東京落語の精髄を語る〜『名人』
◆小林信彦著『名人 志ん生、そして志ん朝』
出版社:朝日新聞出版
発売時期:2018年10月
古今亭志ん生、そして志ん朝。昭和を代表する噺家の「名人」親子です。本書は二人を愛する作家の小林信彦のエッセイを集めたもの。後半に夏目漱石の『吾輩は猫である』を落語的観点から読解する文章を収めているのも一興です。
小林自身は東京の下町に生まれ育ち、東京弁を話す家族に囲まれて過ごしたらしい。幼少時のそのような体験は落語愛の形成には決定的なものであったと思われます。志ん生に思いを馳せ、