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【わたしの好きな仏像】薬師寺・薬師三尊像

仏像が好きで、今までにたくさんの仏像に会いました。
その中でも何度も行きたくなるお寺があります。
奈良の薬師寺。
もう何度訪れたかわかりません。
ご本尊の薬師三尊像にとても惹かれるのです。

薬師寺の美しく悲しいおはなし

薬師寺は天武天皇が后(のちの持統天皇)の病気回復を祈願して建てられてた寺院です。
お二人はとても仲が良く、共に理想の政治を行う最高のビジネスパートナーでもあったそうです。
祈りのおかげか、后は無事に回復。
ほっとしたのもつかの間、今度は天武天皇が病におかされます。
そして寺の完成を見ることな亡くなってしまいます。

オーラが光る仏像

薬師如来をご本尊とするお寺はたくさんありますが、奈良の薬師寺はその代表だと思います。何度足を運んでも、そのたびに感じる特別感。
薬師寺の薬師三尊像はとにかく光っています。初めて見たときに感じた圧倒的な存在感!
オーラーとか、そういう意味もありますが、実際にツヤツヤと黒光りしているんです。この光沢は火災にあったことで偶然生まれたそうです。

なぜ、そこにブドウ?

この像が座っている台座には珍しい模様が施されています。当時外国で流行していた柄で、葡萄唐草文様や蓮華文様、異国の神の姿もあります。
なぜ葡萄唐草文様なのか?
そのことがとても気になりました。

台座のレプリカ 外国の模様がほどこされています
異国の神様

ブドウの持つ力

葡萄は古くから生命と豊穣、再生の象徴で、人々を癒す薬草でもありました。
花言葉では夫婦円満、子孫繁栄、商売繁盛など。
ギリシャ神話に登場する豊穣の神・バッカスの偶像にも葡萄が添えられています。
そして、その思想はシルクロードを旅し、終着点である日本までもたらされました。

ブドウに込めた妻への愛

薬師如来は病気を治す仏様。その手にある薬壺にはどんな病気も治す薬が入っていると伝わります。
天武天皇は后の病気平癒、すなわち生命の再生という祈りを込めて、薬師如来が座る台座に葡萄文様をあしらったのではないでしょうか。
きっとそこには妻を思う深い愛情が込められていたのです。

これは、あくまでも個人的見解です。
でも、そうだと素敵だなあと思います。



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