無神論の立場から個の自律を説く〜『初期仏教』
◆馬場紀寿著『初期仏教 ブッダの思想をたどる』
出版社:岩波書店
発売時期:2018年8月
仏教がインドに誕生したのは、紀元前5世紀頃のこと。
その後、400〜500年の間に南アジア各地に伝播して、この地域を代表する宗教に成長していきました。発祥の地であるガンジス川流域から大きく飛躍した仏教には紀元前後に重大な変容が起こりました。それは南アジアと西方との関係が影響しています。本書ではこの変容以前の仏教を「初期仏教」と定義します。
初期仏教は、近代西欧で作られた「宗教」概念