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今を生きるヒトたちの圧倒的無力感

Manila Zoo(ワーク・イン・パンデミック) [21.02.10]

📍KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ

この世界の状況下で、ここまで観客に迫ってくる作品を、しかも複数の地域のアーティストのコラボレーション、かつオンライン上で立ち上げられるアーティスト、パフォーマー、スタッフに敬意を抱いた。What ifシナリオを投げかけられた時、「政府が暴走したらどうしようもなく、ただ裸で叫び喚くしかない」という、パンデミック下を生きる人間たちの無力感が、檻に入れられた動物たちのそれと重なった。圧倒的無力感を感じた時、それでも「ハッピー」に生きるために、暴れ、喚き、快楽を得ることに没頭しようとするのかもしれない。自分や身の回りの人の姿とも重なるところがある。資本主義社会の「夢」の象徴だったディズニーも、人々に夢を与えられなくなったのには、一つの時代の終わりを感じる。終盤流れるディズニーソングの歌詞は、今聴くと皮肉にしか聞こえない。「自由に歩き回れる人間の世界」はもうないもんな。

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