垣谷美雨氏の作品は二度と読みません

私は以前から垣谷美雨氏の作品をちょいちょい読んでたんですよ。

垣谷氏の作品は小説の皮を被った自己啓発本みたいなところがあって、男性社会と呼ばれるものにメスを入れつつ生き方の一パターンを提示する作風だったから、一人の人間として共感したり納得したりできるところが多かったのです。(垣谷氏の作品は女性にとって都合のいい事実や設定を並べてるだけなので共感しやすかったというのもありますが)

だから私は垣谷氏に対し、勝手ながら一発言者としての信頼を置いていたんですよね…。

定年オヤジ改造計画とかいう悪書を読むまでは。

一応小説作品(笑)なのでネタバレは伏せますが、ミサンドリーを拗らせた作品のように思えました。

女性をとても素晴らしいもののように描きつつ被害者としての側面のみを強調し、それに仇なす者には悪人認定。

やってることは2ちゃんねるのアンチスレやTwitterと一緒。金を払って読む価値もなければ、売って金に変える価値もない。「女の価値を他人が決めるな!」といった主旨の正論の中に悪意を隠してるぶん、それらよりタチが悪いかも。
(どこかの弁護士も似たような本だしてたな)

ビジネスなんだから極端なこと書いて売る必要があるのは分かりますが、書き手に分別がなくなってしまったら読み手はドン引きですよ。

「女はこうあるべき!」という主張に疑問を持ったり怒ったりするのは当然のことです。私だってそう言われるのは嫌ですから。でも、それに怒れるのならなんで「男はこうあるべき!こういう男はダメ男だ!」という思想を世に発信したんですかね?

夫源病を取り扱ったくせして、こういう女の理不尽な発言に苦しむ男がいるとなんで考えれないのでしょうか?

無神経なオヤジに苦しめられてる女がいるのは事実ですけど、それにしたって本作のように「定年オヤジはみんなこんな感じ!」「世の男は気をつけないと定年後捨てられるぞ!」なんて主語を大袈裟にして書くのは間違ってます。それこそ無神経ですよ。

男は変わらなきゃ老後に居場所はないとか何様ですか。収入が少ないくせに威張りちらかす「オヤジ」とやってること何が違うのでしょう?

もういっそのこと男が嫌いですって書けばいいのでは?いつまでも変わらない男性社会に怒っています!なんて言い訳はやめて。どんだけ理屈をこねくり回したところで、やってることは男尊女卑が大好きな一部の「オヤジ」と変わらないのですから。

差別問題を流行感覚で追いかける人間が溢れかえっている現代だからこそ通用した作品。前述の通り、売って金にする価値もないので然るべき手段で捨てました。







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