見出し画像

ヒメマスショアジギングってなんですの? ※2022年10月十和田湖遠征結果等追記

1.ヒメマスショアジギングって?          
2.タックルについて
3.ジグとセッティングについて
4.シーズンとポイント選定
5.狙い方

1.ヒメマスショアジギングって?

ここ4~5年、近所のとある湖でヒメマスショアジギングにハマってるわたくし。
数年間やってみて色々見えてきたし、そもそもネット上にヒメマスのショアジギングの情報が無さすぎるので後々の参考になることを願ってここに書いこうと思いますわ。
この釣りはヒメマスが生息する湖ならどこでも通用すると思いますので、他のフィールドでもヒメマスショアジギをやってみたい人達への助けになれば幸いですわ。

まず大本であるレイクショアジギングについて大まかに。
昨今、湖でボートを使いトラウト狙いのジギングをするレイクジギングが各地で流行っており結果も出ていますわ。
そこでショアからミノーやスプーンで狙いづらかった場所や時期でもジグを使えばいけるのでは?
ということでレイクショアジギングが考案されましたわ。
これもよく釣れるということが知られ始め、専用ロッドやジグが発売されちょっとした流行になっているのが現状。
ヒメマスのショアジギングもカテゴリー的にはその中に分類されますわ。
ただヒメマスに関しては故西山徹氏が1979年に発刊した「湖沼のルアー・フィッシング」のヒメマスについての記述の中で、小型ジグを使用し反則的に釣れるテクニックがあると触れていたように以前から一部では認知されていたようですわ。

ヒメマスのショアジギングについては基本はレイクショアジギングなのですけど、対象をヒメマスに絞るのでちょっと本筋からは違う感じになってきますので詳しく書いていきますわよ。

こういうのを狙う釣りですわよ


2.タックルについて

レイクショアジギングというとそれなりのサイズのトラウトを相手にフルキャストで狙うスタイル上、どうしても長く強めのトラウトタックルやライトショアジギングタックルを流用(前述のように最近は専用タックルがでてますけど)というパターンが主流。
ただしヒメマスに関してはこのタックルで釣れるけど快適に釣るのは難しいという印象。
そこでヒメマスを専門に狙うために必要なタックルを書いていきますわよ。

まずロッドについて。
どうしても深場狙いになる傾向があり、ロングキャストは必須なのでロッドは最低6フィート以上。
できれば7~8フィートの間がベストですわ。
ただし場所によっては崖際のドン深ポイントや木が邪魔でバックスペースが取れない!なんてこともあるので状況に応じて考えてくださいね。
ロッドの長さに次に重要なのは、対応ルアーウェイトと硬さ。
使用するルアーは10~15gがメインで状況応じて±5gくらい。
感度については繊細なアタリを取って掛けていく事が多い釣りなので、可能な限りいいものがいいですわね。
ただしここで問題になるのが竿の硬さ。
ヒメマスはヒット後ジャンプやロールするなど激しいファイトのわりに口元がすこぶる弱い。
これをバラさないように適度な柔軟性も必要になってくるので、感度を優先しすぎて柔軟性がないロッドは申し訳ないがNG。
こう書いていくと遠投用のアジングロッドや、弱めの本流トラウトロッドあたりから選んでいくのが無難かと思いますわ。
ちなみにお嬢様はヒメマス用に組んだハンドメイドロッドを2本作って状況で使い分けてます。
本当に自分に合ったものは作った方が良いってはっきりわかんだね。
なので皆さんもロッドビルディングをしましょう。

次にリールとラインについて。
リールは基本的には何でもいいんですけどラインキャパがPE1号が100m以上入るものでドラグ性能が良いもの。
ドラグセッティングについては使用ジグをジャークした時ギリギリドラグが出ないくらいで極力弱めに。
ちなみに遠投したりジギングしたり意外と負荷がかかるので、あまり華奢なリールじゃないものが良いですわね。

ラインについてはPE0.3号あたりが遠投性と感度の面でもかなり良いんですけど、いかんせんちょっとした傷で根掛した時やキャスト時に切れるので0.6号辺りが良いと思いますわ。
あとこれは個人の好みもあるんですけど、高比重系の沈むPEを使うとジグの沈みも早いし動きもよくなるのでわたくし的には〇ですわ。
ただし高比重系はフォールアタリが捕りにくくなるデメリットもあるのでよく検討を。
これを100m以上巻いてリーダーは4lbを前後で1mくらい。
ちなみに太いリーダーは明らかに食いが落ちるので要注意。
フロロかナイロンの使い分けについては堅めのロッドでやりたい時は衝撃を吸収できるようにナイロン。
やわらかめの時は逆にフロロ。
もしくはバラシ覚悟のでもかけまくりたい時は、カチカチの高感度ロッドにフロロも有りだとは思いますけどオススメはしませんわね…

3.ルアーとセッティングについて

ある意味これがダメだとさっぱり釣れない重要な部分。
まずルアーについて。
使用するルアーは先ほども書いたように10~15gがメインで、±5g程度の範囲内でフォローを持ってくと色々潰しが効きますわね。
ジグタイプについては状況によりアクションのおとなしいスリムタイプとよく動くフラットタイプで反応が分かれることがあるので両方持っていくべきですわね。
あとはスリム系でもフラット系でも重めのストンと落ちるものが有ると、渋った時リアクション食いを誘発させられるのであればいいですわ。
カラーについては基本的な傾向として赤やピンクなどの暖色系が基本ですわ。
他には暖色系の中でも遡上系では定番のいわゆるベタ塗(ホロやメッキが一切入ってないもの)もあった方が良いですわよ。
他にもブルーやナチュラル系、最終手段のベタ塗りのブラックなんかもほしいですわね。
ヒメマスは同じカラーを使い続けると飽きる傾向があるので、管釣りみたいにカラーローテが効果的。
なのでカラーは満遍なく揃えましょう。

フックについて。
ボトムコンタクトの多い釣りなので、申し訳ないがトリプルフックは絶対NG。
基本的はテール側にチラシ針の2本。
これで多少根掛は減るし何よりバラシも減りますわよ。
チラシ針は市販のものだとデコイのダンシングジャックSかSSが良いんですけど、ジグによってはエビ多発するのでバランスを見てからつけてくださいね。
自作する場合は完全に個人の好みなんですけど一寸したテクニックとして一つ。
チラシ針を作る際、ヤマメ針とかの細軸の針使うと根掛時に針が延びてジグが回収できる確率が上がりますわよ。
ただし細軸フックは口切れも起きやすくなるので一長一短。
ちなみにアシストフックについては個人的には使わないんで効果が判らないけど、たまに使ってる人がいますわね。
多分ヒメマスも胴体バイトする時あるから効果はあるとは思います、けど根掛かりも増えるので状況によっては…だと思いますわよ。

お嬢様の一軍ジグの例
幅広く持っていると引き出しが増えますわよ

4.シーズンとポイント選定

お嬢様のホームで婚姻色が出たヒメマスをショアジギングで狙う上でのベストシーズンは8月中旬~禁漁の9月末まで。
他の湖でも通用するように考えると、湖内の表層水温上がり、魚がボトムに溜まり始めるのがシーズンインの合図。
そこから産卵意識して岸際(と言ってもかなり沖ですけど)に寄る時期から、産卵間際で完全に接岸するまでですわね。
他の時期でも銀毛の個体を狙えるけど、春は泳層が5~10m前後でスプーン巻いた方が手っ取り早い。
初夏はまだ水温が上がり切らないので魚がまとまらず色んな層に散るので、ショアからは釣れない事は無いけど博打の釣りになるのでいまいち。
そこから考えると産卵絡みでボトムに溜まる時期メインになっちゃうんですのよね。

次にポイントの選定
秋のヒメマスは、基本は急深のブレイクにつきやすいわね。
水深にもよるけど産卵絡みのヒメマスは水温の安定した層のボトム付近を群れで回遊しながら、浅場に上がる準備をするのでその群れが射程圏に入ることが絶対条件。
そこから考えるとダラダラと深くなってポイントまで距離があるよりは、足元からストンと深くなるところの方が条件が良いですわよね。
そこである程度水深がわかる状態でポイントを選ぶとしたら一例

画像は猪苗代湖の湖底図(※猪苗代湖にはヒメマスはいません)
赤い線の場所が岬になっててかつ水深が急激に落ち込むところ。
こういうところがポイントになる傾向が多い。

赤いところは湖岸線が崖気味になっていて、かつ湖底も急激に落ち込むところ。
崖周りは一気に落ち込む傾向があるので水深がわからない時はまずは崖絡みを探してみるといいかもしれませんわね。

他には産卵遡上する河川が近くにあるとか、もしくは湖底に湧水があってそこに寄るとかいろんなパターンがありますけど基本は急なかけ上がりが狙い目。
あとまれにかけ上がり絡みでボトムから少し浮いてる時があるけど、基本は何もない中層に浮いて回遊したりってはあんまりないですわね。

5.狙い方

身も蓋もない事を言ってしまうと、フルキャストしてボトム取ってそこからジャークしたりボトムバンプしたりして上げてくる!
なんですけどそれだけだとあまりに漠然としてるのでちょっと詳しく。
まずジャークは短めでゆっくりが良いことが多いですわね。
ボトムからふわっふわっとしゃくりあげてきてボトム上1m前後を漂わせるイメージ。
ある程度上げてきて棚からずれてきたらフォールしてボトムまで。
ちなみにこの時のフォールしてボトムに付けず、ボトムギリギリでジャークに移れるようになると動きが止まらないのですごく釣れますわよ。
なおフォールはヒメマスの一番バイトが集中するところなので、感度を上げて変化があったらすぐ合わせてくださいまし。
あとはその日のヒメマスの活性に合わせてジャークを鋭くしたり逆にもっと抑えてやったりと色々変化をつけてその日の当たりパターンを探るといいですわ。

バイトがあったら合わせるんですけど、ここであまり強く合わせると口が壊れてバラシのもとになるのであまり激しい合わせはしないように。
ファイトはロッドをあまり立てずロッドの弾力が効く角度で、丁寧に巻いてくださいまし。
ヒメマスはフッキングすると水面に向かって上昇する傾向があって、水面まで来るとジャンプしまくってバレるのでなるべく水中にいる状態で寄せてきた方が良いですわね。
足元まで寄せたらかかり具合によって抜きあげかネットでキャッチ。
バラす確率はここが一番高いので不安な人はネットで掬う方が良いかもしれませんわね。
ただしポイントによっては魚を上げないで寄せると、ブレイクにスタックしたりするのでそこは臨機応変に。
また反応があるときは群れが回ってきている可能性が高いので休まずキャストし、魚をキャッチしてももたつかずすぐに次のキャストに移って効率よくかけていくのが意外と大事ですわね。

ざっと一通り書いてみましたけど来シーズンまで時間がまだあるので何かあればまた追加していこうと思いますわよ。

※2022/10追記

ホームの湖で2022秋シーズンをやってみた結果と考察。
それとヒメマスアングラー垂涎の地十和田湖に行った結果を書いていきますわ。

2022年ホーム結果と考察について

2022シーズンは数年前から繰り返した放流事業の失敗などによって、例年よりヒメマスの個体数が減少。
それに対応する形で禁漁区も設定され、鉄板ポイントもお休みになりほとんどのアングラーは8月末の本格シーズン前で終了。
結果的に9月まで粘ったアングラーもポイントを把握しきれない方が続出、前評判通り湖全体ではあまり数は出ないといった結果になりましたわ。
ただ個体数が少なく1匹の餌の量は増えたのか、例年は平均25cmくらいなのに明らかに例年より一回り大きい平均30cmくらいまでサイズアップ。

サイズアップして食性も変化したのか、例年のフォール主体よりはジャーク中バイトが出やすい傾向だったので小刻みなジャークでボトム上1mをキープすると良かったですわ。
また例年強いスリムシルエットのジグもどちらかというと不調。
シルエットの大きい幅広タイプのジグが強い傾向でしたわ。
またサイズもアップしたので例年の細軸フックでは口切れが多発してしまい、急遽以前使用していたアジ用の少し太いフックでチラシ針を増産して対応することに。
最大の変化は個体数減少の影響で1匹あたりのルアーのプレッシャーも増えたので、群れが回っているタイミングでもかなり速いペースでルアーをチェンジしていかないと反応が途切れることが多かったこと。

ブレイクへの接岸も9月前半までの高温でもかなり遅れた印象。
中旬の台風で水温が下がりそこから一気に岸寄りしたけど、それまではかなり沖にあるブレイク先のフラットエリアで反応が集中し、岸寄りしてからも例年のような岸際のブレイクにべったりという状況は少なかったですわ。
ただし禁漁区内にある遡上河川には9月後半時点ですでに遡上があったので、岸寄りについてはかなり個体差はあった模様ですわよ。

平均サイズが30cm前後にアップはしたけれど…

放流失敗の影響で来シーズンも厳しい状況が予想されますけど、状況に対応したパターンは必ずあるのでそれをしっかり掴める様にしていきたいですわね。

十和田湖遠征について

10/1、2と初めて十和田湖へ遠征してその結果と、現地で分かったことやホームとの違いを書いていきますわ。

まず解禁日ということで前日夜には自宅を出て午前0時半には湖畔へ到着。
あらかじめ駐車場なども考慮してポイントを何か所か想定してたけど、やはり解禁日。
有名ポイントはこの時間でも車で埋まっていましたわ。

有名ポイント以外でも、何か所か有望な場所を見立てていたのでそちらに行くと車はまばら。
そこにポイントを決め4時まで仮眠をし、4時半には準備完了して路上から下見しているとすでに何人かの方が湖畔で待機してましたわ。
皆さんシャローの接岸個体狙いがメインみたいで、幸いブレイク狙いのわたくしが入りたいポイントはガラガラだったのでそこに入って日の出まで待機。

入ったポイントは背後が岩盤とガレ場メインの急斜面に沢が流れ込む場所で湖底の湧水も期待できそうな場所。
すぐ近くには岬もあり魚の回遊経路になりそう。
足元は湖岸から10m四方くらい岩盤がせり出し、すぐ先は岩盤が一気に落ち込む理想的なブレイク。
ボトム狙いにはこれ以上ない場所で、場所取りをすることもなく入れたのは幸いでしたわ。

期待より明らかに不安の方が多かった朝

5時半くらいになり朝日も昇り、周りの方々が開始したのでわたくしも開始。
ホームでのセオリーでフルキャストしてると、たまに目の前でヒメマスの跳ねがあり近くまでは来ている模様。
跳ねの状況からシャローの方が良いかとも考えたけど、周りのシャロー狙いの方達は反応無いようなので我慢してボトム狙い。
開始して10分くらいに足元のブレイクで何回かアタリがあり、足元狙いに切り替えるとその後記念すべき十和田ファーストキャッチ。

20前半くらいのかわいいサイズのオスだけどやっぱりファーストキャッチはうれしい
ヤったわ

群れが回ってきたのかこの後連発。
遠投しても反応はないので15m以内にキャストを絞ってみると、どうも足元のブレイクとその少し沖に群れは溜まっていてフォールメインで効率よく魚をキャッチできましたわ。
使用するルアーは軽量で小型のものに反応が集中しましたわね。
カラーローテを交えながら何本か釣っていると明らかに強い引きで、真っ赤な大型のオスも何本か上がりこれぞ十和田湖という魚にも会えましたわ。

最大サイズの38cm
貴方に会いたかったんですのよ!(唐突な告白はお嬢様の特権)

前評判では十和田湖は厳しいとのことでしたので、まさかここまで釣れるとは完全に想定外。
リリースしたメスや小型のオスも含めて約15本前後キャッチ(あまりにも釣れたので匹数はあいまい)したので睡眠不足の疲れもあり休憩。
休憩中に隣の2人組の方(と言ってもかなり離れてましたが)が釣り方を教えてほしいというので、そのままルアーを貸してリーダーも細いものに交換してポイントに入ってもらいジギングを教えてあげると無事キャッチ。
その後も3人で並んでしばらくやってるとコツを掴んだようで何本かキャッチされてましたわ。
対照的に反対側にいた3人組の方がこちらに寄ってきて、何も言わずラインぎりぎりに投げてきてたけどレンジの違いを理解しておらず一切釣れないままボウズでお帰りになられましたわ。
一声かけてくれたらポイントも譲るし釣り方も教えるのに、やはりこういう道理に逸れたことする輩は何やってもダメ。

流石に反応も悪くなってきてポイント移動も考えていたら、10時前くらいにやっと漁協の方が入漁券を販売しに来たので聞いてみるとどこも苦戦中の模様。
また人も多いようなので検討していたポイント移動も断念し11時までやって一旦昼休憩。
午後まで休憩し13時過ぎに再開。
ポイントには誰もいなくなっておりのびのびキャストするも、流石に午前中叩きすぎたせいか反応は今一。
2時間やって2本しか釣れないので、ポイント移動。
午後ともなると他のポイントも人は疎らで入れそうな場所は跳ねや魚影を探しながらキャスト→反応なければ粘らず移動を繰り返し、湖岸線を一通りチェック。
何ヵ所か有望な場所も見つけ反応もあったけど、結局キャッチには至りませんでしたわ。
その日は夕暮れまで開拓をして終了。

2日目も早めに4時半に釣り場に着くも、前日とはうって変わって有名ポイントに車があるくらいで他はかなり空いていましたわ。
とりあえず前日と同じポイントに入ってみるも誰もおらず、完全に貸し切り状態

見える範囲に人は皆無

しかし前日の午後と同じく反応が今一。
9時に入漁券を売りに来るまでやって5匹、と前日とは全く違う結果でしたわ。

良いサイズのオスも出てくれたので一安心

その後はポイント移動。
前日午後に入ってみて良さそうだったポイントや、回りきれなかったポイントを見て回ったけど昼までやって釣果は無し。
ただ跳ねや魚影を確認できたポイントもあったので、次回の参考になりましたわ。

今回十和田湖に行って見て。
ホームでの経験が生かせたことや、逆に全く違うこともありました。
来年も機会があれば是非行ってみたい素晴らしいフィールドでしたわ。

また機会があれば追記していこうと思いますわ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?