3年越しで行けたシンシア。
1.2021年9月25日 念願のシンシアのランチへ
料理を写真付きで紹介します。おしゃれおいしいランチは、久しぶりすぎて舞い上がりました。
前菜は驚き!の16種類。丁寧に手をかけた料理の数々で、どんどん運ばれる料理にテンションが徐々に上がってくる。そこには、遊び心と“真摯さ”が感じら料理ばかり。食べてただただ驚き。書き連ねます。
どれから食べよ?!
2.驚きと遊び心のある料理を支える卓越したフレンチの技
・神戸芦屋のメツゲライクスダさんのシャルキュトリー
・フォアグラの最中・なかやま牛のローストビーフと茄子
・オオハモハタのカルパッチョ
・長谷川さんの神経〆丸鯵の炙り 高さんのモロヘイヤソース
・ホロホロ鶏のガランティーヌ・つぶ貝のクロケット
・茸のムーステリーヌ・フルーツトマトのサラダ
・メカジキのベニエ・キッシュロレーヌ・ウフヴルイエ
・栗とアールグレーのスープ・煽り烏賊と白海老のバターライス
・お野菜を蟹みそのソースで(水茄子、安納芋、コリンキー、紅くるり大根 など16種)
栗とアールグレーのスープはカプチーノ風、底にはキャラメリゼした栗が忍んでいるのだ。カリッとした食感とクリーミーさが口の中で一緒になる。目が見開き、これはほんの始まりで、旬の饗宴の予告だ。
続いて、魚介の身がどれもふっくらしていることが印象的。カルパッチョ、鯵、メカジキ、白海老どれもだ。
そしてそして、前菜の王様・シャルキュトリーのおいしいこと! 芦屋の専門店のものだが、かなりこだわりでつくっているのだとわかる。一口サイズがうれしい。朝ご飯を食べてきたことを後悔する。もっと食べたかった。
肉の前菜に行こう。ガランティーヌは、その舌触りの良さとコク、何とも言えない上品な味わい。ローストビーフはもう牛がニコニコして育ったのではないかと想像できる味なんだ。素揚げした茄子が底に忍んでいて、これが何とも憎い。つまり相性がいい。
揚げ物はクロケットにベニエで、これまた魅惑的だ。フアとして、サクっ!中はジューシー。基本中の基本だ。衣にスパイスが纏って、一気に旅感を味わえる。
卵料理のフレンチの定番はもちろんキッシュロレーヌだが、なんと茶わん蒸し?うそでしょ、このトロトロ感。どうやって切ったの? 口に入れたら溶けるんです。だから指でそっと薄いパイが破れないように持ち上げて口に運ぶ。そういうことも楽しい。
炭水化物は、バターライスと、ブリオッシュ。硬めに炊いたバターピラフに上に、つまりは天バラがのっているが、ここでこれが出てくることが「ハッ!」とする。いいんだ、ここは日本だから。シェフは天丼をフレンチに昇華させている。「これぞ日本のフレンチ」と言いたげな小さな丼だ。ブリオッシュはサイコロ型で、「しんしあ」と「sincer」の焼き印が。質の良い発酵バターを使っているんだとわかる味。なぜなら一気に食べても持たれない。
多種類の生野菜は、色鮮やかで紅葉の森に見立てたようなディスプレイで供される。蟹みそソースをつけていただくのだが、道産子の私にとっては懐かしい味で、ここで出会えて足元がフルフルとなった。
ここからがメインディッシュ。イベリコ豚と栗とかぼちゃ
豚は炭火焼き、かぼちゃのムースソースの上には、蒸し栗。ホクっとする。
豚の脂身って、おいしいな、久しぶりだな。贅沢だな。
デザートは温かいバニラのスフレと、冷たいリンゴとキャラメルのアイス。
もう、これは好きなふたつです。熱い冷たい熱い冷たいを行き来して食べることが好きです。キャラメル味が好きです。リンゴの酸味が好きです。りんごはキャラメル味がテッパンです。フランス料理はフランス人のものだけでなく、どこの国の誰をも幸せにするんだということを痛感。
3.まとめ
そして、シンシアの料理は、日本における日本人のためにフランス料理を提供し、生真面目なんだけど、遊び心も呼び覚ましてくれるそんな料理だ。
森の中で迷子になっても楽しかったころもふと、思い出したのです。
そして、本当においしいものはもう少し少人数で、本当に気を許せる人ともっとじっくり料理を味わって食べたいと思ったのでした。
石井シェフは若く頼もしく、自分の言葉を持っていた。目が澄んでいて鋭い光を放っていた。そして豊かな感性と、忍耐と情熱と夢を持っている。日本におけるフレンチの巨匠たちをリスペクトをし、次世代の日本の料理界を牽引していくであろうハートを持っていた。”真摯な”生産者をしっかり知ること、そこへの視線が未来に希望を灯し始めた。
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