福島第一原発の感電事故(2)

 前記事で4月24日に福島第一原発で起きた感電(電撃)と思われる事故で感電ではないだろうとのコメントを戴いたので、再考してみたいと思い今回の記事を書きます。
前回の記事はこちら

 東京電力が4月25日の定例記者会見に併せて公表した資料によれば、『負傷者については意識があり、また、放射性物質による汚染はありません。発電所構内の⼊退域管理棟救急医療室にて 医師の診察を受け、緊急搬送の必要があると診断されたことから、午前10時57分に救急⾞を要請し、医療機関へ搬送し ました。診断の結果、「右頬部・右前腕2度熱傷」と診断されており、⼊院はせず帰宅しております。』と記載されていて、東京会場で会見にのぞまれたフリーランスの「まさのあつこ」さんや「おしどりマコ」さんらは負傷者の作業員の人は「感電」と考えられる認識を示されていますが、この認識は私は正しいとは思っていますが、東京電力の広報の人たちの応え方が感電では無いとした上でコロコロと変わるので疑似暗記にもなります。
 さて、ここで、東京会場での東洋新報社の岡田さんの質問の離隔問題の続きに対して東電側は「負傷された作業員さんは管路を突き抜けた時点でおかしいと思い、現場を離れて、ふたたび、近づき覗き込んだら火花が出て火傷した…」と述べています。(1:11ころ)

 さて、この事故の時系列ですが、東京電力は次のように公表しています。

4月24日の10:43分頃、……「アークによる被災」同日の11:34頃…「救急医療室から病院へ搬送」とあり、救急医療室では対応できないほどの、負傷と考えられ、前記事に書いたように「アークによる熱傷」で2度とある事から、病院への搬送は必然的と考えられます。
 しかしながら、不思議な問題点もあります。それは、斫り(剥がし)作業にあたっていて負傷された作業員さんが、斫り機(ハンドブレーカー)を手離した瞬間に放電(アーク)したのではなくて、「再び、覗き込んだ時にアークが飛び右頬と右前手首を熱傷2度で負傷された」と東電側は応えています。また、これは資料にも書かれています。

 私が不思議に思うには「覗き込んだ」瞬間にアークが飛んだと記載された東電側の資料は見当たらないと思うのです。つまり、ハンドブレーカーをコンクリートに突き立てたまま、その場を離れ再びハンドブレーカーに触らず「覗き込んだ」らアークが飛んだという東電の会見のせりふです。確かに高電圧9600ボルトですから、間近に近づいただけでも、アークが飛ぶ可能性は否定はできないでしょう。だと、考えれば尚更、「感電」ではないでしょうか。そして、普通、重量があるブレーカーは電動ピックと違いますから、仮に突き立てたままの状態で触ったら感電」は当たり前になると思います。


 ちなみに、表層面のコンクリート舗装の厚さは10cm未満と、そして、管路の直径は160mmで、ケーブルの直径は76mmと会見で公表しています。

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