福島第一原発、コンクリート打設に伴う事故あれこれ

 昨日、木曜日の定例記者会見によれば、廃棄物処理建屋の増設に伴い、生コン車の運転手の骨折事故やコンクリート打設時において、土工職と思われる作業員の方が生コンも代掻き中に長靴の中に生コンが入り、足に化学熱傷を負うという、どちらも未経験者かと思われる事故が発生している。生コン車の運転手の方は高齢の方でベテランと思われるが、何故、脚立を使用しなければならなかったのか、私にも理解できない。

 それは、ミキサー車のドラム内の生コンを全てはきだし、シュートに残る残コンを通常なら、洗車ブラシやデッキブラシで搔き下ろして、シュートを脇にかわし、シュートの下にバケツを提げ、水洗いするのが普通だからだ。これらの作業は脚立を使用しなくても、土間に立ってからでもできるのではないかと思う。わざわざ脚立を使用しなければならない理由はどこにあるのか分からないのだ。それとも、ポンプ車の高さが高いのか?それなら、デッキブラシで残コンを下し、シュートを脇にずらせば、洗浄はできるはずだが、…. 

 次に、失礼だが、生コン焼けの話題で、まるで、素人がコンクリート打ちを行っているような話しでもある。確かに打設圧も高く50cmもあり、鉄筋も配筋されてあれば、足も間に落としやすいかも知れない。しかし、そのためにコンクリート打設用の網状の足場板(メッシュロード)など敷いてあれば足を落とすことはないだろう。東京電力はこういう事も知らないのだろうか。

 今の生コンクリートは昔と違い人体にとっては有害なさまざまな、化学薬品が使われ硬化を早めるために使用され、また、劣化やクラックを防ぐために使用されている。つまり、火傷だけでは済まないかも知れないのだ。

 さて、東電が広報用に使用した上のマンガ図と長靴の画像だが、まるで素人が重要な施設のコンクリート打設を行って生コン負けをした画像を公表している。生コン負けは私も経験があるが、汗と混じればさらに皮膚がただれ、痛みも一週間くらい続く。酷ければ病院での治療も必要となる。しかも、打設場所も視野にいれば放射能も考えなければならない

 そして、上記のマンガポンチ絵の説明にも大きなミスがある。生コンをかくには、道路工事などで利用するレーキではないのだ。均しに使用するのは土間トンボや生コンを斯くのは代搔きという道具で土間屋さんという沖縄発祥の職人さんが利用するのが通例である。(上がトンボ・下が代搔き)

 通常、上のコンクリート打設くらいには5人以上の単位で、ポンプ職は2名か3名で、ポンプ車に1名で4名で土工職がバイブ持ちと手元、で打設範囲が広ければ2組で4名から6名、そして、肝心の土間屋さんが、レベル見を合わせれば、最低でも4名は必要だろう。
 つまり、上の東京電力のマンガ絵は話しにもならないという事で、現場職人が見たら笑ってしまうだろう。さらに言えば、この程度のコンクリート打設しかしていないということだ。








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