9/9 vsFC東京(アウェイ・明治安田生命J1リーグ)

 ようやく涼しくなってきt……てない9月。まだまだ連戦は続くのだ。選手たちは本当に大変だろうなぁ。私は家で仕事してワイン片手にパスタ食べてからシャワー浴びて試合観れるけれど、土曜の夜に佐賀にいて、水曜には東京の奥地に移動なんて、それだけで疲れちゃうわ。

 それに加えてフットボールの試合をこなさねばならぬ選手たち。負傷者やコンディション不良が発生するのはしょうがないよね……次の相手の分析しなきゃならないコーチ陣も、ほとんど休む暇はないのだろう。画面の前でしか応援できない自分が恨めしい。

試合の感想

 そんなこんなで、今節も非常事態臭漂う顔ぶれに。伊野波が戻ってきてくれたのは良かったが、マギーニョやキャラ、六反はまだらしい。明らかに疲れが見て取れた謙介と松浦はベンチ外。安永はついにスタメンでJ1デビュー。瀬沼とコロスケもこのチャンスを活かしてほしいところだ。

 ただ交代要員を見ると替えどころが難しい。特に守備の立て直しや強化に充てられる選手がいないのは辛い。

 対するFC東京は順位相応に豪華な顔ぶれ。特に高萩は怖い。交代しても戦力落ちないだろうなぁ、という層の厚さが羨ましい限りである。

 お互い、若手が多めの戦いで、どちらが勢いを出せるかの勝負になりそうだ。

前半

 これまでと違い、なにがなんでも奪いに行ってそこから握り倒してやる!という感じではない横浜FC。皆川瀬沼という守備に走れるFWを並べたが、基本的にはプレス開始位置は低めだった。いけそうなときは2トップは猛然とゴールキーパーのところまで追い回してたが。カウンター志向の強いFC東京相手にしっかり対策を練ってきたのだろう。

 ただ、全体的に引いて守る弊害というか、相手が全体的に高い位置に残ってるときに、最後尾でパス回して組み立てようとするものだから見ていて非常に怖かった。CBもボランチも出し受けできるし、両サイドバックもビルドアップできるタイプではあるのだが、いかんせん南は少し怖い。飯倉チャレンジほどではないけれど。

 守備の強さという面では今日のFC東京もそれほど堅くはなかった。やけに激しく来るときもあるが、出足がそこまで早いわけではなく、深い位置でも割と持たせてくれていた。そんな中、多少ラッキーな形ではあったが、両サイドアタッカーが中に絞って生まれた連携で皆川がフリーになったところにボールがこぼれてきて、見事先制に成功した!

 その後、比較的優勢に戦いながらも、個々の寄せの弱さから、守備時にボールホルダーから奪いきれないことが多い横浜FC。ハラハラしながら見ていたところ、そうして複数人で挟みながら奪いきれなかったボールがよりによってフリーになった高萩の前に転がってしまう。その高萩に寄せる前に縦パス一閃。田川に鋭いパスを通され同点にされてしまった。縦に入れさせないように気を付けていたのに、ワンチャンスを一発でモノにして見せるあたり、やはり代表クラスは凄い。

後半

 あまり仕事ができていなかった永井を下げ、後半開始と同時に明らかに強度を上げて襲いかかってくるFC東京。それを凌ぎつつ、攻撃に力を入れたぶん守備が甘くなってきた相手にやり返す好ゲームになってきた。特に、前半はおとなしめというか、無難なプレーが多かった安永が積極的に前に出てプレーするようになり目立ち始めていた。逆に手塚は少し引いた位置からロングフィードを通すなど、役割分担をはっきりできた感じ。

 何度か心臓に悪いシーンを作られつつも、なんとか耐えていた横浜FC。攻守に走り回って得点にも絡んだコロスケが(多分)脚を攣って動けなくなったところで王様レドミを投入。そしていきなり完璧なクロスで瀬沼のドンピシャのヘディングシュートを生み出したのだが、林に弾かれてしまった。DAZNベストセーブ間違いなしのビッグセーブで流れが変わってしまい、その直後にクロスで小林がアダイウトンに競り負けたところで原に勝ち越しゴールを叩き込まれてしまうのだった……

 その後もレドミの凄まじいプレー連発でFC東京を脅かしたもののゴールは奪えず。これで3連敗になってしまった。

全体的に

 いい試合をしたけれど、力負けしたなぁ、という印象。ここぞという時の個の能力や強さも、交代選手の層の厚さも、FC東京に及ばなかった。個の能力に関してはまだまだウチも若手が多く伸びしろもあるので、次の対戦時までに近づければな、と思う。

 ただ、交代選手に関しては、けが人もあって非常に厳しい。替えたくても替えられない、というのが下平さんの思いだろうな、と。全体のバランスを考えながら交代しようにも手駒が揃っていないのだから。

 例えば、レドミを出せば攻撃面で違いが出るのはわかり切っているが、どうしても守備に問題が出る。後ろに守備ができるのがいればいいが、右SBが本職ではない瀬古に、ボランチもどちらかと言えば守備が苦手な顔ぶれで、おまけに守備で計算できる交代要員はいない。結果的には、ルーレットでハイリスクハイリターンの賭けに出て、大的中!と思いきやコロンと隣にボールが転がって崩れ落ちる羽目になってしまったわけだ。

 移籍マーケットも終わってるし、そもそも予算の少ない横浜FCとしては、これは今後も避けられない問題だろう。少しでも勝ちの目を増やすために、とにかくケガ人には早く復帰してほしい。

 それはそれとして、出た選手たちは軒並み良くやってくれていたと思う。全体的には先が楽しみになるプレーが多かった。厳しい選手事情だけに、出番を与えられた選手がしっかりプレーできているのを見ると安心させられるし、今後もサポとして応援続けようという気にさせてくれる。

選手への雑感

GK:南雄太

 2試合連続スタメンで、今日もコーチングの声が良く響いていた。ただ、クロス対応で「え?」って思ったシーンがあったり、林がビッグセーブで流れをこちらに渡さなかったのと比べると、少し物足りなさは覚える。

 あとまぁ、やはりビルドアップが……加入当初と比べるとはるかにレベルアップしており、年齢考えると凄いとしか言いようがないのだが、やはりJ1では厳しいものがある。割り切って縦に蹴り込んでも良いのよ?

DF:瀬古樹

連続で右SBとしてスタメン出場。無難にどころか攻守にしっかりこなしていたのは凄い。流石にスピードではマギーニョと比較にならないが、ビルドアップと的確な判断でコロスケをサポートしていた。

なんか下平さんコンバート云々言い出した。瀬古の明日はどっちだ

DF:伊野波雅彦

いるといないとでは大違いであると証明してくれた。守備でも最後尾からの押上げでも貢献度は高い。なんとかコンディションを維持し続けて欲しい。

DF:小林友希

2失点に直接絡んでしまったので褒めづらいが、全体的には良くやってくれていたと思う。1失点目、小林も振り切られたとはいえ、高萩にあの状態で出させたことの方が悪いし、アダイウトンにエアバトルでせり負けたのも、そらそうよ、という話で。もちろん、勝てるように成長してほしいけれど。

DF:袴田裕太郎

悪かったというほどでも無いが、少しやられ気味だった感は否めない。今節に限らずだが、小林と袴田でどちらが見るのか曖昧になっている場面があるので、コミュニケーション密に取ろう。

MF:齋藤功佑

運動量豊富に攻守に躍動していた。先制点の場面でもいい仕事をしていたし、周りを活かすプレーができていたと思う。いいアピールの機会だったのではなかろうか

MF:安永玲央

大抜擢に見事応えてくれていたと思う。前半は手塚と揃って同じようなことをやっていて何とも言えない出来だったが、後半に役割の差別化を図ってからは思い切りの良さが出せていた。まだまだ線が細くて競り負ける場面も多かったが、球際での寄せの速さはあったので、鍛えれば充分活躍できるだろう。

MF:手塚康平

ようやくセットプレーのキック精度が当初期待していたレベルになってきたかな?と感じた。余裕があるときは良いパスを通しているし、ミドルシュートを狙ってみたりと、起用に応えようという意思は見て取れる。あとはわかりやすい結果を出してほしい。

MF:松尾佑介

チーム最多のスプリントを見せていたが、いつもと比べるとおとなしめだった。ピッチコンディションのせいで思ったほど加速できなかったのか、はたまた疲労のせいか……出ずっぱりなので休ませてあげたいところではあるが、代わりがいないのがな……

FW:瀬沼優司

凄まじく走っていた。キーパーにプレスかけたと思いきやなんか瀬古と相手ボールホルダー挟み込んだりしてて、何人いるのよ?というくらいに上下動を繰り返していた。決定的なヘディングシュートも放ったが決めきれず。あれが勝負の分かれ目だった。とは言え、あれはもう林を褒めるしかないだろう。次節以降も頑張ってほしい。

FW:皆川佑介

瀬沼と共に最前線で守備を頑張っていた。先制ゴールを決めたのはお見事。あとはボールの納めどころとしてもうひと頑張りしてほしい。

DF:志知孝明

袴田と交代で登場。見せ場が無かったわけではないが、原に寄せきれず決勝ゴールを許してしまったのは悔やまれるところ。まだまだJ1レベルだと守備での物足りなさがあるので、さらなるレベルアップを期待している。

DF:熊川翔

久々の登場且つほぼ試合に絡むことが無かったけれど、唯一の機会でかなり精度の高いクロスを入れてみせてくれたのは良かった。フリーの状態ならいい仕事できるのはわかった。右SB事情はかなり厳しいので、今後も頑張ってプレー水準を上げて欲しい。

MF:レアンドロ・ドミンゲス

やはり王様は格が違うというところを見せつけてくれた。投入早々の瀬沼への決定的なクロスや、ドリブルでの中央突破、エリア内での華麗なプレーと、FC東京の守備を一人でズタズタにしていた。汗かき役と共にならもうちょっと長い時間起用してもいいと思う。

FW:斉藤光毅

数回仕掛けは見せたけれど、プレー時間が短くあまりインパクトは残せなかった。レドミのプレーから、ドリブル突破に必要な要素は何なのかを吸収して、今後に活かしてほしい。

FW:一美和成

皆川と交代で投入。皆川と比べるとボールを納められるし、足下の技術もあるので攻撃の幅は出た。ただ、代表を窺うストライカーならレドミが作った決定機は決めて欲しかった。せめて枠には飛ばしてほしい。

終わりに

 これで3連敗だ。ただ、鳥栖戦と比べるとポジティブになれる要素は多かった。ここまで出番が少なかった選手がある程度アピールできていたのは良かったと思う。ここからまた競争が激しくなって選手たちのレベルが上がってくれればそれで良い。なんせ降格が無いのだから。

 次節は不気味な名古屋グランパス戦。まだまだ選手のやりくりは厳しい状態だと思うけれど、出場する選手たちには全力で挑んでほしい。でもってできれば勝ち点3を!頑張って手拍子するから!

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