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モモちゃんのお誕生日(保護犬のこと)

我が家の愛犬モモちゃんは保護犬でした。保健所ではなくて、元飼い主さんが買ったペットショップに引き取ってもらったらしく、多少の良心は感じます。

そして、いろいろな経緯があってモモちゃんは我が家の預かり犬になり、形見として、家族になりました。

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うちにきたときには、1998年生まれということしかわかりませんでした。でもなんとなくお誕生日は祝いたいという気持ちから、モモって名前だし(名前もモモというのはわかっていました)、3月3日にしよう、となり、モモちゃんは3月3日に盛大にお祝いをされることになりました。

なので今日は、モモちゃんが生きていたころと同じように、ひなちらしを買って、ひなケーキを買って、まぁそれはすべてわたしのお腹に入るのですが、歌を歌ってお祝いをしました。

生きていれば24歳!大学も卒業しちゃって新卒2年目とかでしょうか。

モモちゃんは6歳のときに我が家にやってきて、10歳のお誕生日まであと少しという2月14日に天使になりました。まぁ生きてるときから天使のようにかわいかったですが。親ばか丸出しで申し訳ありません。

一緒にいられた時間はほんの少しですが、わたしは一生分の愛をモモちゃんに注いだと思いましたが、わたしが愛を忘れないように、バレンタインという忘れられない日に天国に向かって飛び立っていったようにも思います。

保護犬でしたが、ペットショップでもよくしてもらっていたのか、しつけのきちんとされたおりこうさんな犬でした。お散歩では左側を歩く、鳴かない、人間を踏まない、お手は最初からできました。

伏せは、わたしと一緒に練習してすぐにできるようになりました。

なので保護犬と感じることはあまりなかったのですが、一度だけ、どうしてもオランダに行きたくて、モモちゃんをかかりつけ医である獣医さん&ペットホテルに預けてオランダに行くことになりました。

機内1泊+現地4泊的な、普段は3ヶ月いるのに、とても短い旅行でした。モモちゃんは普段から獣医さんでアイドル並みにかわいがってもらえていたし、お散歩もしてもらったり、広めのケージを用意してもらってボール遊びもしてもらったりと最初は楽しく過ごしていたという話でした。

お迎えは帰りの飛行機の都合で、もう獣医さんは終わっているので、帰国翌日の朝に行く予定でした。

それが夜に帰国して、携帯に電源を入れたら獣医さんから着信が何度かあって、成田から電話をしたら、3日位は楽しそうにしていたモモちゃんが、だんだん元気がなくなって、今朝からはごはんも食べなくなったと。22時位までは病院にいるので、もしよければ迎えにきてあげてください、と。

わかりました!すぐ行きます!と、家についてすぐにモモちゃんを迎えに行きました。待合室で待っていたら、トボトボと世界の終わりのような顔をして歩いてくるモモちゃん。

「モモ!モモ!ごめんね、さびしかったね」と声をかけると、ハッとした様子で顔をあげて、ピーピー鳴き始めました。ワンワンでもキューキューでもなく、ピーピーです。

また捨てられたと思っちゃったのかな、また大好きな家族がいなくなっちゃったのかな、と思わせてしまったと、本当に後悔しました。大好きな人達と会えなくなってしまった心の傷はとても深いものなんだと思いました。

待合室で再会してからべっとりとくっつくモモちゃん。タクシーに乗って家に帰って、ごはんにしようね、と台所でごはんを作ろうと今と台所のドアを閉めようとするとピーピー鳴きながらドアを閉めるのをいやがる。

3cmくらいあけてあおて、顔と姿が見えるようにして、大好物のお肉ごはんを作る。その間、モモちゃんガン見。

ごはんを「え?食欲なかったんじゃなかったの?」と思うくらいの勢いで食べながらも、途中でハッと思い出したようにこちらに顔をむけていることを確認するモモちゃん。

ごめんね、モモちゃん、もうひとりぼっちにしないからね、と心に決めたのでした。それでもオランダには行きたいので、翌年3ヶ月オランダに行くときにはモモちゃんも一緒に連れていきました。

残念なことにペットはペット室なので、13時間は離れ離れ。獣医さんに精神安定剤をもらって眠れるように。

スキポールに着いて、さてモモちゃんはどこにいるのかね?と探していたら、柱の脇にひっそり置かれていて、ピーピー泣いている。おおおお!と思い、ケージごとカートに乗せてオランダの検疫はどこだ?と思っていたら、空港職員の人がきて、なんてかわいそうな!ケージから出してあげなさい。検疫?ないない。ないからもう出ても大丈夫だよ、と。

晴れてオランダの地を踏んだモモちゃんは、それから3ヶ月の間、それはもう幸せに、日本と違って犬と一緒に入ることができるお店もたくさんあるから、とても楽しそうでした。

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それ以上に、わたしも楽しく幸せな時間でした。

この幸せな時間があったから、モモちゃんが天に召されたとき、後悔はないと言えたのだと思います。前年の悲しい想いを、この3ヶ月間でわたしも、モモちゃんも上書きできたと思っています。

いつか犬を飼うなら柴犬。そして保護犬にしようと思いますが、それでもモモちゃんがいなくなったときの悲しみが残っているし、年々動けなる体で、お散歩はどうしよう、そもそも今の家はペット禁止だったと思い出しました。

保護された犬は、すぐに心を開いてくれないとも聞きます。

犬や猫やうさぎさん、他の動物もそうですが、どうか不幸な子が増えないように、今のわたしは祈ることしかできないですそして、優しい家族がたくさんいて、幸せになることができる子が増えますように。

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