永続敗戦のその先へ〜『国体論 菊と星条旗』
◆白井聡著『国体論 菊と星条旗』
出版社:集英社
発売時期:2018年4月
明治維新から現代に至るまでの日本近代史を「国体の歴史」としてとらえる。本書のコンセプトは明快です。「国体」とは、辞書をみると最初に出てくる語義として「国家の状態」(スーパー大辞林)とあります。もっともそれだけではいささか曖昧かもしれません。
もう少し具体的な内容を表現すると、戦前の国体は、万世一系の天皇を頂点に戴いた「君臣相睦み合う家族国家」として規定することができる。戦後のそれは、端的に対米従属