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西表島 深海ジギング編

1.西表ブルー
2.Yellowfin
3.夢太刀
4.深淵
5.西表島深海ジギングを終えて

1.西表ブルー

マングローブを堪能したわたくし。
翌日は別の船に乗って一路西表島西方の深海海域を目指しましたわ。
当日の海上予報は晴れ後曇で所により雨。
風速8m波1.5m後2mの結構荒れ気味。
天気晴朗なれど波高しとはこの事で、マジでこの状況で出るんですの?と思っていたけど当日は特に出る出ないなんて話をする事もなく出船。
水路を通って外洋へ出ると予報の通り波が高い。
船がデカいのでそこまでバタバタ!という訳ではないけどこれは油断すると酔うような揺れ。
風も強くガッツリ飛沫が飛んでくるので後部スペースに退避せざるを得ない状況で若干不安になってしまったわたくしでしたわ…。

出港して15分もしないうちに最初のポイントに到着。
船の前部に出て周囲を見渡すとまさに紺碧としか言いようがないくらいの黒潮真っただ中。
関東東北沿岸でも黒潮の当たるところやかなり沖に出れば青くはなるけどここまで碧い潮は初体験。
晴れているおかげで透明度も半端なくて40mくらいは見えるらしい。
もうこれだけでも西表島に来た甲斐があったというものでしたわね。

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蒼穹と紺碧
写真では表現できないけどとにかく碧い

さっそく準備をしながら水深を聞くと280mくらいとのこと。
岸から大して離れていないのにこの水深、まるで東京湾か駿河湾見たいですわ。(直喩)
船長曰く250mから段々深くなっていくポイントで、ここから始めて300mくらいまで流してみるコース。

潮が動いて具合がかなりいいから今がまさに時合とアドバイスも受けて気合いを入れての第一投。
ジグは320gのノーマルグローとピンクグローのストライプになった変則フルグロー。
潮が動いてる=潮が早いとは理解していたけど想像以上に潮が早くすぐラインが横を向く。
操船の方は潮に船を立てるためにひっきりなしだがこれが普通のようなのでやはり黒潮海域は実際ヤバいですわ。


そうこうしている内に底が取れたのでスローピッチで上げてくるとボトムから10mくらいのところでヒット。
なんかすごく小さいけどすぐヒットしたので船長の言った通り活性は良さそう。
上げてくると手の平くらいのハナフエダイ。
ジグより小さいけどしっかり口にフックアップ。
あまりに小さいのでリリースしようとも試してみましたが浮袋が膨らんで戻れないので断念してキープ。(次行く時はリリースジグも持ってかなきゃいけませんわね。)
小さいながらも一投目から魚の顔が見れたので一安心でしたわ。

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沖縄ではフカヤービタローと呼んで食用魚

2.Yellowfin

船をポイントに入れなおしての第二投。
底を取りまたスローピッチで上げてくるとすぐヒット。
一投目の魚より明らかにいいサイズ、よく引き込んでなかなかいい感じですわ。


上げてきて残り150mを過ぎたあたりで突然ロッドがガクガクしだしそのまま一気に30mくらいドラグを出されてしまいましたわ。
船長も気付いたようで二人でサメに変わったねーなんて話しながらプレー再開。
サメ大好きのお嬢様は是が非でも取りたくなりファイトするも、魚が大きいのか水圧のせいか全く寄ってこず逆にドラグを出されてズルズルになりもう気が狂う。
仕方なく船から身を乗り出してストレートファイト気味で上げてくるが、リーダーが25lbで無理できず指ドラグを使い微調整しながらジワジワ上げる戦法に変更。
何度も走られながらも上げ続けるうちにだんだん魚も疲れてきたようで走って糸を出す量より巻き上げる方が上回ってきましたわ。


魚も寄ってきたので船長もタモをもって出てきて待機しながら海をのぞき込んでる。
30mを切ると円を描くよう泳ぐ白い影が見え始めるがなんかサメらしくない。
二人であれサメじゃなくね?と話していたらギラッと光を反射して走る魚。
ここでサメじゃないと確信して頭に疑問符が浮かびながらも慌てず上げ続ける。
いよいよ魚が見える距離になってここで正体がキハダだと判明。
しかもフックが口と胴体の2か所にフッキングして、いわゆるスレ掛のようになってガッツリ水圧を受ける形になっていましたわ。

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上がらない掛かり方

これは上がらない訳ですわねと納得しながらタモ入れして無事ランディング。
船上で計測してみると体長104cm、体重12kgのいわゆるキメジサイズ。
まさかマグロ処女がジギングだとはわたくし思いもしませんでしてよ。

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ファイトタイム約30分
お嬢様のマグロ処女は南海に散る

3.夢太刀

ファイトだけでなく血抜きや処理に時間を取られている内にすっかり潮の動きも収まり時合は終了。
これを機にだんだん深いところへ移動開始。
次のポイントは350mから落ち込んでいくポイント。
ジグも450gに変更して投入。
緩くなったとはいえまだまだ潮は早い。
ジャークよりフォールを重点的に織り交ぜながらじっくり探っていくも反応はあまりなく時間だけが過ぎていく。
流石にわたくしも焦りを感じてしまいましたわ。
どうしたら食うのか?様々なパターンのジャークやフォールを試しながら探り続けるとフォール時にヌルッとした変なアタリ。

反射的に合わせてみるとそれなりサイズの魚は掛った模様。
ただ何だかあんまり引かないし上に走ってるような変な感覚。
テンションが抜けないように注意しながら一定テンションで上げていく。
この時既に船長は大体見当がついていたようで本命かもしれないからじっくり上げてねーと声がかかる。
いったい何者がこの先にいるんですの…?
期待と疑問が入り混じった感情の中ついにどえらい長さの太刀魚?が浮上。

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紺碧の海に浮かぶ衝撃的なシルバーでしたわ。

「おめでとう!良いサイズのヒレナガユメタチだよ!」
船長がタモ入れしながら教えてくれる。
これがヒレナガユメタチ…!
いわゆるメガタチウオとしてメディアに取り上げられるオキナワオオタチは近年メジャーなものになっている。
比べてヒレナガユメタチはまだ深海マニアにしか知られていないし狙われていない魚。
確かに出船前に狙いたいと話してはいたけどまさか本当に釣れるとはお嬢様感激。
船に上げた時はしたないけど思わず叫んでしまいましたわ。

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体長206cm わたくしこの方と結婚します♡

4.深淵

ひとしきり写真を撮ったりしているといい時間だったのでここで昼休憩。
昼食を取りながら船長と今後の相談。
第一案は潮がかなり緩くなってきているので船長も前から気になっていたがやった事のない800mオーバーのポイントにチャレンジしてみるか。
第二案は200~300mの浅場に戻ってビタロー等の魚を手堅く狙うか。
時間的にはどちらか一案。
800mオーバー、しかも黒潮ガンガンの未知の海域。
わたくしはこの魅力には抗えませんでしたわ。

昼休憩を終えてさらに深い水深へ。
一流しごとに500m、600m…と水深を下げていき最後は800mオーバーに挑戦という流れでプレー再開。
まずは手慣らしに500mを攻める。
底を取ってジャークしてみるとかなりの重さ。
普段から500mを超えると水圧や潮の影響で一気に重くなってくるので覚悟はしていたがこの黒潮海域は普段の比ではない重さ。
感覚的には+100m先を攻めているような感覚。
これで500mの感覚なら800m以深に行ったらどうなってしまうのか…
考えるだけでわたくしもう堪りませんでしたわ…

その後600、700と刻んでいき遂に800mオーバーのポイントへ到着。
ジグも手持ちの中では一番重い1000gをつけて投入。
10分くらいかかってやっと着底すると糸ふけを取って開始するも尋常ではない重さ。
常に2kgくらいの魚をかけているようなテンションでドラグがゆっくり出てしまう。
少しドラグを強めてジャークをしてみると糸は出ないが更に重くなり底に引きずり込まれそうな錯覚を感じる。
もう堪りませんわ!
まさに深淵、今思い出しても恍惚としてしまいますわ。
もう一度ヤりたいですわ。


5.西表島深海ジギングを終えて

結局500m以深ではアタリすらなく(実はアタリがあったかもしれないけどさっぱりわからない)わたくしの腕の筋繊維と愛機オシアジガー3000のギアを破壊しただけで終了。
帰りに船長がお土産用にと200mの浅場で一流しさせてくれてレギュラーサイズのフカヤービタローを追加して終了。

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西表深海ラストフィッシュ

今回の西表島深海釣行を振り返って
まず第一に出船してくださった船長には大変感謝しておりますわ。
釣れなくてもいいからとにかく深いところやってみたいという変なお願いも快く受けていただき本当に嬉しかったですわ。

また釣れた魚も少ないながらそれぞれがわたくしには非常に新鮮で一生心に残る経験になりましたわ。
また機会があればぜひ西表の深海に挑戦したいと思っていますわ。

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番外編.ノットについて

今回マグロを釣った際のアシストフック

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掛かっていたフックは伸びてるけどノットは全く無事
むしろ良く締まって強くなってるんじゃないんですのこれ?って感じ

見ていただくと判るんですけどマグロが掛かってた2本のフックは変形しちゃってるんですのよね。
そしてそのフックはジギング魂さんの所のSLJ用フックの自作におすすめ!一番コンパクトで強度のある結び方は外掛け2回+◯だ!の記事を参考にして外掛け2回に枕掛けてるだけなんですのよね。
そもそも中深海用の強度しか求めてなかったけどここまで強いとは予想外でしたわ。

それとここの所メインラインとリーダーの接続はSCノットを使ってるんですけど(わたくしは焼きこぶだけは作ってます)これもビクともしなかったし記事通り強度がかなり出てるからおススメですわ。

ジギング魂さんはよく見るけどこんな感じで色々と参考になるのでマジ感謝。
これからも色々と勉強させていただきたいですわ。


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