「ふつうの成績」の子の中学受験③塾通いスタート前の説明会でドン引きした話
授業が始まる前にドン引きした「説明会」
入塾を決めると、授業がスタートする前に本格的な説明会がオンラインで行われた。ところが、入塾を検討している時の説明会の印象と、来週から授業始まります、という時点での説明会の印象に差がありすぎて自分の甘さを痛感した。
授業は週2日は、納得
4年生のうちは、授業は週に二日。休憩を挟んで2時間半程度。大体、1時間半が国語か算数に、残りの1時間弱が理科か社会に割り当てられる。家には20時前には帰ってくるので少し遅くなるけれど家族で夕ご飯を食べることは可能。
そこまでは入塾前の説明会で把握していた。(夫はそれでもそんなに?と驚いていたけど)
当時はコロナ禍の真っ最中で、マスクや手指の消毒、入退室時のルールなどの説明の後、「宿題」の説明があった。
宿題の量
使うテキストは、中学受験四大塾の一つ、「四谷大塚」のテキスト予習シリーズ。これは私が受験した頃から中学受験のメジャーテキストで、このテキストを使っている塾はとても多い。
他に、その塾独自の薄い計算ドリルやテキストも使う。
「算数」
計算ドリル一日1ページ分✖️7日分
練習問題が3ページから5ページ分くらい。
計算ドリルは1日10分くらい。そのほかの練習問題は1〜2時間くらいかかる。
「国語」
漢字ドリル
言葉調べ(辞書でわからない単語を10個調べてノートに記入する)
全部で1時間〜2時間分くらい
「理科」
練習ドリルとテキストの練習問題 1時間半分ほど
「社会」
テキストの練習問題 漢字練習(社会は国語で習わない地名や法律などが漢字指定で出題されるため)
正味1時間半分くらい
全ての宿題は、自分で採点して、間違えたところは正解できるまで解くこと。
30分ほどの時間をかけてテキストを見せながら先生が説明をする間に、私の中に不安がどんどん膨らんでいった。
いくらなんでもこの量は多すぎる。算数と国語の宿題はある程度予想していたが、理科と社会の宿題の量が多すぎる。
これをきちんとこなす息子が想像できないし、やらない息子にこの量の宿題をしろ、と言う自分も想像できない。
私自身、中学受験はしたけれど2教科だったし、こんなに勉強した記憶がない。自分ができないことを子供に「しろ」なんて言えない。
理科と社会の暗記量は「司法試験並み」
オンラインとはいえ、先生の方も親たちの空気を察したのか毎年のことなのか、説明を終えると先生は言った。
「中学受験の理科と社会の暗記量は司法試験並みと言われています。すごく大変です。これからお子さんたちが塾にお通いになって、「勉強してない」と思われることがあるかもしれませんが、そんなことはありません。これだけの量を覚えるんですから」
司法試験並み、と言われても六法全書を触ったこともない私にはその量が「とてつもない」ことはわかっても具体的にどれほどの量か見当もつかない。
「だから、4年生のうちは楽しく覚えられるようにしています」
と独自のパズルやテキスト、クイズ形式になっているドリルを見て少し安心した。そうそう、子供ってノリで意味もなく覚えたりするもんね。
先生の説明は続く。
「この量を、最初からできる子は多くありません。できない子が大半です。1年間通して、計画的にできるように指導していきます」
ふうん、そうなんだ……。よっぽど何か、いい方法があるんだろうな。
さすがプロ。
素直といえば素直。おめでたいと言えばおめでたい。
しかし、その時の私は自分の不安を押し殺して、「一年経てばなんとかなる」と自分に言い聞かせるしかなかった。
受験をするって決めたんだから、やるしかない。
受験をした子達はみんな通ってきた道なんだから、きっとKにもできるはず。
ドン引きしながら、自信たっぷりの口調に流されてしまう弱さ
聞いている間に、内心引きながらも、「こんな自信ありそうなんだからお任せすればうちの息子もできるようになるかも」という期待も膨らんだことを白状する。
「うわーやっぱりすごい世界」と思いながら「できるかも」と思う。
この相反する思いを私はこのあとずっと、抱えていくことになる。
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