諦め笑いを浮かべた。

ずっと、なんとか踏ん張っていた。
転職を決意してからも
今の仕事はちゃんとやりきろう、なるべく迷惑かけずに辞めよう、と思っていた。
退職を先延ばしにされてもいいと思っていた。

むしろ、もし○○になったら残ろう、あともう少し頑張れる、などと、残る理由すら探していた。
何年も勤めた会社だ。二度の産育休もとらせてもらったし、子供が小さいうちは周りにたくさん協力してもらった。
カジュアルな辞めたい気持ちはずっとあったけど
それでもこの組織が好きだったから、ここにい続けたし、これからもいたかった。

でも、
ああもう無理だな。と、
はっきりと思ってしまった。

少しずつ、少しずつ私が削られていった。
他の人の退職の話を聞いたとき。
ハラスメントへの杜撰な対応を見たとき。
不正とはいかないけどグレーなことを当たり前に依頼されたとき。
できない人のフォローばかり頼まれるとき。
大好きな上司が辞めたとき。
そのときの上の対応。
新しい上司とまともにコミュニケーションがとれないとき。
サポート職は昇給はありません、とわざわざMTGで大発表されたとき。
そういうのも今後動いていくつもりだから、と言われてから何も動きがないことに気づいたとき。
新設された部署が半年ももたず解散したとき。
辞めた人から、まだそんな仕事続けるつもり?笑 と言われたとき。
毎月の各部門の優秀者の表彰式で、自分の部署は候補にも上がらないのを見ているとき。

気づけば私は、削られすぎて穴だらけになっていた。

月曜日納期のものがある。
膨大な量の件数をたった数日で処理するものだ。
早く終わらせろと上から指示が来た。
納期通り終わる予定だったのに、である。
弊社ではよくあることだ。みんな怒りながらも、いつもよりちょっとだけ無理をして、早めに終わらせる。
でも、もう私には許す気力がなかった。

もう削られるのはごめんだ。
お前らなんかに、削られ続けてたまるか。

この会社が好きだったのは、
仕事が全然好きじゃなくても頑張れたのは、
私が頑張ることで笑ってくれる人がいたから。
助かります、ありがとうございます!と笑って
外で頑張ってきてくれる、営業さんたちの背中を見送るのが好きだったから。
同じ思いで営業部隊を支えている裏方同士で
頑張りましょうね!と励まし合うのが好きだったから。
でももう、気づけばそんな人たちはいない。

お前らじゃない。
お前らのためになんか頑張ってやんない。
これ以上搾取しないで。

ああ、本当に辞めなくてはいけないな。

ここまで思えるのに何年もかかったのは
まだ希望がある、と思ってしまっていた私の甘さだったのかもしれない。
組織はそんな簡単には変わらない。
ついてこれない者が淘汰されてゆくだけだ。
私ももう、淘汰されてしまおう。

めちゃくちゃ怒っているのに、なぜか清々しさもあるのが不思議だ。
ねちっこい彼氏とやっと別れられる!みたいな気分に似ているかもしれない。経験したことないけど。

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