大自然の理法に感嘆する〜『雪を作る話』
◆中谷宇吉郎著『雪を作る話』
出版社:平凡社
発売時期:2016年2月
科学者の手になる名随筆といえば、まずは誰もが寺田寅彦の名を想起すると思われますが、中谷宇吉郎は寺田の門下生にあたります。本文中にも何度か寺田の名が出てきます。サイエンスの道のみならず、文筆の方面でも弟子は師のあとを継いだといえるでしょうか。
中谷が物理学者としてどの程度の業績があるのか私は詳しいことを知りません。もともと電気火花の研究をしていましたが、北大理学部に着任直後には雪の研究に没入していたらし