見出し画像

建設コンサルタントのやりがいの色々

建設コンサルタントという仕事がある。私もやっている。道路やトンネル、堤防やダムなど、平たくいえばインフラを作る仕事だ。作るといっても、モノを作るわけではなくて、いわば「ものを作ることを決める」とか「モノを作っていいか決める」とか「モノの形を決める」とかそういう感じで。モノを作るまでのもろもろの雑用をするのが建設コンサルタントって仕事なんだろうな、と思う。私はね。

建設コンサルタントという仕事のやりがいは多くの建コン技術者にとって、世のため人のためになる事業を実現に導くことだと思う。建コンの仕事にも、施工に近い仕事があって、そういう仕事では建コン技術者の判断が無いと、施工を進められない、なんてこともある。建コン技術者の仕事は判断することだとも言える。技術者の判断で日本が作られていく。

技術的判断の種類は本当に様々である。私が最近やった仕事で、ダムの現場によく行っていた。行く度にダムがどんどんできていく。そういう仕事は初めてだったので、そういう意味では新鮮だった。ダムが乗っかる岩盤の状態を判断するのが私の仕事で、私がやらなかったら代わりの誰かがやるんだろうけど、それでも私が仕事をしたことで、ダムの施工が進んでいく。今でも不思議な感覚だ。

私の仕事によって、ダムの下流に住む人々の生活がより良くなっていくのは理解できるけど、いまいち実感が湧かない。初めてやることばかりで余裕がなかったこともあるかもしれないが、なんか「ふーん」っていう感じだった。「お前の仕事でダムが出来ていくんだ、やりがいみたいなのは感じないのか」と上司に言われたけど実感は湧かなかった。疲れてたのもあるんだろうなあ、今思えば。

ダムが出来ていく、ということよりも、ダムが出来ていくその過程の中での工夫によって、関係者が今より少し働きやすくなるとか、意思決定がスムーズになったりとか、そういうことの方にやりがいを感じる人がいてもいいんじゃないかな。「ダムの仕事に関わって、ダムが出来ていくことのやりがいを感じてほしい」という気持ちがわからないとまでは言わないとしても「それってあなたの感想ですよね」とひろゆきになったりして、私には私のやりがいがあるんだと思う。

自分のやりがいを押し付けたりしないで、お互いの気持ちややりがいを大事に出来たら、その方が今よりほんのちょっぴりステキな世界になると思うんだよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?