原子力災害対策指針は絵に描いた餅より酷いかも

 今回の能登半島地震で明らかになった一つに原発立地自治体の原子力防災指針である。
 その事は先だってからフリージャーナリストの「まさのあつこ」さんがnoteを通じて『「原子力災害対策指針」を見直すべき根拠を募集!』と題してZOOMで勉強会を呼びかけられて、昨夜の午後7時から午後8時過ぎまで、数名で行われ、メインとして、次の項目を設定されていた。

 この「まさの」さんのnoteに私は『「原子力災害対策指針」の基本は「人命」でしょうが、その根本が失われていると痛感します。』とし、北陸電力の過酷事故一歩手前の事象について書かせていただいた。それは、原子炉が稼働していなくても燃料プールには千本単位の核燃料も保管されており、それを冷却するためにもある、変圧器も壊れ油が大量に漏れた事など、複数にわたって揚げられる。1月18日の「週刊文春」においてはメルトダウンまで指摘しているのだ。

 さて、上記に最初にあげられた「モニターリングポスト」だが、正直に役に立つのか?と、問われたら、私はNOである。それは、10年前になるが、東日本大震災に伴い、福島県郡山市や浜通り地方の楢葉などに空間線量の計測に出かけ、現地に設置してあるモニターリングポストの値と比べ少し離れるだけで持参した線量計の計測値が大幅に跳ね上がったからだ。

 福島県内は概ね「富士電機」整だが、きちんと校正されているのか、あるいは、「故意に測定値を下げるように設定されている…」との情報も当時は指摘されている専門家もいた。能登半島の志賀原発で、どこのメーカーのモニターリングポストが利用されているは不明だが、地震に伴い欠測の故障があった事は事実で、北陸電力もこれは公表している。
 さて、次に避難に関しては次の三つが上げられている。
①家屋が倒壊
②道路が寸断
③港が使えない

 これらは志賀原発はもちろんだが、他の原発にも言えることで、福島事故の時には避難中に亡くなった人たちも多くおられたのも事実であり、防災指針が役にたたない事も明らかにになった。ちなみに原子力規制委員会は防災指針の中で「生命」と銘打っている。

 上の特に三つの項目の中においては能登半島の志賀原発や四国の伊方原発半島にあり、原発で過酷事故が起きれば避難は難しいというか根本的に無理だと私は思う。下の画像はそれぞれの立地自治体の原子力防災について描かれたモノだが、車や船で避難できるのか疑問である。一応書いておくが、地震で苛酷事故が原発で起きれば、当然、一般家屋も壊れるし、仮に屋内退避と自治体が指示を出しても外気を完全に防ぐ健全な家屋などはあろうはずもない。

上の作図は志賀町の原子力防災指針の画像である。

 さて、避難する道路だが、地震で寸断されれば特に、孤立集落などは避難は無理と考えられるし、伊方町のように船で避難などは到底無理であろう。なぜなら、「津波」がおさまって避難?ヘリはどこへ着陸できるか?

 そして、この項の最後に書いておきますが、原発で過酷事故が起きたときに「ヨウ素剤」が役立つという専門家もいますが、排出されるのはヨウ素だけはありません。

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