新聞記者の弾けた文体を楽しむ〜『仕方ない帝国』
◆高橋純子著『仕方ない帝国』
出版社:河出書房新社
発売時期:2017年10月
著者の執筆当時の肩書は朝日新聞の政治部次長。肩書とのギャップを感じさせる今風のカジュアルな弾けた文体がひとつの持ち味といえるでしょうか。もっとも内容以前にそこが非難の的になったりもしているようですが。
本書に収められた文章の論題は政治問題にとどまりません。あえてキーワードを一つピックアップするなら「自由」ということになるでしょうか。自由をめぐって自由を求めて、思考し行動する著者のすがたが随所に