七草にちかをプロデュースした雑感

 Twitterのトレンドで見てから久々にシャイニーカラーズを開いて、  「七草にちか」というアイドルをプロデュースしたら色々、本当に色々思う所があったので取り留めもなく書き連ねていこうと思います。

※WING編のネタバレが本文にはあるので見たくない方はいますぐブラウザバック!!


前置き

 私は特段アイドルマスターシャイニーカラーズ(以下シャニマス)をやりこんでいる訳ではない、どちらかといえばにわかプロデューサーであると断っておきます。                             因みに他のアイマスIPはシンデレラガールズ(以下デレマス)、ミリオンライブという感じで触っていてメインはデレマスです。          「七草にちか」については「白いツバサ」を一回WINGでプロデュースして優勝(TRUEではない)した程度の知識で書いています。         なお、敗退コミュは怖くてまだ解放してません。

加えて、改めて読み直したのですがかなり取り留めが無いです。今自分で読み返しても何が言いたいのか全く分かりません。多分、だからどうした!!となる方が大変多いと思います。申し訳ないです。

以上ご了承頂いてから、本文を読んで頂ければ幸いです。


「”普通の女の子”」プロデュース直後の印象

 キャラクターの第一印象や最初に触って思ったのは、この子はアイマスにおける”普通の女の子”なのかなという事。事務員である七草はづきの妹という点であったり、2ndライブでの発表もあって特別な子なのかな?と私は想像してました。が、実際に触ってみるとその想像を裏切ってあまり尖ってない普通の子でした。セリフの中でもプロデューサー自身も"平凡"と言っているしこの辺は多分プロデュースした人が皆感じる所ではないかなと思います。

 あえて、「アイマスにおける」と付けているのは、現実にこんな子いたら普通じゃないでしょ!!ってなるからです。あくまでもアイドルになれる"普通"という事でしょうか。もっともアイマスの時空の普通の女の子は歪んでいて、この辺はデレマスでも速水奏や高垣楓が言及していたような気がします(記憶違いだったらゴメンナサイ)。この世界の普通とはうごご……

 それはさておき、スーパーアイドル「八雲なみ」に憧れて、真似て、努力して、人一倍アイドルになりたいそんな意志の強さだけで進んできた女の子。プロデューサーに見せた強引さもそんな純粋な意志の強さの表れなのかな…

と私もこの時は思ってました……。


「自分がない!?」プロデュース序盤~中盤

 そんな感じで私は普通の女の子がアイドルを目指して頑張って、自分なりのアイドル像を手に入れるみたいな流れで楽観的に話を見ていたのですが話しを進めていくと雲行きが少し怪しくなってきます。

 最初に感じた違和感は異様なまでの「八雲なみ」への執着でした。最初はスーパーアイドルに憧れてるんだなぁくらいでしたが、「ah☆」を踊ってみせた辺りから私にとって強烈な違和感になりました。特にプロデューサーの「くすんで何かのコピーになる」「アイドルはここからはじめて—アイドルになるのだろうか」というモノローグは強烈でした。あまりプロデューサーとしての言葉らしくないと思ったのと同時に、彼女が「八雲なみ」のコピーで成り立っている事を明らかにする言葉のように感じました。

 とはいえこの時点ではまだ半信半疑、考えすぎかなーくらいに私は思っていました。ただその楽観を粉々に打ち砕いたのが七草にちか自身の「なみちゃんの靴で踊らなきゃライトなんか当たるわけないって…………」というセリフでした。その前の「ただの人ごみなんですよ私……!!」も中々に読んだときは衝撃的だったのですが、あの言葉はその全てを覆す程驚きました。何せ"なみちゃんの靴"=八雲なみの踊りな訳で、自分の個性を全否定するセリフですし、解釈によっては自分には個性や芯が無くてけど目標があると言っているように取れるセリフです。実際、この時点で私は手段と目的が入れ替わってない??大丈夫この子と思ってしまいました。

勿論今までのアイドルマスターシリーズにもアイドルになるという目標だけ、もしくは意志だけでアイドルになったキャラクターはいます。それこそ私がデレマスで担当している一ノ瀬志希もプロデューサー自身への興味からアイドルに興味があるという理由だけでアイドルになっていますし……。とはいえ、そういったキャラクターも話の割と序盤で「自分なりのアイドルらしさ」を掴むのが今まで多い流れです。ところがこんかい七草にちかにはそう言ったものがここまで提示されません。なので私としては最大限不安になっていました。

この子は大丈夫なのだろうか……と


「”普通”じゃなくて”平凡”」プロデュース中盤~WING優勝

さて、前述の流れから個性が無くて、アイドル「八雲なみ」になろうとしている七草にちかをプロデュースしていた私は不安になります。実際ゲーム内でもプロデューサーは自問自答しています、「にちか、本当に…………君はこれでハッピーなのだろうか」と。これはプロデューサーの言葉として出てきますが実の所ユーザに強く響く言葉だと思います。多分多くの人が七草にちかをプロデュースしてきて不安を覚えたことと思います。その時に思い出すこの言葉はプロデュースを体験しているユーザをザックリと突き刺さった事でしょう(少なくとも私は刺さりました)。そして迷い始めてしまいます、このまま彼女をアイドルの道に進めてしまっていいのかと。本人の希望に沿うならアイドルにしてあげるのがベストなのでしょうが、自分を信じずに自分以外になろうとする姿を良しとするかはかなり難しい問題のように感じました。とはいえ、アイドルになるのを心の支えにしているのも彼女の今までの話から見て取れるのでアイドルの道から落とすのも苦しい気持ちになってしまいます。

そんなこんなで、私は決心のつかないままWINGの準決勝に七草にちかを連れて来てしまったのでした。ここで七草にちかはプロデューサーに「上手くいくか」「可愛いか」を尋ねます。その後、何度も自分に「可愛い、上手くいく、大丈夫」と言い聞かせます。このシーンを見て私は何となく今までグラグラしていた七草にちかの姿を捉えたような気がしました。最初、私は彼女を見てアイマスにおける"普通の女の子"と彼女を捉えました。でもオーディション前に不安気に確認していい気かせる姿は本当の意味での”平凡”な女の子に見えました。つまるところ彼女はどこにでもいる、語弊を恐れなければ私達と変わらない人間像を投影した女の子なのかなと解釈しました。自分に自信が無くて、他人に憧れて、出来る選択肢は努力だけでそれこそ”平凡”などこにでもいる女の子なのでは?とそのシーンを見て強く感じました。(本来言語的には普通と平凡という言葉には有意な差は無いのですが、この文章中に限っては"普通"=「アイマスにおけるアイドルを目指す女の子」、"平凡"=「どこにでもいる女の子」で区別しています)

ただ、そういう風に彼女の人間像を捉えられた所で彼女をアイドルにしていいのかという問題は解決しません、むしろその後準決勝の突破コミュの勝ったにも関わらず全く喜ばない姿の彼女を見てしまうと、ますますこのままで良いのか?となってしまいます。とはいえ、落とすのも彼女の何もかも終わらせてしまうようでやっぱり苦しい……、結局私はこのままWING決勝で勝たせることにしました。

 そして決勝前コミュでプロデューサーは「笑わなくていい」「にちかはにちかの作ってきたもので魅了できる」とそのままの彼女でも大丈夫だと背中を押します。ここ彼女の個性を全肯定してあげてる部分でもあって、私は七草にちかちゃんはやっと個性を……!!みたいに思いました。が、彼女は鏡で笑顔の確認をしに行ってしまいます。ブレない……、七草にちか。とはいえ、この会話の直後にちょっと笑った素振りも有ったりして彼女的には心が少し軽くなったのかなとちょっと想像してみたりしていました。

 優勝コミュで七草にちかは過呼吸になりながらプロデューサーに笑えているか確認します。もうここまでくるとそんな状態でも"平凡"な自分がアイドルとしてちゃんと振る舞えていたか不安で気にする姿はとても彼女らしいように思えました。一方でプロデューサーもそんな彼女の心配を第一としながらも「笑えている」とちゃんと彼女の欲しかったであろう回答を答えて上げます。なんとなくこれが七草にちかという"平凡"な女の子ながらアイドルになった子とプロデューサーとの関係性なのかなと一連の会話を見ながら思いました。きっとそれは話を紡いでいくほどに変わっていくものではあるのでしょうが、今現在のアイドルとプロデューサーの関係性としてはそれでバランスが取れていると、私はそう思いました。


「天井努と八雲なみ」≒ or !=「プロデューサーと七草にちか」ラスト

 さて、これで終わりかと思いきやラストにとんでもない話が投下されます。七草にちかが憧れていたアイドル「八雲なみ」は天井努がプロデュースしていたという事実です。それも、天井社長は「八雲なみ」というアイドルを彼女の思いに沿わない形でプロデュースしていたような話が暴露されます。七草にちかもプロデューサーも別々にそれを察していました。プロデューサーは「彼女が幸せだったか分からない」と言って、七草にちかも「分からないです」と答えるシーン。一見すると2人の意見は一致していて何の問題も無いように見えます。が、本当にそうなのか?と今改めて私は思ってしまいます。「八雲なみ」を理想として、憧れて、真似してアイドルになった七草にちかが「分からない」という事はこの先自分がどうして良いかも分からないという事に繋がります。勿論プロデューサーはこの辺りを察して「続きは自分で作っていく必要がある」という旨の発言をして彼女も「分かってます……たぶん」と頼りないながらも返事をしてひとまず未来を見据えて、希望を残して終わるような印象を受けました。

 少し問題が残るような雰囲気はするものの全体的には綺麗に纏まったラストだなぁと思っていたのですが、よくよく考えると「天井努と八雲なみ」の関係と「プロデューサーと七草にちか」の関係は似ているように思えます。違うのは「天井社長が八雲なみに合わない靴を履かせた」のに対して「七草にちかが自分で合わない靴を履いた」点位でしょうか。プロデューサーの手腕で伝説的なアイドルになるのとプロデューサーの手腕でアイドルの頂点に立ったことについてはそれほど差がある様には感じません。つまるところ、プロデューサーがした事は天井社長が過去にやった事と同じなのではという気がしました。とすると、今後の話次第では七草にちかにはもっと過酷な試練があるのかもしれません……。

最後に全体を通して

もう大体書いてしまったので書くことも余り無いのですが……。

全体的な感想として、とにかくしんどかった……。これが私の終わった時に思った感想でした。そしてその後に襲ってくる虚無感、これが無限に続いてました。しばらくの間、虚無……、虚無……とブツブツするくらいには虚無感に苛まれていました。最初は上手く綺麗に終わったように感じたストーリーも後から租借すると色々とウッとなることが多くとても読み返す気にもなれない部分も有りました。(とはいえ、これを書くために十数回は共通コミュを見直しましたが……)

今はユニットを組む緋田美琴によっていい方向に引っ張って欲しいなぁという気持ちです。

あとは「にちかは幸せになるんだ」ですかね

(それはそれとして実は決勝でミスってノーマルアピール連発してしまってめっちゃ焦ったりしました……)

「これはお前が始めた物語だろ」蛇足

 いや、これ本当に蛇足なんでここに書くか迷ったのですが一応書くだけ吐き出しておきます。

 Twitter君で天井努のサジェストをかけると「お前が」って出てきて大体見出しのセリフに繋がります。まぁ、これ自体は某漫画が元ですがもうネットミームというかそんな立ち位置なのであまり深く突っ込むつもりがなかったのですが、どうしても気になった事が有りました。

 これは本当に「”コレ”は天井努が始めた物語なのか」です。確かに「八雲なみ」という伝説的なアイドルというか偶像を作り出したのは天井社長ですし、それに憧れたせいで七草にちかが苦しんだのは明白なのですが……。「この物語」を始めたのは本当に天井努なのでしょうか?まぁ、あの漫画の原作の流れを汲めば答えはイエスになるのかも知れませんが、個人的には違うと思います。だって、七草にちかをプロデュースしたのはプロデューサーなんですから。彼女を落とすことだって出来たのに(結果として彼女は大きな傷を負ったかもしれませんが)そうしないでアイドルにしたのは紛れもないプロデューサー自身です。さらにもっとメタな事をいえばプロデュースすることを決めたのはユーザである”貴方”自身だと思います。こういうと、でもシナリオを決めたのは運営じゃんみたいな話にもなりますが、それでもアイドルを選択してプロデュースのボタンを押したのは貴方なんですと私は言いたいです。アイマスにおいて私達は根本的にプロデューサーなのです。

 なので、私はあえて言いたいです。「これは”貴方”が始めた物語だろ」と。私達が出来るのはプロデューサーとして七草にちかがどうなっていくのか見ていく、支えていく事だけなのではないでしょうか。


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