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反社会人サークルHONSOUする

2013年11月4日発行 ロウドウジンVol.7 所収

「どうしてこうなった」反社会人サークルは頭を抱えていた。「どうしてこうなった」もう一度つぶやいた。何も変わらない。ネットにもつぶやいた。それでも何も変わらない。目の前は真っ白だった。目の前の原稿も真っ白だった。僕はゆっくりとキーボードに指を添え、打鍵。……反社会人サークル、奔走する。

 今回のロウドウジン制作状況は決して悪くなかった。前回第16回文学フリマin大阪に参戦した反社会人サークルは、大阪観光もせずに東京に舞い戻り、ゆるやかな日常を取り戻した……かのようにみえて、すぐさま次号、すなわちこのVol.7に向けての作業を開始した。早々に特集テーマを「燻製」に決定し、反社会人アイドルの取材を6月15日に実施するなど、万全のスケジュールで進行していった。しかし……だが、しかしっ! 

 ……もはや何も言うまい。その代わりに、本コーナーでは特別企画として、今回の特集記事の中でご紹介した自作燻製器を用いたバーベキュー(以下、BBQ)の様子をレポートしよう。

 反社会人サークルでは、以前よりBBQ、特に社会人が土日に実施するBBQに対して「イケてないBBQ」などと揶揄し、異議を唱えてきた。曰く、「合コンちっくに男女比が均等な感じで社会人が土日にやる葬式みたいなBBQがあるらしいじゃないですか。大した話題もないから『飲んでるぅっ?』とか『焼けたよ!』みたいな会話を2時間するみたいな」である。

 しかし、Vol.5「ロウドウムービーへの道」にあるように、われわれ反社会人サークルも実は一年前にBBQをしているのだ。イケていたか、イケていなかったか、正直良くわからない「イっちゃった」BBQだった。いずれにせよ、休日BBQをするくらいの甲斐性はあるのだ。そして、今回もその甲斐性をフルフルに発揮し、一年前と同じ舞台、稲城北緑地公園(最寄駅:稲城長沼)へと向かった。目的ははっきりしている。自作燻製器を用いたBBQである。ただ単に、夏の思い出を作りたくてBBQに行くわけじゃないんだZ! ​

 ときは2013年7月27日(土)。筆者ことnoir_kは前夜~朝の飲酒@ゲンロンカフェがたたって、ふらふらな状態で稲城長沼にやってきた。結局、帰宅したのは朝の7時。BBQの約束時間を大幅に超過していたため、謝罪の念に押しつぶされそうになりながら、公園への道を歩いていた。缶ビール片手に……。

 公園が近づいてくるにしたがって、記憶が徐々に蘇ってきた。一年前のイっちゃったBBQ……。あの地獄のような、そして天国のような光景を思い出しながら歩を進めていく。BBQ会場がみえてくる。いくつかの団体が思い思いに肉を焼いている。さて、うちの団体はどれだろう。……あれだ。

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 いつからうちはこんな似非リア充みたいな団体になったのだろうか……。まあ、良い。肝心要の燻製はどんなもんなんじゃろほい? 「燻製は時間がかかるから、BBQでやるのは中止になったみたいですよ」……わたしの悲しみは天から大粒の雨となって大地に降り注ぎ、同夜の隅田川花火大会を途中中止に追い込んだ。

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