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【2024年度】労働衛生コンサルタント口述試験で押さえておきたい「記述試験」問題の傾向

労働衛生コンサルタント口述試験は、「筆記試験が免除(一部または全部)」されるケースもあります。産業医の方は「筆記試験全免除」で口述試験だけ受けられることも多いと思われます(私もそうでした)。

そのため、「筆記試験対策は全く行わず、口述試験対策だけしている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、筆記試験、特に記述式となる「健康管理」の問題は、毎年、注目度の高いトピックスを扱った問題も多いため、「解けるようになるまで」とは言いませんが、サラリと見て傾向を掴んでおくことは重要だと思います。

具体例を示しますと、昨年2023年度の問題は

問1 化学物質のリスクアセスメント

問2 作業態様や負傷に起因する疾病(手根管症候群・手指振動障害・腰痛)

問3 高齢労働者の労働災害

問4 過重労働による健康影響

といったラインナップでした。問1では、化学物質については、次々と毎年新たなものが使用されるようになり、法令準拠型の管理では追いつかないため、企業側がそれぞれ「自律的な管理」をするようにという形への移行期であることから、そのリスクアセスメントをどのように行うのか、といった問題が問われています。

また、問2・問3では労災対策、特に問3では昨今、労働者の高齢化に伴って対策が急務となっている「高齢労働者の労働災害」なども扱われており、ホットなトピックスが狙われていることが分かります。問4もまた、働き方改革が進められている中で、「過重労働」も外せないトピックスであり、ばっちりと問われています。

2024年度の記述試験における傾向

では、2024年度はどのような問題が問われていたかと言いますと、次のようなものでした。

問1 化学物質のリスクアセスメント(SDS/発がん性、IARCによる分類/低減措置/作業環境測定方法・個人サンプリング測定・呼吸用保護具)

問2 職場における放射線障害(紫外線・赤外線・レーザー光線)

問3 騒音による健康障害(物理的特性/ばく露低減措置)

問4 職場におけるメンタルヘルス対策(メンタルヘルス対策の推進/心の健康づくり計画/4つのメンタルヘルスケア/ストレスチェック制度)

問1については、昨年の筆記試験同様「化学物質のリスクアセスメント」を持ってくるあたり、出題者側の強い意志を感じるところです。上記の項目については、ぜひ説明できるようにしておきたいところです。

問3 「騒音」に関しては、騒音障害防止のためのガイドラインが昨年4月に改訂されたことを受けているのではないかと思われます。

以前、「労働衛生コンサルタント口述試験で意外と穴な「騒音障害」の問題対策を2022年はしっかり行うべき理由」と記事で触れたことがありますが、筆記試験でわざわざ問われているということもあるので、今年もまた騒音対策についてはしっかりと押さえておくことをおすすめします(騒音障害防止のためのガイドラインもぜひ読んでおきましょう)。

問4 については、口述試験対策でも繰り返し問われているメンタルヘルス対策の問題になっています。なお、ストレスチェックについては2015年12月1日から労働者数50人以上の事業場で義務化されており、約10年の節目ということもあって、十分狙われる可能性があると思われます。

今回は、特に狙われる可能性の高い、化学物質のリスクアセスメント、職場におけるメンタルヘルス対策について改めて頻出問題・予想問題をご提示したいと思います。

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