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西表島 リーフフィッシング篇

1.癒しのリーフ
2.ジギング天国
3.毒
4.修行
5.ボトムフィッシング
6.リーフフィッシングを終えて
番外編.釣果後ていぼう日記

1.癒しのリーフ

深海での(黒潮との)激闘に疲労困憊しきり、もはやか弱い一少女と化したお嬢様。
帰船時にたまたま港でプライベートの釣りをしていた翌日のガイドさん(マングローブでお世話になった人)と遭遇し、予定をガチキャスティングメインからリーフメインに変更したのでした…

翌日いつものように迎えに来てもらい買い物しながら港へ。
船のサイズは東京湾等で使うシーバスボートとほぼ同じで、装備もいけすがついてないくらいで変わりなし。
午後からか海況が悪くなる予報だったので、まずは一番遠いポイントがある西表島西部海域へ。

オーバーホールしたての絶好調エンジンで30分ほどかっ飛ばし、着いた場所は水深30mくらいから一気に2mくらいまでせりあがったリーフのエッジ地帯。
エッジから先はどんどん浅くなるので適当なところで船を止め、そこから浅い方に向ってキャストして探る。
見るからにボトムは根掛りだらけっぽいのでまずはミノーを投げてみることにしましたわ。
数ジャークもしないうちに良いアタリ。
リーフに潜られないように無理やり寄せてくるとリーフフィッシングのメインターゲットの一つであるアミメフエダイ。

アミメフエダイ
現地名アメリカー、アメリカ国旗に似てるからというけど言うほど似てないような…
唐揚げかマース煮がおいしい

幸先の良いスタートで一安心ですわ。
普段ならここでリリースしていくところですけど、今日釣った魚はガイドさんが経営してるレストランで料理してもらう予約も入れておいたのでキープしても良いサイズはキープ。
余った分は買取して船代から引いてくれるらしいので乱獲にならない範囲で釣ろうという約束。
そんな訳でこのままガンガン行きますわよ~!と意気込んでみたわたくしでしたが、この後もガンガン投げてガンガンジャークしてみるも追加でアミメフエダイとエソを1匹ずつ釣っただけでこのポイントは終了。
そのままリーフエッジ沿いにジギングへ向かいましたわ。

2.ジギング天国

ジギングポイントはリーフエッジから少し離れて30~50mくらいの根と砂地が続く場所。
所謂ウルトラライトジギングクラスのタックルで40gくらいのジグで探っていきましたわ。
落としてすぐにいいアタリでロッドが絞られる。
あら良いですわね~!と楽しみながら上げてくるとフエフキダイ似だけどちょっと違うホオアカクチビ。

ホオアカクチビ
フエフキダイ一族その1
焼いたりマース煮にしたりするらしい。

これも美味しいらしいのでキープ。
その後も落とす度に何かしらヒットして釣ろうと思えばいくらでも釣れる気配でしたわ。
色んなのが釣れたのでいちいち説明せず下にその一部の画像を掲載しますわ。

イソフエフキ
フエフキダイ一族その2
ホオアカクチビとほぼ同じ感じでマース煮とか
ヒトスジモチノウオ
ナポレオンフィッシュに近いベラの仲間
食べ方はやっぱりマース煮
イシフエダイ
ちょっと深いところに多い。
これは刺身がオススメ
アオノメハタ
沖縄に何種類もいるミーバイ(ハタ)一族の中でも高級魚枠
刺身でもなんでも美味しいらしい
実は気になる点が…(後述)

3.毒

ジギングしながら船を流していると若干リーフエッジに近いところを通ったので、青物でも釣れないかなとエッジめがけてデカミノーをキャスト。
リーリングしてすぐいいアタリ。
最初良い突っ込みを見せたので青物かと思うもその後は結構すんなり寄ってくる。
それに何だか魚の色が赤い様な…

船まで寄せて何かと見てみると遂に来てしまった魚。
その名はバラハタ。

遂に来てしまったバラハタ
数年前築地で販売されて大騒ぎになったニュースを覚えている人もいるかも
沖縄ではナガジューミーバイと呼んで普通に食用になってるし何なら高級魚

ドン引きするわたくし。
なぜならこの魚はシガテラ毒(注1)を保有するとして有名な魚。
つまり有毒魚。

当然リリースしようとしたらガイドさんに止められる。
「そのサイズなら食べられるからキープしていいよ~」
実はこのバラハタは有毒といったけどややこしいことに個体差がが大きく全部が毒をもっているわけじゃない。
詳しい話は長くなるので後述。
しかし沖縄では普通に食べると知識としては持っていたけど本当に食うんだと驚きましたわね…

その後リーフから離れたのでジギング再開。
ちょっと深めのポイントをジグってるとアタリ。
上げてきて赤いミーバイなのでスジアラか何かと思ったらまたバラハタ。
だがなんかちょっとバラハタと違うような…
ガイドさんに聞くとオジロバラハタと教えてくれましたわ。
確かに尾びれの縁取りが白い。
これも食べれるサイズのようなのでキープ。

ナガジューミーバイ一族その2
沖縄ではバラハタとほとんど区別されずに食用

この後もこのポイントはオジロバラハタが連発しそろそろジギングも満足したのでキャスティングに戻ろうということでポイント移動でしたわ。

注1シガテラ毒とは?
有毒渦鞭毛藻と呼ばれる主に南洋海域に発生する植物プランクトンの一種が作り出すシガトキシンという毒素を生物濃縮(プランクトン→小型の生物→捕食者という感じで毒素が多く蓄積される)で体内にため込んだもの。
なのでその生物由来の毒ではないため有毒かどうかは個体差がありますわよ。

シガテラ毒をもつ魚類は何種類かいてその代表的なものがバラハタ。
それ以外にも有名なものだとバラフエダイやオニカマスが有毒化しやすいといわれていますけど、意外なところではイシガキダイやヒラマサやカンパチも有毒化しやすいとか。
ちなみに先ほど気になる点が…としたアオノメハタも大型個体は有毒化が懸念されますわ。
生物濃縮で蓄積する毒なのでこれらの魚以外でも、発生海域の大型魚は有毒化しやすい傾向がありますわ。
バラハタに関しては2kg以上の個体は有毒化している可能性が高いので食用にしないように沖縄県から注意が出ていますわ。

ちなみに以前築地で販売され大問題になった際、沖縄の漁師さんのFacebookや一部のサイトでヤクザ(体の一部もしくは全体が黒や緑に変色する)は毒を持ってるからそれ以外は大丈夫という報道がありましたわ。
これは本当かガイドさんに聞いてみたところ、科学的根拠のない全くの迷信と言ってましたわ。
他にも色んな判別法があるけどどれも根拠なしとのこと。
いかにこれまで繰り返し使われてきた判別法と言えど、シガテラ毒の前では絶対の判別法ではない。
沖縄県発行のパンフにもそう書かれている。

ちなみにここに書いてあることは現地で見聞きした情報や県から発信された情報を元にしたものです。
これを見て大丈夫だと思って食べたけど中毒したから責任取れ!とかそういうのは一切責任取りませんのであしからず…

4.修行

移動した先は細長い湾でリーフが長く続くポイント。
流す前に一旦お昼休憩をはさんでからキャスティング開始。
ちょうど潮止りの時間でちょっと反応は悪め。
それでもリーフエッジを越えた所で下からの反転バイト。
いい引きを見せて上がってきたのはオニヒラアジ。

オニヒラアジ
ロウニンアジに似てるのでガーラで一括りにされてる
アジなので刺身にしたり唐揚げにしたり

その後も流していくけど反応はこれっきり。
もう移動かなと考えていたところに待望のヒット。
だけど何かゴミが引っ掛かったみたいに全然引かない。
上がってきたのはニジハタ。
写真を撮っているとガイドさんは移動宣言。
なんでもニジハタが釣れるときはその場所の潮が良くないからだめらしい。
本州で言うタカノハダイ(これが釣れるときは水温が低くてだめとよく言われる)みたいなものなのかしら?

ニジハタ
ニジはニジでも虹ではなく尾びれの模様がニに見えるから「二字」

5.ボトムフィッシング

移動して時間も良いころ合いだったので港に近い湾内で餌でサメ釣りへ。
釣れた魚を切り身にして落としておく。
その間に他の魚も釣れるということで即席で同突き仕掛けを作る。
この仕掛けで釣りをしない人にも人気なボトムフィッシングスタート。
水深は60mくらいでジギングとはちょっと釣れる魚が変わるらしいので気合いを入れて挑む。

落としてすぐにアタリはあるもののサイズが小さいのかカワハギみたいなエサ取りなのか中々針に乗らない。
何度か四苦八苦しているとやっとヒット。
いい引きだけど重量感なく上がってきたのはタカサゴヒメジ。
ガイドさん曰く釣り餌にすると最高らしいけどガイドさんの好物でもあるので餌にはせず進呈。

タカサゴヒメジ
いわゆるオジサン一族

その後も飽きない程度に色々ヒットしてきて釣り初心者にも人気というのも納得。
ただ掛からないアタリも多数あったので次行ったときはもっとちゃんとしたタックルで挑みたいですわね。

ボトムで釣れた新顔たち

ハナハタ
ちょっとレアなミーバイ
美味しいのでなんでもいける
アザハタ
深いところによくいるミーバイ一族の高級魚
そんなに大きくならず最大70cmくらいらしい
これは40後半くらいのまぁまぁいいサイズでよく引きましたわ
マース煮が最強にうまい

6.リーフフィッシングを終えて

結局その後サメは釣れずいい時間になったので、港周りに戻ってちょっとキャスティングしたりたまたまいたウミガメを観察したりして終了。
前日とは一転色々な魚が釣れて癒された一日になりましたわ。
次回はジギングとボトムメインでやってみたいですわね…

釣りを終えてからそのままガイドさんのレストランへ向かい本日の釣果(バラハタ含む)を味わいましたけどどれも美味しかったですわ。
南の魚は脂が乗ってなくておいしくないなんて言う人もいますけど、料理の仕方が合ってないだけじゃねぇかしら…

ちなみにこの時バラハタとオジロバラハタはそれぞれ1尾丸々唐揚げ(骨と頭は二度揚げしてあった)にしてもらい同行者と食べましたけど、その後特にシガテラ毒の症状は出ませんでしたわ。
味の方も高級魚と言われるだけあるもので確かにこれは売ってたら食べますわね…というのを実感。
ただ食べてる間はちょっとドキドキしましたわ。

番外編.釣果後ていぼう日記

釣りが終わった後や島内散策に充てていた時間にもちょこちょこ釣りをしていたお嬢様。
密かに持ち込んだ簡易な浮き釣り仕掛けで堤防から釣りをするとこれぞ熱帯魚という魚がよく釣れましたわ。

コモチサヨリ
小型のサヨリで撒き餌を撒くとどこから寄ってくる
ロクセンスズメダイ
本州で言うオヤビッチャ枠
無数にいる
クロリボンスズメダイ
本家スズメダイより一回り小さい
エサをよくとる典型的エサ取り
The熱帯魚なトゲチョウチョウウオ
結構大きいうえに扁平なので引き味はかなり良い

他にも色々な魚は見えるけど、餌に群がる割には意外と手ごわい連中揃いで結構白熱しましたわ。
糸が太いと喰わないしサビキとか落とそうものなら仕掛けにビビって逃げるし今度はちゃんとした浮き釣り仕掛け持っていかねば…

堤防以外では島内各所の河口周りでもキャスティングでチャレンジ。
狙う目安は水深30cm以上あればどこでもとりあえずキャスト。

ハンドメイドポッパーでボコボコしてたら突然に
カヌーで釣った奴より普通に大きい

このゴマフエダイは何の変哲もない川の真ん中で出たので逆にびっくりしましたわ。
これ以外にもポッパーにコチがバイトしてきたりフグが追っかけてきたり楽しいですわよ。
こんな感じで西表島に限らず離島に行く時はおかっぱりだけでも結構楽しめることが多いので、皆さんも行く時はおかっぱりタックルも密かに持って行った方がいいかも…


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