嘘の花
最近、造花を買いました。自分の部屋に花を迎え入れたのはこれが生まれて初めてです。
買ったのは百均の安物です。それをやはり百均で手に入れた小さな花瓶に差して飾っています。
まず1月の初め頃、紫がかった蒼い花と、ピンクに白の混じった花を買いました。付属のタグに、ローズスプレーと、ミルキーマムスプレーという私の知らない花の名が書かれていました。それから程なくして、ドドメ色の花と山吹色の花を買い足しました。これにはタグがついておらず、名前はわかりませんでした。
百均の造花なのですが、なかなかに華やかで綺麗です。
いまはベッドの脇の小さなサイドテーブルの上に花瓶を置いて飾っています。横になったときにはちょうど視線の先となる位置です。この位置は、カーテンの隙間から漏れる光の当たるところでもあり、目が覚めると花がすぐ視界に入ります。
キッチンから部屋に戻るときには花たちがこちらを見上げるようにして出迎えてくれます。机に向かっているとき、コーヒーを飲みつつなんとなしに振り返ってみると、花たちはやはり同じ調子で咲いています。
私は気が付くと、花たちに話しかけたり微笑みかけたりするようになりました。酔っぱらったときには、花瓶を持って一緒に踊ったこともあります。なんだか頭おかしい感じがするかもしれませんが、ぬいぐるみに話しかけたりする心理と同じようなものかと思います。(私はぬいぐるみを持っていないので想像ですが。)
百均の造花はおすすめです。