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01.強くなるため、FreeStyleリブレを買った!

効率の良いトレーニングメニューと補給を求め、FreeStyleリブレを買った。
今後のため、記録を残す。 #ろぱグルコース



①前提


リブレのグルコース値

測定したグルコース値は、血糖値と異なる。
詳細は、グルコース値と血糖値の違いを確認すると分かりやすい。

毛細血管より間質液はミトコンドリアに近いため、トレーニング目的に適していると考え、導入することにした。
実は3年前から考えていたが、机上のシミュレーションを行うと、グルコース値を測定することに大きな利点が見出せず、当時は薬局以外で入手困難なこともあり、導入してこなかった。

リブレは2週間で自動停止して使い捨てる仕組みのため、たった2週間で精度の高い良いデータが得られるとは思っておらず、2か月分の4台を購入した。
今回は1台目の実験結果で、これから2台目の実験計画を考える予定だ。


Ropaの遺伝子・血液

実験体Ropaを客観的に知るため、遺伝子検査を行った。確からしさを導出するため、2つの実施機関で行った。提示された明細の粒度が異なるため、完全比較は出来なかったが、全く同じ結果だった。概ね信じて良いだろう。
血液検査は特に異常ないが、75gOGTTも近いうちに実施予定だ。

グルコース値は、様々な要素が絡み合いすぎていて、とても複雑だ。遺伝子もその要素のたった1つでしかない。

遺伝子検査結果は分かりやすくするため、3観点での評価を行っている。観点が異なると評価も変わってくる。
そして、今後の遺伝子研究でも変わるかもしれない。

▼有酸素運動:やや高い【肝心のミトコンドリアァ…】
・PPARGC1A:低い(ミトコンドリアの生合成や糖新生などの代謝経路)
・PPARD:高い(細胞小器官の増殖)
・ATP6:高い(ATP合成の酵素産生)

▼無酸素運動:低い【運動で成長できないポンコツ君】
・CNTF:高い(神経の栄養因子のたんぱく質を産生)
・ACTN3:無い(速筋を形成)
・ACE:低い(血管の収縮や膨張、血圧の制御)

▼糖尿病関連:概ね普通
(※インスリン関連だけでも遺伝子の種類がかなり多いため、割愛。)

そもそも、遅筋は生まれつきのもので増えない。
身体的に強くなるためには速筋を増やし、ピンク筋(遅筋相当)に育て、ミトコンドリアを増殖&活性化させていく。
しかし、Ropaの遺伝子では、速筋を形成する遺伝子ACTN3が無い。(他の遺伝子で速筋の形成は可能だが、ACTN3ほどでは無い。)
しかも、PPARGC1Aが低く、ミトコンドリアが活性化しにくい。

要するに、Ropaはポンコツ体質だ。
強い人の真似をしても、まず強くならない。
そんな残念な体質だ。
競泳時代(10代)に身をもって知っている。

メタボ解消目的でロードバイクを始めて1年半後に数万円のエントリーバイクでフジヒルシルバーが取れたのは、ATP6とCNTFあたりのおかげと競泳経験もあり、初期ステータスが高いだけで勘違いしていた時期もあった。
レベルアップしにくく、どんどん周りに置いて行かれた。

MMPも2019年がピークで上がっていないけど、諦めるつもりは無い。
遺伝子含めた体質に最適化した生活やトレーニングをすることで、自転車で強くなる道を常に模索している。#ろぱグルコース もその中の1つである。
もちろん、家庭と仕事のバランスを取ることが大前提だ。


使用アプリやセンサー

▼アプリ
・LibreLink:グルコース値の記録(自動記録は15分間隔)
・MyFitnessPal:PFCの各量と摂食時間の記録
・Garmin Connect:自転車トレーニングログの記録
・Zwift:パワーや心拍数を確認しつつ、ワークアウトやレースを楽しむ

▼センサー
・電気式心拍計:心臓が発する電流の測定
・パワーメーター:ペダルへのトルクやケイデンス等からパワー値の測定
・SmO2:毛細血管の筋肉酸素飽和度の測定
・CO2:部屋の二酸化炭素量の測定

▼センサー(低酸素トレーニング時のみ)
・SpO2:動脈のヘモグロビン酸素飽和度の測定
・O2:低酸素装置から出力されている酸素量の測定



②結果

念のため、読む前に、注意して頂きたい点がある。
インターネットやテレビ等で言われている血糖値関連のネタは本人にとってフェイクとなるもの、作用機序や臨床試験が明らかでないものも多いため、基本的に信じないのが良い。もちろん、この記事も含めてだ。


■食事内容による実験結果

食事による影響を見る目的は、トレーニングに向けた効率的な補給だ。
さっさと間質液中のグルコース値を上げて、細胞がグルコースを使える環境を作ることが重要だ。細胞のミトコンドリアがエネルギーを生成するかどうかは別要素だが、そもそもの環境が作られていないと無からエネルギーは生み出せない。

基本的には、摂食した糖質に対し、グルコース値が上昇した。
糖質1gに対し、概ね1mg/dL上昇したが、食べ合わせで大きく変わった。

→食べ合わせによる変化

▼上昇しやすくなる
①脂質が少ない(あんぱん、たい焼き、あんこ系)
②熱い(炊き立て白米、レンチン後オートミール)
③たんぱく質(WPI)を加える

▼上昇が緩やかになる
①脂質が多い(植物性と動物性の差は不明)
②ブラックコーヒーや高カカオチョコを最初に摂る
③冷たい(冷えた白米/パスタ/オートミール)

▼特に変化が見られなかった
・低GI食品(オートミール、全粒粉、パスタ、そば)
・トマトや野菜ジュース
・食物繊維
・食べる順番(野菜→タンパク質→炭水化物)
難消化性デキストリン(トクホ飲料)→再検証で効果あり(別記事を作成予定)

2週間のため、実験結果はこのくらいだ。
そこから、今後に心掛けることを考えた。

→ライド中のコンビニ補給

・おにぎり/パンは温めてもらう
・ホエイドリンクも飲む
・脂質が少ないものを選ぶ

ライド中は細胞へいかに早くグルコースを届けることが重要と考えるため、上昇しやすいものを選ぶ。
グルコース値が高いタイミングで走り始めると、とても調子が良い。

→長めのランチ補給

・最初にコーヒーを飲む
・脂質が多くても気にしない

休憩時間が長いとインスリンが多く出てしまうことは避けられず、ライド再開時に低グルコース値となり、不調になりやすいため、少しでも緩やかにグルコースを届けたい。
これは、普段の食事も同じと考えてよさそうだ。


■運動内容による実験結果

普段はインスリンで筋肉にグルコースを取り込むが、運動中はインスリンとは無関係に筋肉が取り組みを行う。また、グルコースが不足するような高強度の時は糖新生で肝臓からグルコースが放出される仕組みだ。
健常者は気にしなくても、各種ホルモンによるコントロールが行われ、基本的に一定で維持される。ただ、レースやトレーニングライド等では本人が意図しないインターバルが入り、一時的にグルコースが枯渇して千切れるかもしれない。
それをコントロールできるようになっておくと、常に最大のパフォーマンスで走ることができるかもしれない。

→L1~L2 or ウォーキング

グルコース値は、安静時より少し高めの値(110~120)で安定する。
供給と消費ともに少ないエコの状態で、長い時間を動けそうだ。
食後、このくらいの強度で運動すると、グルコース値も上がりにくい。食後すぐに軽い運動するとグルコース値が上がりにくいというのはホントのようだ。

→L3ペース or ジョギング

グルコース値は、ちょっと上がった値(120~140)で安定する。
消費が増えた分、供給機能もしっかり働いているため、総合的に持久力トレーニングの効果が最もありそうだ。
食後すぐだと、摂食した糖質以上にグルコース値が上がるが、1時間くらいで落ち着き始める。

→L4ペース

グルコースは、比較的高めの値(140~180)でバラつく。
高めの時は脚が軽く、低めの時は脚が少し重く感じる。供給量が多いと脚の筋肉がラクできているのだろう。
トレーニングなら低めでミトコンドリアを追い込み、レース等のイベントなら高めでミトコンドリアが能力発揮できるコントロールが良さそうだ。

この強度では、SmO2とも連動していたため、SmO2も指標に使えそうだ。(L1~L3はヘモグロビンの供給が追い付いているためか連動しなかった。)
なお、SmO2のことを記載すると1万文字以上と長くなりそうなため、ここでは書かない。海外サイトだが、医師含め様々な観点の記事があるため、そこを参照して頂きたい。(2021年現在、センサーは日本国内で買えない)

→L5~L6インターバル

グルコースは、低い値(100以下)となる。
グルコースが枯渇した状態はミトコンドリアにかなりの負担となり、活性化するチャンスだ。ただ、レースイベントでここを維持しすぎるとエネルギーが枯渇して、当然タレる。
レストを挟むとグルコース値やSmO2は回復するため、それで食いつなぎ、枯渇を防ぐギリギリの走りが良さそうだ。

低い値を見事にキープしていたのは、Rattlesnakeだった。最初1分のL6があるおかげで、最初から低い値のままトレーニングが出来てしまう。効率の良い、よくできたメニューだ。

トレーニング後は、グルコースとSmO2は1時間近く高値(200/75%)を維持していた。その後、安静時の値(100/65%)に下がった。
トレーニング後のクールダウンは長めにやっておいたほうが良いかもしれない。クールダウンを15~20分くらいしておくと高値に上がっている時間も短い。

→全力スプリント

グルコースは、爆上がりする。上昇速度が速すぎてリブレは測定不可能だ。SmO2も、グッと下がり、爆上がりする傾向にある。
糖新生が働きまくって、肝臓からグルコースが放出されまくっているのだろう。次のスプリントに備え、栄養満タンの状態になっている。

→低酸素トレーニング

低酸素で乳酸をためまくりミトコンドリアを追い込むことで、活性化する。心拍数は非常に高いが、出力パワーが低いため、筋肉へのダメージは小さく、翌日に疲労を残さない。その反面、高頻度でやりすぎると、筋肉が高出力だすことを忘れてしまっている感覚がある。
なお、SpO2での常時チェックは必要不可欠だ。SpO2のコントロールは全てにおいて最優先すべきである。最悪、脳に障害が残るリスクもある。

実験結果は、標高3600m設定下、グルコース値がひたすら上がり続けた。
SmO2とグルコース値は相関関係が見られたため、低酸素と低グルコースが両立できるという甘い考えもあったが、しっかりと打ち消された。L3でグルコース値は200を突破した。
低酸素トレーニングは糖質メインの消費となり、糖新生が強くなる作用があるためで、当然の結果である。
人体は本当によく出来ている。

→TVゲーム(アクション系)

アドレナリンが出るからか、糖新生でグルコースが上がり続ける。当然、消費しないため、インスリンがでないと下がることはない。
適度な休憩してインスリンを出して落ち着かせることも必要そうだ。

頭脳系の落ち着いたゲームは特に変化しなかった。

→仕事

運動ではないが、在宅勤務と出社時の差を見てみた。
在宅では、会議での討論や、理不尽な高ストレス圧力があっても上がることは無い。基本的にフラットだ。
出社すると、物理的な運動がどうしても発生するため、食事の影響とか全く分からない状態となった。ランチを摂っても、あまり大きく上下しない。

大きく上下しないことだけが良いこととは思わないため、どちらが良いともいえない。複数の要素が入り混じった環境で、限られた範囲に絞っての判断は、ただの思い込みであり、思考停止しているため、危険な行為だ。
仕事の時は特に気を付けている。何か答えが出たら、それは思い込みでないと他人に説明できるか?と自問している。面倒だから説明しないけど。

→所感

これらを実験して気づいたのが、先にスプリントを入れると、その後に細胞がラクできる栄養環境を作っていたようだ。

これまで思い返すと、確かに脚が軽かった。例えば、Poppo練だと、スプリントが最初にあるコースは最後まで調子いい。(へへへ、うねうね等)
ラクできる環境を作ることにより、トレーニング効果を落とす可能性は否定できないため、ミトコンドリアを追い込むなら、グルコースの急上昇を避けるメニューが良さそうだ。

逆にレースイベントは、ウォームアップの最後か、序盤にスプリントしておくと、その後のグルコース値とSmO2が高めとなるため、高いパフォーマンスを発揮できる環境を作れる。
例えば、12/28のZwift年代別レースは、12/26の220km/3600mイズイチ疲労が抜けていない状態でL4ペースも厳しく、第二集団でさえ千切れるリスクしかなかった。今回の実験を活かし、パレード中のスプリントや開幕ダッシュに参加した。結果、最後まで第二集団で走ることが出来た。疲労の割には高いパフォーマンスで走れていたと思う。
いつか先頭集団で戦える実力をつけたい。。。



③今後

実験したいこと

仕事が超絶忙しい時期に実験してしまったため、トレーニングの実験が明らかに足りていない。SSTインターバル(carson)やロングライド、低酸素トレーニングの標高を下げた場合など、まだ分からないことだらけだ。
これまで行ってきたパワートレーニングのメニューを1つ1つ確認していきたい。1回では意味がなく最低2回は試さないと確からしさが言えないため、どうしても日数が必要だ。

食事に関しても、糖質制限下での実験も行っておきたい。糖質制限は簡単かつ短期間で減量できる方法なので、グルコース値の動きに何か良いデータが見つかることを期待している。

トレーニングメニュー

グルコース中心の観点で、これまでやったことあるメニューから、よさげなものを探した。
また、現時点のRopa以外で有効かは調べないと分からない。そして、人の体は適応した先に順化が来るため、その時点で見直さないと成長できなくなる。

①中強度:SST 30分 - Rest 15分 x セット
SSTの強度はその日のコンディションで強度を決める。「絶対に無理しない」少しでもキツイとグルコース値が上がり、狙った効果が得られなくなる。
SSTが30分なのは、20分過ぎからグルコース値が上がり始めたからだ。途中からラクに感じた後にグルコース値が上がっていた。そのため、グルコース値が下がるまで長めのRestを取って、次のsetに入る。これが結構キツい。。。
どのメニューでもそうだが、何set目からラクに感じるのは、グルコースと相関関係があるように見える。(まだ実験データが足りず確証は無い)

②高強度:Rattlesnake
やっぱ、これ。よく出来ている。
ただ、FTPベースのパワー設定だと全く合わないので注意が必要だ。
その時に行えるギリギリの強度(95~110%)に上げ下げするのが良い。もし余裕が残っていたら効果が薄い。一時的にFTP設定を上げたりして調整するのが良い。
→ギリいけたら、次のsetは、+2~5%。
→ほんの少し余裕あったら、次のsetは、+5~10%。
→完遂できそうになかったら、その時点ですぐ下げる。

③低強度:L2上限でロングライド
いわゆるベーストレーニング。
なるべく低いグルコース値で、高い強度でトレーニングするとミトコンドリアが活性化しやすい。
L1~2でグルコース値に差がなかったため、その中で最も消費量の多いL2上限が良いトレーニングになりそうだ。

終わり

csvデータを見つつ、要約した。
様々な前提条件がある中、たった2週間のデータから算出したため、誤っている要約もあると思う。

Ropaは完全独学でヒットした論文を読み漁っただけの偏った知識のため、既に実施している人の書籍「血糖値から見たトレーニングと補給」を見る等、可能な限り予習したつもりだ。
ただ、実際にリブレの値を見て、仮説が外れているケースも多々あるため、知らないことが多いと思い知らされた。

今回使ったリブレも完璧なセンサーでは無い。SmO2同様、分析データが足りていないし、逆解析する仕組みも無い。
これから訪れる、シミュレーション・ファーストの未来世界では伸びしろしかない技術の1つだと思う。

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