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夜と戦う街で


地味に2020年内タスクにしていた鬼滅の刃一気読みが無事に済んで泣いて喜んですっきりしている元日です。

舞台が日本の東京付近?でよかった。こっち(エストニア)だったら夜明けまで後4時間くらいかかったろうし明けたところで太陽が見えるとは限らんからな。

特に平日と変わりない年末年始を迎え、やりたいこととやらなきゃいけないこととやっといたほうがいいことがそれぞれたくさんあるけど折角なので今日くらいはブログを書こうと思い立った。作業から逃げているとも言う。

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今冬は特にコロナによる諸々の負担と北欧諸国の暗い冬からくる冬期鬱とのダブルパンチに気をつけよう頑張ろうこうやって乗り切ろう!みたいな話題をよく見たような気がする。

それに対して全くケチを付ける気も反論する気もないし、少しでも気持ちが楽になる人が増えればいいなと思っている。とか言うとまさにそのデプレッションの真ん中にいる人なんかは疑ってかかってくるかもしれないけれど、別に鬱の人が増えていいことなんて社会にとっても私にとっても何もないから純粋かつ単純に元気になって欲しいなって思っている。

そういうわけであえて口に出しにくいからここで言うのだけど、私はこの暗い冬が好きだ。

いつ目が覚めても暗いから何時に起きてもあまり罪悪感がない。
(目が覚めたら既に日が傾きかけている休日のあのなんとも言えない焦燥感のこと)
日が沈んじまった…と思ってもまだ夕方なのですごく頑張って仕事を終わらせた気分になる。
(これは完全なる錯覚)

18年間神戸の瀬戸内気候に生まれ育っているのだが東京に来た時冬があまりに晴天続きで驚いた。それでそのアホみたいな晴天のもとでしたくもないバイトや仕事をしている時はなんだか青を無駄にしているもったいない気持ちになっていたのだが、こっちでたまに青空がのぞくとただただ得した気分になる。釣られてちょっと外に出てみれば皆ぞろぞろと道に出てきていたりして、うふふと思う。

それから店もオフィスもまだまだ空いていて、社会人ではなく学校帰りの子どもたちがそこらを屯しているような真っ暗な「昼」の時間帯を散歩すると、昔児童文学で読んだ夜の街だとか25時の世界だとかに来てしまったみたいで楽しい。

何より寝過ぎちゃった…といっても冬だからね、こっちは暗いからね、で皆が許してくれるのは最高だ。私が寝すぎるのはいつものことだし明るさなんてものは大抵関係ない。でもこのまま冬だからっていうことにしておいて欲しい。

逆にこっちの人は冬については注意してくれるが夏については何も言わない傾向がある。涼しくて過ごしやすいと思うよ!ってそれはそうだけどまさか延々と明るく太陽が夜中に沈んだと思ったら数時間後にすぐ上ってくるゲームの宿屋システムみたいなことになっているだなんて誰も教えてくれなかった。

おかげさまで初めての夏は日照時間の長さに精神的にかなりまいった。夏は基本的に日が沈んでから動き出すのが常だったのだがそんなことをしていたら真夜中しか出歩けなくてスーパーは閉まっており食料すら調達できないのだ。私はもしかしたら鬼だったのかもしれない。

元々1年のサイクル的に8、9月あたりはかなり不安定というか不機嫌だ。今年の8月も突然めちゃくちゃにやる気がなくなってひたすら寝続ける虚無の日々を過ごした。折角色々オンラインイベントがあったのに。翻って11月とか12月頃というのは比較的元気であると思う。お腹もいっぱい空くし。なんだかそういう言い訳を毎年自分にしながら生きている。だから逆に冬は暗くてやる気が出ねぇ!って人もいっぱいそうして言い訳をして全体的にバランスをとってくれればいいと思う。

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幸いなことに私の生活にはコロナの影響はそれほど大きくはなかった。

何もなかったというのは嘘。4月あたりはあっという間に陸の孤島と化したタリンから母親を日本に無事に帰国させるため仕事そっちのけでデイトレーダーみたいにチケットを探していたし、なんなら経済不況のアオリを食らってメインの仕事を切られた。おかげさまで本当にフリフリのフリーランスになってしまった。元からない人生設計が更に操舵不能になっている。色々申し込んでいたイベントもキャンセルになって事後処理に追われたしお金も機会も無駄になった。

不要不急の外出禁止、テレワークの推奨、人との接触はなるべく避けること。ニューノーマル、これからの時代の生き方。
こっちは完全に私の元々のノーマルである。うるせぇって感じだ。
過去散々やれ不健康だ引きこもりだオタクだ人付き合いが悪いだのなんだの言われ続けたのがここに来て模範的市民に一気に格上げだ。もっと褒めてくれたっていい。
春先にはステイホームに耐えられなくなった久々の友人からどうやってステイホームし続けているのか?なんて教えを乞われたにも関わらず未だにただの例外扱いされている気がするのは是如何。

とまぁそういった幸いな環境が重なって今年の冬も比較的元気に過ごしている。むしろ冬のオンラインイベントが続き貴重な仕事をほっぽり投げて例年よりもオタク活動に精を出しまくっている。それに今年は風邪を引いていない。確かにな。

そんな同人活動に精を出した結果エストニア・アンソロを出してしまったので唐突に広告しておく。

今の唯一の懸念は現在絶賛更新期間中の日本の免許証だけだ。

クリスマスだからどうとか正月だから何をするとかいうのも基本的にないので結果的に全く例年通りだし特別書くこともない。そういえばエストニアに来てからはクリスマスの日には例年一応旧市街を歩いたり教会を覗いてみたりしていて、まぁ私にもまだ行事ごとを人並みに楽しみたい気持ちがあったのだなって思ってたんだけど今年はなるべくステイホームという言い訳ができたので嬉々としてお家で原稿をしていた。薄々は気づいていたけどやはり楽しんでいるポーズでしかなかった。

というわけでまぁそういう低燃費な人間も暗い冬の片隅で生きているよという記録でした。記録は大事である。TLであたかも最終回後も元気な煉獄兄貴がいるかのような発言を流していたフォロワーはまじで許さんぞ。幻覚と妄想はきちんと見えるところに明記しろ。

2021年元日

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