不条理な社会を作り直すための技術史の教訓〜『戦争と農業』
◆藤原辰史著『戦争と農業』
出版社:集英社インターナショナル
発売時期:2017年10月
食の現場、さらには食べ物を生み出す農業ががいかに不自然な状況になっているかを再検討し、食から見える世界の不公正なあり方を明らかにする。これが本書の趣旨です。著者の藤原辰史は農業技術史、食の思想史、環境史、ドイツ現代史を専門とする研究者。
とりわけ前半の技術史に即した記述にはなるほど教えられることが多々ありました。なかでも技術史の観点からみれば、農業と戦争は相互補完的な歩みを進めてきた