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運命アンチ

私は運命という言葉が嫌いで、
そんなもの存在しないと考えている。

その言動と関わりなく起きる事象、“運”なら存在している。本人に責の無い不運など世界中にゴロゴロ転がっている。
しかしそれは運命ではない。ゲームでいうランダムイベントのようなそれは、その人が生まれ持った運命などではない。私の世界で乱数は運命ではない。

では運命とはなんなのか。
私の中で運命とは、未知への恐怖と諦念から生まれる感情のことを指している。
だから私の世界の中で、運命は敵なのだ。
運命という言葉で括った途端、それは変えようのないものになってしまう。これは諦めと同義ではないか。
人が空を飛べないのは運命なのか。足のない人が歩けないのは運命なのか。ガン患者が死ぬのは運命なのか。

私はそんなの認めない。
変えようのない世界は恐ろしい。
運命を殺した実力不足の世界も苦しいけれど、運命だけの世界よりは、私にとっては良い。
足掻かせて欲しい。足掻く隙間が欲しい。

私にとって運命とは、思考を止めた先にある地獄のことを指す。

ああ情けない。私は怖いんだ。
運命は怖いから認めない。
幼稚な思考だとは思う、でも運命が嫌いだ。