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【RX 高岡】 2022.08.20 RAA 660km走行会ソローDNF

RAAというブルベに参加してきました。
昨年ブルベで600km走って以来のロングブルベ。
結果から書くと、660kmを目標タイムで走り切ることはできずと判断してDNF。

前回の600kmブルベの記事はこちらを。

RAAとは

Race Around Aomoriの略。
RAAM(Race Across AMerica)予選会の部とチームの部(以上サポートあり)、ソロ(走行会)とカテゴリがある中で、私はソロで参加。

距離は約650kmなんだが、今年は大雨の影響で県内いたるところで通行止めがあり、主催者のJUCAが直前までコース変更でなんとか無事通過できるコースをひいてくれて、前日に最終的に660kmのコースとなった。
しかし、当日も雨により通行止め区間が発生してしまい、一部コースの修正がなされた。

ソロは通常のブルベと同じで、ノーサポート前提で一人で走り切る。制限時間は、気にしてない!

目標・作戦

前回大会で日本縦断ギネス世界記録保持者の落合さんが24時間ちょいだったので、24時間切りが目標。そんなに難しいとは思っていなかった。
660kmなので、30km/hで行くと22時間。山岳含むのと距離が長いので+1h。休憩で+1h、と考えていたがだいぶ見積もりが甘く、結果的に遠く届かなかった。

スタート〜TS1

予選会の部が6:00AMスタート。私は6:10小雨の中スタート。

スタート後1分で2分くらい信号ストップ。なんか苛立つけど、道のりは長いから落ち着け落ち着け。
にしても早朝だったけど青森市内を抜けるまでは信号ばかりでまともに走れず。

抜けてからは極めて順調で、35-40km/hでの巡航で、90kmのチェックポイントのコンビニまででグロス30km/hに対して12分ほどの貯金。計算どおり。超特急で買い物して食べて、トイレ行って、で12分で出発。

12分。超急いで最小限にしたつもりでもこれくらいかかる。
前を走るチームの選手はメンバー交代できるのでその区間全力で走れる。そして交代している間に休んで食べれば良いから、実質チームとしての休憩ストップはゼロ。TS1までに追いつかなかったということは、そこで12分休憩した分の差がつく。スタート時の5分差より更に拡大して、私は疲れていく一方チームは常にフレッシュな人が走るので、これは追いつくのは無理ゲーだ、と悟る。

大間崎へ

次は下北半島の先っちょ、大間のマグロモニュメントを目指す。
スタート時は小雨だったのがその後やんだけど、北上するうちに再び降ってくる。
そして大間へ向かう海峡ラインという海岸線がえげつないアップダウン。グロス30km/hを狙う貯金がどんどん減っていく。
そして大間を前にして本格的な雨。寒くなるほど。

最初のコンビニから100kmちょい走ったところで2回めのコンビニストップ。ここでは15分ほどかかってしまう。濡れて寒いと動きも緩慢になる。
またチームとは差が広がる。一定時間ごとにコンビニで止まらないといけないソロでチームに勝つことは絶対ムリだと悟る。

RAAM予選会(単独走・フルサポート)に参加のnYolo(ニョロ)さんは10分先にスタートしている。フルサポートあるとは言え、単独で660kmを走るという点では同じ。サポートの点で不利ではあるけど、長距離走る走力においては負けてないはずと思い、目標をまったく影もカタチも見えないがニョロさんに追いつくことに変更。先は長い。諦めずに走っていれば追いつけるはず。

大間崎のマグロのモニュメントを前に雨風が強くなり、更にGarminのナビもバグってタイムロス。

8月なのに、全身濡れて風が強くて寒くなってきたので、レインウェアを着る。ちょっと厚手のしっかりしたレインウェアを持ってきて良かった。

下北半島東側

次のチェックポイントは282km地点のコンビニ。風向きが序盤ほど良くないけど、まぁまぁのペースを保って進む。それにしてもずっと雨。
途中雨がやんだところでレインウェアは脱いで、それ以降寒くはならなかったから着なかったけど、全身ずぶ濡れ。初めて通る道で路面はずっとフルウェットなので、慎重に走る。

まっすぐで緩いアップダウンがあり、信号も交通も極めて少ない道路で、Ridefarrのエアロハンドルが大活躍。

これ。DHバーほど突き出ていないし肘パッドもないけど、非常に重宝した。

チェックポイントでは主催者のJUCAのお二方がいらして、ちょっとホッとした。スタートして以降誰に抜かれるでも誰を抜かすでもなく、ただひたすらに淡々と走っていただけなので、このイベントの人と会って話しただけで孤独が紛れて嬉しかった。

休憩ではだいたい4〜5単位の食べ物を買って、1-2個食べて残りはポケットに入れる。

ナイトライドへ

第4チェックポイントは342kmの小川原湖公園。

18時前。そろそろ暗くなりかける頃。
NetのAvは32km/hくらいで走っていたけど、この辺りからどうせ追いつかないから、と諦めの気持ちが入り、若干ペース落とした。まぁそもそも長いのでそんなにプッシュしていたわけではないので、気持ちの問題だけど。

蕪島神社

5番目のチェックポイントは385kmと前回ストップから近い。けど前日に調べた結果この先あまりコンビニがない区間だったので、この前に第休憩をした。
最初の休憩は12分とか時間を見てミニマムで過ごしてきたが、集中力が切れて地べたに座り込み、しっかり休もうと。30分以上ストップした。

そこからは完全にナイトライド。全く街灯もない木々の中の知らない道をフロントライトの灯りだけを頼りに走る。当然慎重に走りスピードは出し切らない。
けどそれも慣れてくるとガーミンの地図表示をチラ見しながら、だいぶスムーズに走れるようにはなった。

階上から酸ヶ湯へ

385kmの蕪嶋神社から酸ヶ湯を過ぎて黒石に降った525kmくらいまでは何もないと記憶していたが、階上町を通りかかって気づいた。チェックポイントのミニストップがあった。危ない危ない。折り返してレシートもらう為だけに缶コーヒーを買う。もう止まるつもりはなかったのでここはすぐに出発。

あとでわかったのだが、今回ソロで参加していたにょろさんのサポートチームのツイッターで、階上のミニスポットの時間見たら、私より25分先だった。
追いついていないのに蕪嶋神社前で30分以上休憩していたから、そこで少なくとも40分とかは先行されているかなと思っていたが、どうもその後の階上へのアップダウンで詰めたか。休憩なしとか睡眠なしとかは厳しいけど、走力では勝っているはずなので、登りが多くなればなるほど差を詰められるはず。


階上町のミニストップ。402km地点

2000年のインカレと、2017年の全日本選手権ロードで来たことある階上(はしかみ)町。その時通ったことある道路を今回のブルベでも走る。

地図見ての通り、ここから怒涛のアップダウン。
平地を淡々と漕ぎ続けるよりもアップダウンの方が変化があって走りやすい。飽きないし。真っ暗だと目の前のライトで照射されて範囲しか見えないから走っている楽しさは半減。

ロングライドではお尻が痛くなる問題があるので、今日は登りはほとんどダンシング。シッティングで登った記憶はほぼないというくらいダンシングばかり。

そして今日一の山場、八甲田山の傘松峠1040mへ。ガーミンがお知らせするクライムプロでは、15km 791m↑のセグメント。つづら折れで路面はあまり良くなく、というか雨で砂がけっこう流れていて、真っ暗闇の峠を淡々と登る。
峠のクライムはちょうど1時間くらいで205W程度。

暗闇を登りながら思ったことは、装備・機材で一番重要なのは信頼性だと。ライトがこの状況で壊れたらThe END。携帯の電波が入らなければほんとに死ぬかもしれない。パンクとか機材トラブルとかでも、この夜中に真っ暗な山中で、何か起きたら対処しないといけないけど、独りでいると想像もしたくない。ただ何事もなく山道キツいなくらいで走れることがどれだけ幸せか。
ライトはCATEYEを使っているけど、スペックだけ見たら同等の商品が中華で大幅に安く売られているのは知っている。それらも安かろう・悪かろうではないとも認識しているけど、QCの観点で歩留まりが数%でも違うなら、価格が高くても信頼できるメーカーの物を使いたい。と暗闇の中で思った。

1040mまで登った後はダウンヒル。夜のダウンヒルはスピード出せないのでもったいない。

酸ヶ湯からのダウンヒル〜ショートカットして宿に戻る

少し降った酸ヶ湯のチェックポイントで写真撮影。

写真撮影のため止まってトイレしてすぐに走り出す。走り出して30秒で気付いた。一旦止まった身体が急激に冷えて来た。これはまずい。即時に止まって、真っ暗闇の中でサドルバッグからレインウェアを再び取り出して着用。ほんと数十秒で致命傷になるんじゃないかというくらい急に震えが出始めるタイミングだった。
頻繁に道路脇に見る電光の温度表示では17℃くらいだったけど、雨で全身ずぶ濡れのダウンヒルに備えて、トイレで止まったタイミングもしくは頂上越えたタイミングでレインウェアを着用すべきだった。

そこからの下りはけっこう長くスピードも出るが、何せ真っ暗なので慎重に走る。寒いながらも多少震えるくらいで、死にそうになる寸前くらいでクリアできた。
しかし冷えた身体はなかなか戻らない。

そして下り切って平坦路を走っていたら睡魔に襲われた。幻覚というと大袈裟かもしれないけど、自分の横に何かの影が一瞬現れたりというのが幾度か。たぶん、1秒未満の瞬間的に走りながら寝落ちしていたのだろう。

もともと大きな山越えて525kmくらいで休憩するつもりだったので、弘前市の少し手前で休憩。まず身体を温めるのが大事なので、サドルバッグに入れておいたレッグウォーマーを装着してエマージェンシーシートを身体に巻く。8月のブルベで、、、

残り120km。時間は2時ちょい過ぎ。あと4時間以上かかるな。6時過ぎるか、、、

ふとGoogleマップ見てみたら、コースはこの先西へ向かって山を越えて北上して東に向かって、南下する。けど、新青森駅までの最短ルート見たら、33km。
寒さでもう頑張る体力と気力なく、今後眠気と戦いながら走るのはあまりにしんどい。
今後乗鞍ヒルクライム、秩父宮杯ロードレース、グランフォンド世界選手権と続く中で、今日限界まで挑戦することは長い目で見てプラスにはならないなと思い、あっさりとDNFしてショートカットして青森に戻ることを決断。
未練はほぼなかった。

もともと、ゴール時間が24時間くらいだとすると6時頃に到着。パッキングしたりすればすぐ新幹線の時間になるから宿は取らなくてもいいかなとも思っていたけど、もし快調に22時間とかで戻ってきたら、朝4時だから、ホテルの部屋でシャワー浴びて、10時のチェックアウトまで少し寝てから帰った方が良いかなと思い、念の為ホテルの部屋を取っておいた。
今回ショートカットして4時に戻っても部屋があってシャワー浴びて寝られるというのも即決できた大きな理由。想定していた利用法とは違ったけど、結果的にそれによってDNFを後押ししたことにもなったけど、ホテルの部屋をとっておいてよかった。

結果

若手2名でタイム狙ってきたチームが21h30mでダントツ優勝。車に選手を乗せて2交代でAv 30km/h以上で走り切った。

お客様ERIさん含む4名チームは22h50mでフィニッシュ。

ソロのニョロさんは25時間くらいでフィニッシュらしい。
後で知ったのだが、私が弘前前でDNFを決めた時、10分弱の時間差で同じあたりを走っていたらしい。階上で25分あった差が酸ヶ湯越えて10分まで短縮していた。
それを知っていたら、、、いや知らなくて良かった。
その後に500mくらいの岩木山があったので、もしかしたら追いついていたかもしれない。いや追いつこうと頑張って走り出したかもしれない。けど追いついたら眠気に襲われながらの限界状態でさらに頑張ってしまうし、そこまで身体に極限の負荷をかけるのは良くないなと思う。

色々とやってみたけど、明け方から日没くらいまで速く走るくらいのロングが一番良い。暗い中走り続けるとか睡眠削って眠い中走り続けるのはあまり楽しいものじゃないし、夜は美味しい物食べてよく寝て、また欲日1日中ライドを楽しむ方がQuality of Rideはよっぽど高いと思う。

と何かの分水嶺になるかもしれない今回のブルベ参加でした。

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