見出し画像

朗読の空間そして創作

コロナのおかげで出会ったものがある。それが朗読。

合唱をやっていたが、コロナで練習がなくなり、声を出すのをやめると歌えなくなってしまうのでは?という恐怖から、ネットで声楽などもやってみた。しかし、一人で歌う空間を作るのって結構大変で、夜遅いと一軒家とはいえ大声で歌うのは迷惑だし、カラオケ屋に行くにしてもコロナが大変な時はカラオケ屋自体がやってなかったりで難しかった。たまたま会社に練習室があるのでそれを利用できるという、声を出すにはいい環境にいる私だが、やはりオンラインだと音のずれ等で少し集中が途切れてしまうことがあった。

そこで出会ったのが朗読。とはいえ、最初は声楽のつもりで申し込んだら、朗読のレッスンだったという、間違えから生まれた出会いではあったが・・・

前知識なしに始めた朗読だったが、奥深くおもしろい。いまは3人目の先生に不定期にオンラインレッスンをやってもらっているが、いろんな気づきがある。また、3人の先生それぞれによくほめていただき、もしかして私の「声」が特異なのでは?と思わせるほどに、朗読に合うとおっしゃってくれる。私のイメージではいわゆるアナウンサーのような、高くて澄んだ声が理想だが、もちろんそれを目指すととてつもない高みを目指すことになる。しかし3人の先生とも、そうではなく今持っている自分の声を最大限に活かすようなアドバイスをくださるのだ。

先日、今のオンラインの先生が出演する「朗読会」なるものに初めて参加した。先生に対面で合うのも初めて。素敵なカフェの空間での朗読会。合わせて生の音楽(BGM)もあり、特別な空間が作られて、音を楽しんだ。本を読んでもらうなんて、子供のころ母や祖母にしてもらって以来の体験だ。大人になった男女が、お話を聞いて朗読者の声に耳を傾ける。なんとも不思議な体験だった。

約90分の間、薄暗い空間で心地いい音に身を任せていると、ついうとうとしてしまい、どこか遠くでお話を聞きながらふわふわと漂うような気持ちよさの中、一つの物語が浮かぶ。誰かの書いた文章を読むのもいいが、自分のつくった物語を読んでみるのも面白いかもしれない。。。

いつか自分が朗読する側になって、聞いてくれる人が数人いて、心地いい空間を作れたらいいな。そんな新しい夢が生まれた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?