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大寒波の結婚記念日

昨年の夏から腰椎ヘルニアの治療をしている。ある日の朝、起きたらロボットみたいに体がカチコチだった。どうにも動かないし無理矢理に歩くと関節がとにかく痛い。病院に駆け込んだら「ヘルニア」と診断された。腰の痛みよりも体が動かないことの方が辛いけど?と思いつつ。リハビリ通ってもう半年である。

以前、交通事故で怪我をした時にも思ったのだけど。こういうリハビリ施設は、ご年配の美容サロンみたいだなあと思う。最新施設の病院は、日当たりがよく、真っ白。明るくて清潔感がある。若いリハビリ師がテキパキ無駄な動きが無い。
なので私みたいな、40代の患者はあまり見かけない。腰の曲がったおじいちゃん、おばあちゃんが「痛い」と訴えるのとこの中では若い私が訴えるのとではまるで先生たちの受け止め方が違う。「これぐらいで何言ってんの?」ってなる。本人的には結構、辛い症状の日もあるのに!」とふつふつ腹が立つ。
ここでは同情を買えるのはご年配の特権なんやね。と早々に私はこの病院内では無駄なコミニケーションを取るのは諦め。疲労で調子が悪くなった時や、心が折れそうな時は、ご近所の整骨院の先生にマッサージを頼むことにした。江戸川沿いにある小さな整骨院はいかにも下町って感じ。
「もう私も40ですからこんなに固ったのかな?」と先生に聞いて見たら、
「何言ってんですか。ヘルニアって若い証拠ですよ。動かしすぎたからなっちゃったんだね。大変でしたね。疲れが溜まってたんですよ。」と優しく慰めてくれた。
優しく精神的なケアもしてくれるのだけど。先生は腕も良い。マッサージしてもらうとすごく体が動かしやすくなる。

結婚記念日にまさかリハビリ通い。なんて。入籍当時の自分が今、見たらなんて思うのだろう。
1月25日。どうやら縁起が良かったらしい。入籍日は夫が決めた。(挙式後に入籍の手続きをするもんなんだとは知らなんだ)
私は結婚制度に反対。って言えば重々しく社会性を帯びてくるが。「どうせこの人とは死ぬまでお供するんだろう」とまるで桃太郎のキジのように思っていた。私の中では夫との生活が「当たり前」だったので。結婚してもしなくてもどっちでもええやん。と思っていた。夫婦になって10年近くが経ち、こら大変だって思う事態は山ほどあった。嫁にしかできないことは沢山ある。なるほどなあ。。
ようやく結婚制度の存在意義を理解した。

整骨院の受付は先生のお母さんが手伝いで座っていらした。
「寒いわね~お宅はお子さんいらっしゃるの?」
と話しかけられた。「居ないんです。」と答えると。

「あらそう、、まあ人生色々よね。本当色々あるわよ。うちね。お父さんがアレしちゃったから。もうね、0歳の赤ちゃんまた面倒見てるんだって思うようにしてるのよ。で。今夜はお夕飯を作らなくていいのよ。成城石井で高級な惣菜買ってきたわよ。」

アレしちゃったわ。
と悲観することなく笑ってるけど。きっと大変だろうなあ。なるべくパートナーには迷惑をかけないでいよう。なんて思うのは無謀なんだろな。歳を取る事で相手に迷惑だと思うのは逆に失礼なのかもしれないなぁ。

ヘルニアになり自由が効かないし歩けない日もあった。キッチンに立つのもやっとだった。夕飯もとにかく時短メニューだ。夫が色々と仕事帰りに弁当を買ってきてくれる。すっかりそれに甘えて、動かしてないのに食べていたのでぶくぶくと8キロも太った。見事に去年まで着ていた洋服は入らない。

なんだかツイテナイなあ。なんて悲観してた。けれどもヘルニアの治療してなかったら整骨院の先生のお母さんとお話しすることもなかったのだ。 ちょっと気が楽になった。
リハビリから帰ってきてから夫と焼肉の食べ放題に行った。

↑肉寿司キャビアのせ〜(キャビアの味しない)

夫はどんどん肉を注文し夢中で焼いて食べている。
私は魚が大好きで前世は多分、猫だろうと思っている(いやウミネコの方かもしれん)結婚するまで魚しか食べてこなかった。
私はビュッフェコーナーのソフトクリームマシンで巻き巻きして遊んでいた。
大寒波の日にソフトクリーム。寒いってもんじゃなっかた。

結婚記念日おめでとう。寒くて機嫌が悪くてごめんね。

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