見出し画像

涼しい国

北海道の北の方にきて3年目になる。

一昨年の夏はとても暑く、エアコンが要らないと言われて関東から引っ越してきたのに、6月にはもう暑くて死にそうになり、猫も床に落ちていて暑そうにしていたのに、エアコンをつけようと思ったらもう工事ができず9月以降になると言われてしまった。お盆を過ぎるともう25℃を切る土地では9月にエアコンをつけても意味がない。ので見送った。
去年もなかなかに暑く、一昨年の轍を踏まない、と思って5月終わりに家電店に行ったのだが、一昨年の悪夢から皆早めに動いたらしく、やはり取り付けはお盆明けになると言われた。ばてている猫のために、一縷の望みをかけて依頼したが、工事が少し早まって8月頭に取り付けることができた。

今年は昨年、一昨年に比べて暑くていられないという日は少なく、最高気温30℃を超えたのは10日くらいだったようだ。関東の友人たちは酷暑に苦しんでいるところ申し訳ないけれど、朝晩は高原のように涼しくて、カラリとして気持ちがいい。

広々した公園も、いつもほんとうに誰もいない。たまにランニングをしている人や子ども連れの人、犬の散歩の人が現れるだけで、誰もいないことのほうが多い。こんな空間を独り占めできることの贅沢を感じる。

人混み苦手民としては、呼吸がしやすくてほんとうに神経系が安らぐ。
とはいえ、公園の整備にしろや色々なインフラが、町によって整備されており、忍び寄る人口減少によってじわじわと生活基盤がおびやかされていくのかなと思うところもある。コロナ禍で失われたものもたくさんある。

でも地元の夏野菜はとてもとても美味しいし、冬は運転は大変だけど今のところ町が除雪もしっかりしてくれるし、パウダースノーのスキー場もある。とても良いところで、試される大地はなぜ試されないといけないのかと思ったりする。

胸に吸い込む空気は今日もひやっとしている。気温も30℃を超えなくなってきて、夜は涼しく、トンボたちはタンデムで飛行し、もう秋の気配がする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?