ。いつも人からのLINEが途切れては、誰かしらにしょうもないLINEを送っていた)

1ヶ月くらい経ったら、笑えるくらいLINEが来なくなった。
今までどれだけ、人とのつながりに執着していたんだろう。
そしてなんてあっさり手放せるんだろう。
去年の今頃、立て続けにあった飲み会の予定も
今年は全くと言っていいほどない。
こんなもんだよな、と今、思っている。

連絡を取ることが全てじゃない。
たかだか1ヶ月連絡を取り合わなくても、縁が切れない人は必ずいる。いると信じたい。
でもたかだか1ヶ月連絡を取り合わなかっただけで切れてしまう縁もある。
それがとても嫌で、寂しくて、何かと理由をつけて連絡をしがちだったけど
結局いつも私からだな、と思ってしまう時点で
それはもう手放していい縁なのかもしれないことにようやく気づいた。
どれだけ相手のことが好きでも、それはもう誰にもどうしようもないことなんだと思うことにした。

とにかく1人が怖かった。
繋ぎ止めていないと、みんな離れてしまうと思っていた。
疎遠になったら人付き合いは終わりだと思っていた。
でも今は、1人になることはない。
この人は絶対大丈夫と思える人がいるから。
だからもう、小さく凹みながら人に執着しなくてもいい。

でもまだ、そこまで思えてもまだ、
かつて仲が良かった人と疎遠になるのは寂しい。
疎遠だとか関係性が変わったとか思っているのは私だけで
唐突に連絡が来たり、飲みに行こうと誘われたりしないかな、と思っている自分がいる。
結局、手放すのが下手な私。

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